今月初め、薬物の過剰摂取によって心臓発作を起こし、重体と報道されていたラッパーのDMXsが、2021年4月9日に死去したことが明らかになりました。享年50歳。DMXは心停止に苦しんだのち、最期は家族に看取られて安らかに眠ったとのことです。
DMX死去を伝える声明文によると、彼の遺族は「Earlは最後の瞬間まで戦士でした」とコメント。「彼は心から家族を愛し、私たちも彼と過ごした時間を大切に思います。Earlの音楽は世界中の無数のファンに刺激を与えてきました。そのレガシーは永遠です」と綴られています。
90年代から00年代にかけて一時代を築き上げたDMX。最大のヒット作はといえば、1999年末にリリースされた3rdアルバム『... And Then There Was X』です。
同アルバムにはSwizz Beatzがプロデュースした代表曲「Party Up (Up In Here)」が収録されています。
DMXを常に熱心に追っていたわけではありませんが、この「Party Up (Up In Here)」に思い入れというか、個人的な思い出があります。
私は以前、DJ Shadowのようなインストヒップホップにどハマりしていたことがあり、その影響でサンプリング中心のビートを作っていました。その後、00年代初頭のPrefuse 73やMachinedrumらなどに代表されるチョップされて切り刻まれたアカペラのラップが乗ったグリッチホップの影響から、そういった曲をDAWで作っていたのですが、その際に使っていたのアカペラのひとつがDMXの「Party Up (Up In Here)」でした。
多分、ヒップホップが好きな友人が焼いてくれたCD-Rに入っていたものだったと思いますが、その中には他にもWu-Tang Clan、そのメンバーだったOl' Dirty Bastard、MF DOOM、Lil Kimなどなど、90s~00sヒップホップの有名曲のアカペラが大量に入っている中で、なぜか「Party Up (Up In Here)」を選んで使っていました。
今にして思えば、そのアカペラのファイル名が「DMX-Party Up」みたいな感じで、DMXのことをよく知らなくても字面で目に入りやすかったから優先的に使っていただけかもしれませんが、とにかく私とDMXの最初の接点はそこ。そこからDMXを聴くようになりました。
あとジェット・リーの映画『ロミオ・マスト・ダイ』や『ブラック・ダイヤモンド』にDMXが出てたので、なんとなく名前を知っていたことが理由かも。
そんなわけで個人的に00年代半ばくらいはそのあたりのラップを聴いていたので、今年の年始のMF DOOM然り、DMXのような自分が思い入れがあるラッパーの訃報はやはり悲しいものがあります。
ちなみに先ほど、Twitterで1999年のウッドストックでパフォーマンスするDMXの動画を見かけたのですが、これがまあすごい。漫画『Beck』終盤のフェスシーンばりの圧巻の人の波もそうですし、アガり過ぎた客が乱闘ばりにモッシュしているような場面も見受けられたりと、往事のDMXの人気がひと目でわかります。
One of the most iconic performances in music history.
— Complex Music (@ComplexMusic) 2021年4月9日
DMX in front of the whole world at Woodstock 99 🙏🏾pic.twitter.com/NhE11afUZA
DMXのご冥福をお祈りします。
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