letter music

日々更新される音楽情報を雑談を交えて文字化するWebzine

ZAIKOがNFTプロダクト「Digitama」ローンチ、スピード感がスゲェという話

f:id:fantasydub:20210328014207p:plain

ファンがクリエイターやアーティストを直接支えるPATREONやOnlyFansのようなビジネスモデルが確立されたことにより、TikTokの「TikTok LIVE Gifting」やTwitterの「Super Follow(スーパーフォロー)」のようなサービスや、それらとは若干毛並みは違いますがSoundCloudの「Fan-powered」など、最近では各プラットフォームが新たな収益化モデルを次々に発表しています。

 

今月、寄稿したコラムでは、先述の「Fan-powered」を軸にしながらそのようなファン支援型の収益化モデルについても書いているのですが、今、音楽業界で注目が集まっている新たな収益化モデルといえば、デジタルアートや音源をNFT(ノン・ファージブル・トーク、ざっくりいうとデジタル資産)化してオークション形式で販売するビジネスモデルです。

ここ1、2ヶ月の間でもAphex TwinがWiredcoreとのコラボデジタルアートを販売したり、Jacques Greeneや3LAUがデジタル音源を販売するためにNFTオークションを利用するなど、アーティストの間で人気になっていますが、目新しさだけでなく、オークションにかけられた作品の値段がつり上がることで多額の収益を得られる可能性がある点もアーティストにとっては魅力的だからだと思います。

とはいえ、NFTオークションで多額の収益を得られるのは、強大なファンベース、もとい太客を大勢抱える有名アーティストに限った話だとは思いますが、そういったアーティストにとってNFTは、少なくとも現段階ではかなりの"ブルーオーシャン"だと言えると思います。(中長期的にはブームが落ち着き市場も安定化し、取引価格も今ほど高騰しないという声もありますが)。

そんなふうに思っていた矢先、なんと日本でもNFTプロダクトが爆誕!!電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」が、NFTをいち早く導入し、同社が「D2F(Direct to Fan)」モデルと呼ぶ、"ファンがアーティストと直接繋がり支える収益モデル"の新たなサービスとして、NFTを活用した「Digitama™」を発表しました。

 

ZAIKOといえば、コロナ禍において、いち早く有料配信ライブチケット販売システムを導入したことを始め、次々に新しいサービスを立ち上げてきた"テック企業"。実は同社では社員の半数をエンジニアが占めるため、「サービス開発から発表までかなりのスピード感を持って行えることが強みだ」的なことを以前、インタビューした時にインタビュイーの方が話されていましたが、まさか音楽業界でNFTに大きな注目が集まっているこのタイミングですかさず仕掛けてくるとは...。

私も音楽ブロガーのはしくれとして、昨今のNFTブームは見過ごせず、ここ最近はチョロチョロとNFTを活用した音楽業界の事例を調べるなどしていましたが、それを鮮やかにぶっちぎるこの速さ。何このスピード感。すごくね!? マジで見習いたいレベルです。

  ということで、今回はZAIKOの「Digitama™」の話なのですが、その前にここで「NFTとはなんぞや?」という方に向けて、ZAIKOがNFTについてわかりやすく解説していたので、それをまずご紹介。ここを押さえておくことでなぜ、NFTオークションで値段が高騰するかの理由がわかると思います。

NFTとは
NFT(Non-Fungible Tokens)とは、従来では困難であった形のないデジタル化されたコンテンツや、マーチャンダイズの所有権をビットコインのようにブロックチェーン技術を駆使し、コピーできない自分だけのデジタル証明書として発行できる非代替トークンです。これによって所有者は、今まで証明することが難しかった「デジタル資産」を自分だけの物だと証明することが可能になります。既に海外では有名アーティストの動画作品がNFTを利用して販売し、6億以上もの売り上げとなり話題になっております。多くの人々が、アートや珍しい記念品を収集していたように、デジタル資産を所有し、実際の商品と同じように、需要に応じて収集し、大きな価値で転売するなどの現象が起こり人気を博しています。

ZAIKOの「Digitama™」は、"DigitalTamashii(デジタル魂)"の略語でMultiBaasブロックチェーンミドルウェアを提供するCurvegrid社との提携によって生まれた独自のNFTサービスとのことです。

このサービスによって、ファンはブロックチェーン台帳を通じてアーティスやイベントのデジタルコンテンツを自分だけの物である証明をすることが可能になり、デジタルコンテンツをコレクションしたり、その権利を転売し利益を上げるなど、デジタルにおける新しい価値観のもとに自らのデジタル資産の所有権を持つことが可能になります。

また、「Digitama™」ではアーティストや主催者は、NFTがより高額で新たな所有者に転売された際に、一部の収益を受け取ることができます。このあたりの利益分配率は詳しく明かされていないので気になるところではありますが、単純に限定グッズを転売目的で転売されるより、オリジナルの売り手であるアーティストや主催者にも利益が入ることを考えると非常に良心的な印象を受けます。

しかもブロックチェーンがあれば取引が記録されるので、転売によるマージンがちょろまかされることなくオリジナルの売り手の手元に入ってきそう。

 

ただ、現段階での「Digitama™」は、関心のあるアーティスト・イベント主催者向けの限定的なサービスとのことなので、利用するには、まずZAIKOのウェブサイトにあるエントリーフォームから利用を申請する必要があります。NFTに興味を持っている方はこの機会にぜひ。

海外のライターがPATREONでファンコミニュティを持っていたりする今のような時代のことを考えると、今後、自分のようなフリーランスの音楽ブロガー/ライターが活動における"独立性"を考えた場合、NFTならずともなんらかのD2Fモデルを取りいれていく必要があるのかなと。

とはいえ、やはりファンパワーが物言う世界線の話なので、現時点の私の場合だと、まずは更新が滞りがちな本Webzineの更新頻度を安定化させるところから始めないと...。という話です。以上、お後がよろしいようで。

追伸:letter musicで公開した記事のあとがき、こぼれ話をnoteで公開しています。よろしければこちらもあわせてチェックしていただけるとうれしいです。フォロー、サポートしていただけるとよりうれしいです!

▶︎あわせて読みたい

 

▶︎Follow letter music Twitter! 


Top Image via ZAIKO
Refarence: 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000051311.html