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堂本剛 ENDRECHERIの「END RE CHERI」がトラップ、アフロビート、EDMをごった煮にした最強モダンファンク曲すぎるという話

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日本のエンタメ業界におけるスーパースターの1人、堂本剛による音楽プロジェクトENDRECHERI。その音源が今月半ば、ついにサブスク解禁。現在は、『HYBRID FUNK』、『on e more purple funk… -硬命 katana-』、『NARALIEN』の過去3作品がSpotify、Apple musicなんかで聴けるようになっているわけですが、これが全部予想以上にカッコ良くてやばい。

 

というわけで解禁以来、虜になっているわけですが、中でも1番ヤバいのが2018年リリースのアルバム『HYBRID FUNK』に収録されたオープナー「END RE CHERI」が異次元のヤバカッコ良さで、そのヤバさを書き記しておこうと改めて思った次第です。

サブスク解禁された堂本剛のENDRECHERIでもっとも聴くべき曲は「END RE CHERI」

“改めて”というとなぜ、改めてなのか? という話ですが、以前、サブスク解禁日にたまたまENDRECHERI音源が解禁されていることを知り、そういや2年前のサマソニで堂本剛、マジD'Angeloだったとか、Pファンクみたいだったとか、そんな感想ツイートを見たこともあったので、、試しにとりあえず『HYBRID FUNK』を再生。

そしたらですよ、1曲目の「END RE CHERI」が本当に超絶攻めた内容で、先述のD'Angelo、Pファンク関係なく、ぶっ飛んでしまいまして。それをTwitterに投稿してみたのですが、今月も今日で終わりだし、間違いなく今月自分が聴いた音楽の中で最高峰にヤバい音楽だったので、これはやっぱり、記事化しておかねばなるまい! となったので、今、筆をとっています。

その「END RE CHERI」の何がヤバいのか? ということですが、私が考えるこの曲の"すごい、かっこいい、ヤバい"ポイントは様々な音楽の要素が1曲にぶち込まれた闇鍋みたいになっているものの、それが雑味のない感じに見事に仕上げられているという風に感じる点です。

というのも、聞きかじった知識からENDRECHERIって、ジャニーズ音源らしからぬ本格的なファンク、ブラックミュージックだということが頭にあったので「まあ、そんな感じっしょ!」 と正直、タカをくくっていたのですが、実際聴いてみると、その自分の認識のはるか斜め上をいく激ヤバ曲でしてね。なんというかホント、自分の認識の甘さを反省する良いきっかけになりました。

 

中盤のブレイクがマジでヤバい

「END RE CHERI」におけるファンクを感じる要素でいえば、確か疾走するギターだとか腰にくるグルーヴィーなベースラインはPファンクっぽいジャム感とでもいうのでしょうか? そういったパートがあるのですが、そのほかにもイントロのトラップ、アフロビート、トライバルハウス的なビート感、さらにはエレクトロハウス的なノイジーなリフの要素もあって、それをEDM風にまとめているところが、めちゃくちゃ攻めている部分で「うげっ、なんじゃこりゃ! カッケー」となるのですが、個人的にさらに攻めているなと思ったのが中盤のブレイク部分。

ここでは、Yosi Horikawaよろしくなフィールドレコーディング風の声ネタとか、それっぽいトライバルなビートも取り入れられていたりするので、普段、ジャニーズ音源を聴かない自分のようなタイプにとってもかなりツボる部分です。またそれと同時にENDRECHERIの音楽性の幅の広さを強烈に認識させられます。

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さらにそのブレイクの終盤からは唐突にシタールの音が鳴り出し、バタバタしたビートと絡み合い、謎のサイケデリアを生み出して拡張させていくというギミック付き。そこからまた疾走パートがバッカゲンするのですが、アウトロ前の終盤のブレイクでもこのサイケデリアは再び起こり、さらにそこにテクノクラシック「Strings Of Life」よろしくなストリングスも加わり、もう一段階深い音のサイケデリアを呼び起こすところはマジで完璧すぎる…。

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聴き終わった時の気分はROVOとかBordomsを聴いた時に似ている

音の厚みでいえば、サマソニ2018でのライブではPファンクばりの大人数編成でパフォーマンスしたというENDRECHERIだけにこの曲は音数も多いし、それを意識して作り上げられた曲なのでは? と思うほど壮大な1曲になっていてマジで仰天。

youtu.be曲の尺も今時の曲に比べると長尺の6分以上あることもあって、聴きごたえがあるし、聴き終わったあとはROVOとかBordomsを聴いたかのような気分になります。

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もちろんENDRECHERIは他にも王道の黒いファンクな曲もたくさんあるのですが、ダンスミュージック/エレクトロニックミュージックが好きな私としてはこういった色々な要素がごった煮になった曲が存在することは僥倖以外の何者でもなく、「マジENDRECHERIヤベーっす」となるわけです。

 

ENDRECHERIはある意味で現代のシティポップ

最近は、インディーズでもTikTokを経由して思わないところでバイラルヒットが生まれることも少なくない世の中。その点で考えれば、実力と少しのそういうトレンドハック系の知識があれば、理論上はインディーズでも十分ヒットを生み出せるわけで、メジャーのメリットってどこにあるんだろうか? みたいな話にもなります。

もちろん、メジャーでアーティストが活動する意味は色々あるのは間違いないですが、ジャニーズのように強大なファンベースが支えるアーティストの場合、やはり音楽制作資金も不況と言われるこの業界でもまだかなり潤沢なんだろうなーということが予想できます(あくまで予想なんでアレですが)。その潤沢な資金を使って、こんな置きに行くのではなく、攻めた曲をアルバム曲とはいえ、制作してリリースできるのはやはりジャニーズ、メジャーの強みなのかなぁと思ったり。

昨今人気を博す山下達郎、竹内まりやに代表される日本のシティポップも一流のミュージシャンを揃え、莫大な制作費を費やして作られたからこそ、あのような洗練された音楽が生まれたなんてことも聴きますが、ENDRECHERIってまさに現代版のそれじゃね? となりました。

 


あとENDRECHERIには、ほかにもLo-Fiヒップホップにも通じるメロウなチル曲「Rainbow gradation」があったり、『NARALIEN』では、ニューエイジな「We need to come toghether」があったりと音楽好きが唸る近年のトレンドを押さえているなぁと思わされる部分も見受けられます。ですので、これまで気にはなっていたけど未体験だったという人にとっては、サブスク解禁された今のタイミングはENDRECHERIの音楽に触れるマジで絶好の機会かと。

いつかENDRECHERIのライブで生「END RE CHERI」を聴いてぶちアガってみたいなぁ。以上、お後がよろしいようで。

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