今年1月の緊急事態宣言発令に伴う公開延期を経て、3月8日、ついに公開となった映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。旧シリーズをリアルタイムで通過した世代的には、2007年から始まったリメイク版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』から早14年...。リメイク版第三作だった2012年『Q』から数えても9年...。
端的に言って、最新作公開の感想は「長っ。空白期間長っ」に尽きるわけですが、ここだけの話、世間の熱狂ぶりに反して、私は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開までにそこまでボルテージを高めることができませんでした。
先述のとおり、旧シリーズをリアルタイムで通過し、貞本版漫画はもちろん、関連の謎解き本からゲームの「鋼鉄のガールフレンド」、エヴァシリーズ参戦の『スーパーロボット大戦』、果ては『Air/まごこころを君に』公開時に販売されていたUCCのエヴァラベル缶まで集めるくらいエヴァ信者だった私。
しかしながら、『Q』公開当時、海外に住んでいたため、映画館で観賞できなかったことによる"劇場で観なければならない責務"の薄れと空白期間長すぎ問題はことのほか、自分にとっては大きかったようで、公開後に世間が一気にワーっとなった今の段階でようやく忘れていたあの頃の気持ちが復活。遅まきながら『シン・エヴァンゲリオン』欲が高まっています。
そんなわけで先ほど今週木曜上映分のチケットを急いでゲトったわけですが、劇場公開とともに話題になったことといえば、本編同様、緊急事態宣言発令を受けて発売延期になっていた宇多田ヒカルの最新EP『One Last Kiss』のリリース。
同EPは『シン・エヴァンゲリオン』主題歌の「One Last Kiss」以外にも宇多田ヒカルがこれまでに「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に提供してきた関連楽曲全て収録。とりわけ『エヴァ劇場版』過去作で印象的だった「桜流し」などの2021年リマスターバージョンが収録されている点は、木多康昭でいうところの"100巻まではこち亀俺が1番読んでいた"のエヴァ版である私にとって、なかなかの胸アツポイントです。
さて、そんなEPですが、同じく音楽好きの話題になっていることと言えば、同作のリード曲でもある「One Last Kiss」にPC Musicの設立者やCharli XCXのプロデューサーとしても知られるA.G.COOKが共同プロデューサーとして参加していることです。
これは映画のパンフレットに記載されたクレジットやA.G.COOKのInstagram投稿により明らかになったことですが、中でもそのInstagram投稿にはあのArcaも反応を示すなど、A.G.COOK参加には日本だけでなく、彼及びPC Musicの知名度が高い海外でも注目の的になっていて驚きです。
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とは言ってみたものの、冷静に考えれば、現在の海外ポップミュージックシーンでは、日本のアニメからの影響がそこかしこに見られるだけでなく、そもそもエヴァ自体が以前から海外での人気も高いため、この反応はまあ、当然といえば当然なのかも。
加えて、今は日本人アーティストが海外にてっとり早く出ていくにはアニソンやれ説も叫ばれるくらいの状況(去年のSpotify「海外で最も再生された日本人アーティストの曲」はLiSAの「紅蓮華」)であることも踏まえて考えると、改めて"アニメ大国"日本が生み出したアニメレガシーってのはすごいんだなぁと"アニメよりも漫画派"の私なんかは思ってしまうわけです(漫画も十分すごいわけですが)。
ちなみに音楽とアニメ関連では、先日、音楽をFlying Lotusが担当し、大ヒット中のアニメ『呪術廻戦』で知られるMAPPAが制作するNetflixアニメ『Yasuke -ヤスケ-』の配信日情報が公開されていました。MAPPAといえば、アニメ版『チェンソーマン 』も楽しみですが、『Yasuke -ヤスケ-』公開の前に弥助の活躍シーンも描かれる漫画『信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~』(たしか6巻だったような)も面白いのでおすすめです。
Proud to share these first images. 3 years in the making and we are finally here... Honor has a new name. YASUKE ❗️April 29th only on Netflix. #yasuke #anime @netflix pic.twitter.com/kBzrlXphvI
— FLYLO (@flyinglotus) 2021年3月9日
A.G.COOKといえば、かつては故SOPHIEとともにUK発の"バブルガムベース"の旗手として知られた人物で、最近ではそれに連なるジャンルとして世界的にも認知度が高まりつつある"Hyperpop"の先駆者的扱いになっていることを考えると、今回の"エヴァとHyperpopの遭遇"的な出来事は、界隈においても夢のある話のはず。
というのもHyperpopは、確かに注目が集まりつつあるものの、まだまだ誰もが知っているとは言えないアンダーグラウンドなジャンル(Charli XCXのようなポップスターもしばしばそのコミュニティの一員としてカウントされてはいますが)。それだけに先駆者によるこの功績は後に続く若手にとっては希望の象徴になり得るんじゃないのかなと思った次第です。
「One Last Kiss」リリースとあわせて、YouTubeでは『シン・エヴァンゲリオン』監督の庵野秀明によるMVも公開されています。庵野秀明の実写といえば、『ラブ&ポップ』が一番に頭に浮かんだ私ですが、「そういや庵野氏、実写なら『シン・ゴジラ』も手掛けてたわ」ってことを今になって思い出しました(『シン・ゴジラ』好きで何回も観ていたのにも関わらず)。
最後に余談ですが、『シン・エヴァンゲリオン』熱が高まったこともあり、『One Last Kiss』アナログ盤をネットショッピングでポチってしまいました。綾波レイジャケのこちらが手元に届くのも楽しみです。
「One Last Kiss」いよいよ来週3/10発売、一部ECではアナログの予約予定数完了しているところが出てきていますので、欲しいかたは予約急がれることをお勧めします。完全生産限定です。KJ #宇多田ヒカル #OneLastKisshttps://t.co/O8hFn7Od4Y
— 宇多田ヒカルSTAFF (@hikki_staff) 2021年3月6日
あと、海外盤のジャケは式波・アスカ・ラングレーさんだそうなので、"そっちも欲しい、全部欲しい by 七海龍水" 状態になっています...。Junoとかで販売されるのかなぁ。今後、発表される詳細が気になるところです。
「One Last Kiss」LP 海外盤の発売も決定!
— 宇多田ヒカルSTAFF (@hikki_staff) 2021年3月8日
ジャケット写真が公開されました!発売は2021年夏を予定!
詳細は追って宇多田ヒカルオフィシャルホームページにて!#宇多田ヒカル #OneLastKiss#シン・エヴァンゲリオン劇場版 #シンエヴァ kb pic.twitter.com/Iy4oDjB0im