letter music

日々更新される音楽情報を雑談を交えて文字化するWebzine

No Rome、話題のスーパーコラボ曲「Spinning」リリースにあわせてNFTを使ったオークションも開催という話

f:id:fantasydub:20210311012712j:plain


UKが誇るポップスターのCharli XCXが、事前に"スーパーグループ結成"とSNSで告げていたこともあり、注目を集めていたマニラ出身で現在はロンドンを拠点に活動するシンガー/プロデューサーのNo Rome(ノー・ローム)の最新シングル「Spinning ft. Charli XCX & The 1975」が3月4日にリリースされました。

 

同曲は、No RomeのデビューEP『RIP Indo Hisashi』の共同プロデューサーだったThe 1975のMatthew HealyとGeorge Danielを再び共同プロデューサーに迎え、そこにCharli XCXも参加したことで、"現行UKポップミュージックの粋を集めた"というべき、文字どおりのスーパー・コラボ・シングルになっています。

このコラボ話を知った私は、当初、ビッグネーム集結ぶりのハンパなさから、逆に映画『ザ・メキシカン』(人気絶頂期のブラピとジュリア・ロバーツが共演)のように"スターの持て余し"ぶりが目立つのではないかと勝手に危惧していましたが、いざフタを開けてみたらこれがなんともクールな仕上がりで大満足。

のっけからオートチューンがかかったCharli XCXの歌が印象的なトラックは4つ打ちのハウス曲で、どことなく「Frail State Of Mind」のようなThe 1975のクラブサイドを思わせるウワ音使いも彼らの秘蔵っ子と称されるNo Romeにはばっちりハマっているように感じました。

youtu.be

 

また、本作はUKポップミュージックシーンの粋を集めただけでなく、アートワークは日本人グラフィックデザイナー/ フィルムディレクターの田中秀幸氏が手掛けたことも大きな話題に。田中氏の参加は当初、SNS上でそのイラストの絵柄から噂されていたものの、リリースまでは公式には発表されていませんでした。しかし、リリース後は晴れて公になり、No Romeはリリースにあわせて田中氏とのやりとりの中で描かれた今回のアートワークのラフスケッチ(まさかの頭文字Dインスパイア)も公開しています。

さらに「Spinning」のリリースに際し、今、音楽業界でも注目が集まるNFT(ノン・ファンジブル・トークン、日本語では”代替不可能なトークン”と訳される。ざっくりと言うと"ブロックチェーン上で唯一無二の価値を保証されたデジタル資産")を使って、世界でひとつしか存在しないアート作品をオークションするチャリティーイベントも開催。

そのオークションで集まった収益は、No Romeが「Right Start」、Charli XCXが「Girls Make Beats」、Matthew Healyが「One Tree Planted」とそれぞれが寄付を予定しています。また、オークションに出品されたアート作品のひとつ「SUPA-HAIPA」には、よく見るとアートワークのラフスケッチに出てきた"頭文字Dインスパイアの車"らしきものも見受けられます。

 

これまでにThe 1975のほか、LAのR&BシンガーDijon(ディジョン)や、beabadoobee、Jay Som、BROCKHAMPTONのBearfaceらともコラボしていきたNo Romeの楽曲は、全世界で合計1億回以上の再生数を記録。現在は、UK、ロンドンを経由しアジアでもNo Rome旋風を巻き起こしており、No Romeは、次世代ポップスターの1人として注目を集めています。そんな彼のデビューアルバムは2021年後半にリリースが見込まれるとのことなので、ひとまずファンはそちらに期待しましょう。

なお、「Spinning」リリースに際し、No Romeの所属レーベル「Dirty Hit」オフィシャル・サイトでは、最近宇多田ヒカル「One Last Kiss」の共同プロデュースでも話題のA.G. Cookによる「Spinning」のリミックスを収録した7インチLPを限定販売(2021年5月発売予定で現在プレオーダー受付中)。先述のアート作品オークションではNFTを活用したかと思えば、きっちりアナログ盤もリリースするという、このデジタルとアナログを行き来する感じがなんとも今っぽいなと思いました。以上、お後がよろしいようで。


▶︎あわせて読みたい

▶︎Follow letter music Twitter! 

twitter.com