今月のBandcamp Fridayにあわせて、自身の蔵出しダブステップ音源集第3弾をリリースして、世のダブステップヘッズを歓喜させたご存知、"ダブステップ・レジェンド"Skream。
そんな彼が先日、Twitterで、さらにダブステップヘッズを歓喜させるような匂わせツイートをしていました。
そのツイートは、Skreamのマイメンで、同じく"ダブステップ・レジェンド"であり、パイオニアの1人として知られ、ダブステップ全盛期を共に盛り上げたBengaとのユニット"Skream & Benga"を2021年に再始動させるというもの。
Fucking hell.....Skream and @iambenga 2021 HWFG!
— Oliver Jones (@I_Skream) 2021年2月25日
"Skream & Benga"は、厳密にはユニットというか、"セット売り"に近いものですが、それでもこのタッグで当時は多くのイベントに出演。"ダブステップ界のあぶない刑事"的存在だったと思います。
ちなみにTwitterのTLで見かけたのですが、2011年にはかの有名EDMフェス「Ultra Music Festival」の本家、日本での通称「Ultraマイアミ」にも出演していた模様。実際にUMFのサイトで当時のフライヤーを確認してみたところ、ありました。"Skream & Benga"。
さすがに彼らが出演した日程のメインステージ・ヘッドライナーは、deadmau5と、今に連なるEDMフェス感を感じますが、それでも当時、USでダブステップといえば、Skrellexのブロステップだったと思うので、そのイメージが強いであろう中、本場UKの鈍器ベースを中心としたダブステップでマイアミのパリピを熱狂させていたのはすごいなぁと(UKのダブステップにも金切声系ウォブルベースは存在します)。
その熱狂の背景には、それ以前にRuskoが「Maddicent」から『O.M.G.!』(2010)リリースしたり、フェスティバルDJとして成功を収めていたことの影響が少なからずあると考えられますが、まあ、それでも当時のUKダブステップシーンが誇る不動のエースがUSのパリピを熱狂させていたわけですから、これはちょっとしたダブステップ版の"ブリティッシュインベージョン"だったのではないでしょうか?
あと"Skream & Benga"が"ブリティッシュインベージョン"したそのUltraマイアミでは、初日のメインステージにUKが誇るニューロマバンドのDuran Duranがライブセットで出演していたというのもなかなかすごい話。
ほかにもこの年には今では考えられないCSS、Klaxons、Crystal Castles、Cut Copy、Trentmollerがセカンドステージ、サードステージとはいえ、出演。2011年にこのMyspaceを感じるラインナップは完全に時空がバグってる感がハンパないですね。ある意味、00年代エレクトロカルチャーの集大成は、この年のUltraマイアミだったのかも...。
超絶話が脱線しましたが、その"Skream & Benga"は、2010年にもう1人のダブステップのパイオニア、Artworkとともに伝説のユニット「Magnetic Man」として、アルバム「Magnetic Man」をリリース。これがUKでは商業的成功も収め、往年のSashaくらい”スタジアム”が似合う存在にまで上り詰めます。
しかしながら、その後、ダブステップブームは停滞し始め、さらに"Skream & Benga"のうち、Bengaは色々あって活動休止。Skreamはハウス/テクノ路線に変更など紆余曲折な感じになります。
そして、コンビにとっての空白期間が始まるわけですが、2018年にロンドンで行われたダブステップの聖地的レコ屋「Big Apple Records」のイベントで2人はひさびさ共演。"Skream & Benga"セットも披露するという、ヘッズにとっては胸アツな話も。
That @SpartanSpooky remix though 😱 @artworkmagnetic @I_Skream @iambenga #bigapplerecordsreunion #dubstep #grime #Croydon pic.twitter.com/T0rTol5whv
— XOYO (@XOYO_London) 2018年3月6日
その時にはArtworkも出演しており、3人はMagnetic Manのロゴ入りTシャツを着用して、B2Bを披露しています(グライムMCのWileyもそこに参加していたとのこと)。
Not only did me @iambenga @artworkmagnetic play b2b last night, we was also joined by Wiley......
— Oliver Jones (@I_Skream) 2018年3月3日
ただ、それはあくまでお祭り的なものだったので、特に"Skream & Benga"再始動にはつながりませんでした。しかしながら、ここで本稿の"最初に戻る"ですよ。そんな2人がここに来て、再び"Skream & Benga"を始動させるという話が本人の口から出てくるというのは、マジで期待が膨らむ展開です。
なお、Twitterでは、Skreamが"Skream & Benga"曲のリファレンスとして、こんな曲を挙げていました。
本当に2人が制作モードになれば、この感じが4つ打ちテクノを通過した"2021年のダブステップ最新系"になるのかも。なんてことも考えてしまいます。
Skream & Benga 2021、復活したらテクノ通過したダブステップみたいなやつやりそう。SkreamのリファレンスにBengaまんざらでもなさそうだったし。https://t.co/7jGbWUlnOG
— Jun Fukunaga (@LadyCitizen69) 2021年2月25日
それに続けてSkreamは、SoundCloudに自身の未発表曲でUKGな「THINKING OF YOU」という曲を公開。彼のツイートによるとこちらはまだデモ段階で、今後、SPゲストが迎えた別のver.が制作されるとのことですが、久々にSkreamがUKベースに帰ってきた感がほとばしっているため、"Skream & Benga"復活への期待も高まります。
Huge shout to the legend Steve Burton for providing the strings on this! This is just the demo version, There’s gonna be a couple of alternative versions featuring some very special guests! https://t.co/ORCnwHt9YQ
— Oliver Jones (@I_Skream) 2021年2月26日
パンデミックによって、現在はほぼ死に体となっていると言っても過言ではないUK音楽シーン。
本人たちがどこまで本気かは定かではないものの、ベルリンで来年復活するとされているラブパレード(Love Parade)が、現地の希望の星になっているというのであれば、UKでは、"Skream & Benga"復活が"パンデミックを乗り越えた先の明るい未来"の象徴になればいいなと思います。
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Top image via Skream
Reference:
https://www.allmusic.com/album/omg%21-mw0001983155
https://duranduran.fandom.com/wiki/Ultra_Music_Festival
https://ultramusicfestival.com/previous-lineups/
https://en.wikipedia.org/wiki/TNGHT_(EP)
https://www.thefader.com/2010/01/11/diplo-presents-free-gucci-the-best-of-the-cold-war-mixtapes-mp3
https://block.fm/news/magnetic_man_at_big_apple_reunion