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「制約があるからこそクリエイティビティが刺激される」 STEEEZO “EEE”に聞く、「OP-1」を使ったビートメイキングの魅力

今年6月に、teenage engineeringが開発・販売するスピーカー内蔵の24鍵シンセ「OP-1」がリニューアル。新たに100の新機能を搭載した「OP-1 field」がリリースされ、大きな話題になりました。

2010年に発表されたOP-1は、8ビットからFMまで複数のシンセ・エンジンを搭載したシンセのほかに、リズム・マシン、テープ・レコーダー、ミキサーの4種類のメインモードを搭載。シーケンサーやサンプラー機能も兼ね備えているほか、DAWとの連携によりMIDIコントローラーとしても使用できるなど、コンパクトなサイズながらもマルチな機能を持つことで人気を博したteenage engineeringを代表するロングセラーシンセです。

今回はそんなOP-1を、“OP-1 Wizard”と称されるほど卓越したスキルで使いこなすことでコミュニティから絶大な支持を集めるトラックメイカーのSTEEEZO “EEE”(以下、STEEEZO)さんに、OP-1の魅力や音楽制作についてお話を伺いました。

いつでもどこでもビートメイキングを

ーーSTEEEZOさんがOP-1を使い始めることになった経緯を教えてください。

まずトラックメイクを始めたのは2000年代初頭、10代の頃にACIDというDAWを使ってでした。その前にヒップホップDJを始めていたということもあって、AKAI MPC3000やE-MU SP-1200など名機と言われるようなハードのサンプラーなども研究のため入手して使っていました。

こういったハードサンプラーは、よく「独特のグルーヴが出せる」みたいな感じで言われるのですが、個人的に2010年代になり、より自由に音を作れるようになった時代にそのグルーヴのためだけにそういったヴィンテージハードをメインに使うことには、少なからず疑問があって。今でもそれらのハードでサンプリングした音源は、サウンド面で独特の雰囲気があるため重宝していますが、グルーヴを生み出すと言うことに関しては、やはり個人のスキルによるところが大きいと感じています。

それとこういったサンプラーは、サイズの面と重量から移動がとても大変で。移動した先での設置場所や電源の確保をしなければならないといったデメリットもあり、もっとシンプルに、どこでも制作に集中できる機材を探していていたんです。

そんな時に、2011年のNAMM ShowでOP-1が発表されたことを取り上げたRock oN Companyさんの記事を読みました。

見た目がグレーで、昔のパソコンのキーボードやヴィンテージハードみたいなデザインで、“おっ!”と思って。しかも小さいのに、シンセサイザーとドラムマシン、サンプラーに“4トラックのテープMTR”が一体になっていると書いてあって。ディスプレイのUIもほぼイラストのアニメーションで、こんなの他にはないじゃないですか。学生の頃は電子工学のgeek学校に通っていたこともあって心くすぐられ、国内発売の開始直後に購入しました。

ーー機能だけでなく、デザイン面も魅力のひとつですよね。

そうですね。スウェーデンのニュースサイトなどで調べてみると、teenage engineeringのファウンダーは元々ファッション系の広告デザイナーたちが中心で、彼らが10代の頃にほしかった「夢の楽器」を作るというところから始まっていると書いてあって。そんな背景も知っていくうちに、どんどんハマっていきましたね。何でもハードそのものの基本設計よりもUI, UXのデザインのほうに時間をかけているらしいです。

購入したOP-1を実際に触ってみると、全てが直感的で自然にやりたいことができて、見た目は玩具っぽくて可愛いんですけど、「なんだコレは!」という感動がありました。新しい楽器なのに懐かしい感じもあって。しかもボディはアルミの切削で精密に作られていて、パウダーコート塗装で重厚感がある。子供の頃に好きだった「小さな巨人、ミクロマン」という玩具のキャッチコピーを思い出したりもしました。

OP-1 紹介動画(teenage engineering公式)

ーー“新しい楽器”感があったとのことですが、具体的にはどういったところに魅力を感じましたか?

まず本体のサイズがコンパクトで、無駄がないところですね、そして可愛くて飽きが来ないクラシックなデザイン。さらに、どこへでも持ち運びができて、ベッドの上やバスの中など、場所を問わずに音作りができるところですね。

また、電源を入れて10秒以内に音を出せるので、音を出しさえすればアイデアがどんどん浮かんでくるし、忘れないうちに録音できるところも良いですね。ボリュームを除く実質4つのツマミしかないのに、すぐにいろいろなパラメータにアクセスしてチューニングできる点も素晴らしいです。

具体的には、サンプリングしたサンプルのピッチを変えたり、LFOやエフェクトを使っての音の加工が一瞬でできてしまいます。こういった操作はDAWや昨今のハードサンプラーでもできますが、OP-1だとより直感的にできるので、慣れればディスプレイを見る必要もほぼなくなります。また、そういった操作が制作中とライブにおいてシームレスにできてしまうところにも大きな魅力を感じています。

ーー今、サンプルを加工するという話が出てきましたが、OP-1では普段どうやってサンプリングを行っているのでしょうか?

ソースによって、本体の3.5mmライン入力、マイクを使うほか、USBオーディオ機能(オーディオインターフェース機能)を使ってダイレクトにサンプリングします。またはOP-1 フォーマットのAIFFファイルをコンピュータから読み込むなど、ですね。

例えば、Spliceなどのサンプルライブラリを使う場合は、OP-1とiPadやコンピュータをUSBでつないで、USBオーディオ出力させたサンプルの音をサンプリングする形でOP-1に取り込んでいます。iOSであればUSBケーブル1本で特別な設定をしなくても接続すれば認識しますし、コンピュータの場合はオーディオの出力先としてOP-1を設定してあげれば良いです。

ちなみにOP-1のサンプラーは、概念的にはAbleton Liveのプラグイン「Simpler & Sampler」に近く、ひとつの波形に対して、スタートポイントとエンドポイントを鍵盤に割り当てていく形なので、ひとつのサンプル波形をスライスしたり、さまざまなバリエーションの音を作ったりすることができます。

それと「OP-1 Drum Utility」というコンピュータ用のアプリケーションを使えば、簡単にOP-1フォーマットのサンプルパッチを作ることができます。ドラムなどのワンショットサンプルをアプリケーション上で各鍵盤にドラッグ & ドロップするだけで OK です。

4トラックという制約が生むクリエイティビティ

ーー特によく使うOP-1の機能にはどんな機能がありますか?

やはりよく使うのはサンプリング機能ですね。先ほどの話はドラムモードのことですが、シンセサイザーモードではPCMシンセサイザーの機能があって、そちらのサンプリング機能もよく使います。

それと最終的に曲やループを録音する「tape」モードです。これは他の機材と決定的に違うOP-1の肝となる機能です。

OP-1のtapeは昔ながらのカセットMTRのような 4トラックの録音機能で、その 4トラックにドラムやベース、シンセのフレーズやループを録音して音源制作をしていきます。

DAWでは無限にトラックを用意することができますが、OP-1はわずか4トラック。自ずと各トラックにステムミックスをオーバーダブして構成を行なっていく作業が基本になります。オーバーダブをミスするとundoできないので、潔くやるしかない。小細工が通用しないのが面白いんです。

また、録音する時にボリューム感や帯域の処理をうまくやらないといけないので、自然と音の加工や音色の取捨選択をする必要も出てきます。数値コントロールではなく、聴感上で合わせていくことになるので、デジタルハードなのにアナログな作業をする楽しみがあります。

tapeモードでは、ディスプレイ下部の“1, 2, 3, 4”ボタンを押すと瞬時にソロトラックとなり、離すと瞬時に元に戻ります。これは“抜き差し”がメインのループミュージックにおいてキラーな機能です。ヒップホップやテクノ、ハウスのような音源制作や、ライブでは特に重宝しますね。楽曲制作と言いつつ、感覚的にはミックス作業やDJをしている感じに近いと思っています。

ーー楽曲制作はOP-1のみで完結できるのでしょうか?

シンプルな楽曲の基本的な構成自体は、OP-1が1台あればそれで十分ですね。2台以上をラインin/outへ直列につないで、片方をエフェクターとして使う場合もあります。ライブの場合は、より複雑なエフェクトをかけたり、ミックスを行う際は最大で5台使う場合もあります。

複数のOP-1をつないで行うSTEEEZOさんのライブパフォーマンス

ーーでは、曲作りは基本的に4トラックで十分ということでしょうか?

そうですね、僕のスタイルでは。自分は90年代のヒップホップに大きく影響を受けたので、そういった好きな音像は何十〜何百のトラック数がなくても基本的に成立するというか。「モノラル4トラックのバランスをとりながらステレオ2mixにどうまとめるか?」にロマンを感じているという面もありますが、最終的にの上限0dbのマスタートラック、その器の中に音をどう収めて音像を成立させるかという発想が原点なので。

ひとつの鍋でスパイスと具材を調合したカレーを、お皿にライスと合わせてどう盛り付けて完成させるか、みたいなイメージですね。素材の段階で下ごしらえと段取りをあらかじめ行っておくことによって、シンプルになっていくというか。

僕の場合はDAWで多トラックの制作をするときも、下ごしらえの作業を各トラックで行いながらミックスをしていくので、やっていることはほぼ一緒なんです。ただ、シンプルな楽曲を作ろうとするとワークフロー的にOP-1のほうが圧倒的に早いと感じます。

そう考えると、4トラックしか使えないことはデメリットではないというか、逆にそれしか使えないからこそ無駄がなくなって、それで成立する表現の引き出しが増えるのが面白いと感じています。

ーーOP-1での音楽制作ではいつもどんなことを意識していますか? また特定のパートから先に作るなど、制作の手順は決まっていますか?

基本的には「音のバランスがいかに気持ちよく聞こえるか、成立しているか」ということを意識しています。OP-1はいつでもどこでも音を鳴らせるので、アイデアがなくても音を鳴らしさえすればインスピレーションが湧いてきてスケッチできる。なので「とりあえず触る」ということが多いですね。そこからドラムを打ち込んでみたり、持続音や変な音をループして膨らませたりする……みたいなことが多いです。

ーーOP-1で完結させた楽曲はどのようにして書き出すのでしょうか?

書き出し方法は2つあります。ひとつは、1小節〜32小節の4トラックのループを作る。それをリアルタイムにミックスや抜き差しをして“Album”モードという内部録音機能を使ってAIFFFフォーマットの2mixを書き出す。もうひとつはラインアウトしたステレオ2mixをAbleton LiveやCubaseに録音する、です。最終的には整音、マスタリングを行い、曲として完成させています。

ーー最近新しくリリースされた「OP-1 field」を使ったパフォーマンス動画をYouTubeにアップされていますが、実際にOP-1 fieldを使ってみてどんなところにOP-1の進化を感じましたか?

OP-1 fieldには色々と新機能が追加されていますが、基本的な操作はOP-1とほぼ同じです。いかにオリジナルのOP-1 (OP-1 OG)のUI/UXが完成しているかということがよくわかります。

細かい点では、ミキサーモードのマスターアウト表示がVUメーターで表示されるなど、パラメータの視認性がOP-1と比較して格段に向上しているところに進化を感じます。サウンド面ではモノラルサンプル、モノラル4トラック仕様だったものが、OP-1 fieldではステレオサンプル、ステレオ4トラック仕様になっています。ステレオになったことで圧倒的に空間への音の配置の自由度が広がったと思います。また新規の内蔵リバーブエフェクト「Mother」がとても素晴らしい響きで感動しました。これだけで音の表現の次元が変わったと感じました。ただし、OP-1 OGとOP-1 fieldで出音のキャラクタが違うのでどちらも同時に愛用しています。

OP-1 field 紹介動画(teenage engineering公式)

「ビートメイキングのロマン」を追い求めて

ーー“OP-1 Wizard”という異名もお持ちですが、この由来を教えてください。

“Wizard”というのは、コンピュータやインターネットの世界で凄腕のハッカーに対して昔から使われてきたものです。Instagramに2015年頃から毎日欠かさずOP-1の動画を投稿している時期に、パフォーマンス動画を見た海外のフォロワーが「同じOP-1を使っているのに、明らかに異常なヤツがいる!」みたいな感じで驚きのコメントをくれて。動画自体もベースとかキックに合わせて動画が振動しているのもあってサイケデリックなトリップ感があったみたいで、それからいつの間にか“OP-1 Wizard”と呼ばれるようになりました(笑)。

ーーなるほど。そうだったんですね! そんなSTEEEZOさんから見て、注目すべきOP-1ユーザーはいますか?

まずはTakuya Nakamuraさんというニューヨークを拠点に活動されているマルチプレイヤーの方ですね。ジャズマンなんですけど、90年代にニューヨークに渡って、ジャングルやドラムンベースのバンドをやったり、サイドマンとして演奏したりDJをしたりと、本当にマルチな方で。僕が最初にお会いしたのは去年の1月にタクさんが帰国したタイミングで、阿佐ヶ谷 天というライブハウスでマシンライブのパーティをやるからと出演を依頼してくださって。そこでOP-1をトランペットのエフェクトとして使ったり、リアルタイムでトランペットをOP-1のテープに録音してループしながら、同じくteenage engineering製のシーケンサー/シンセサイザー「OP-Z」でJuke/Footworkのライブパフォーマンスをしたりされていたのが衝撃的でした。

STEEEZOさんと Takuya Nakamuraのセッション

あとは、山梨のヒップホップクルー“stillichimiya”のYOUNG-Gさん。彼はOP-1だけでなく東南アジアの民族楽器からビンテージシンセやミキサーまで、様々な楽器・機材を織り交ぜながら土着的なサウンドからエレクトロニックなサウンドまで作っています。

自分が山梨に住んでいた時、僕はYOUNG-GさんのGROUND重起STUDIOスタジオに入り浸っていたんです。そこで映画のサウンドトラックを編集しに来ていたDJ KENSEIさんを紹介していただいて、OP-1の音をKENSEIさんのリミックスに入れさせていただいた縁でOP-1仲間になりました。今年に入ってからは、タクさんとKENSEIさんと僕のトリオでセッション形式のライブや録音も行っています。

DJ KENSEI feat.stillichimiya「Khane Whistle Reprise (JRP のテーマ)」

ほかにはIwaki YumiさんはモジュラーシンセサイザーとOP-1で美しい音色を奏でている動画をポストされていて、観るたび・聴くたびにとても癒されています。

Iwaki Yumiさんによるパフォーマンス。画面奥にOP-1も見える

海外だとフランスのNSDOS。彼はマルチメディアアーティストで、ダンスと演奏と映像を一体にした超絶パフォーマンスが必見です。OP-1とOP-Zやライブコーディング、さまざまなセンサーを使ってのエレクトロニックなアフロビートのライブが凄まじいです。

NSDOSのライブパフォーマンス

他にもたくさん国内外に面白い方がたくさんいらっしゃいます。皆さん僕とはまた違ったOP-1の使い方をしているところが面白いですね。

ーーOP-1はどんな音作りをしたい人に特に向いていると思いますか?

OP-1では、ギター、ベース、ドラムのようなベーシックな形での音楽制作もできるし、1台あればライブや他のユーザーとのセッションもできます。僕はOP-1を10年くらい使っていますが、それでも毎日新しい発見があるというか、本当に色々な使い方があるので、「飽き性だけど凝り性な」人に特に向いていると思います。演奏に飽きたらFMラジオも聴ける。海外に行く人であれば現地のラジオを聴いたり録音したりも出来るんです。

あとは小学生くらいの子。本当に無限の可能性がある楽器なので、子どもの時からOP-1を触って育った子がどう成長していくのかとても興味深いです。

僕の中でOP-1は「ゲームボーイ」と似た感覚があるというか……子どものころ、ゲームボーイで『ポケモン』を通信ケーブルをつないで交換したり、対戦プレイしたりして遊んでいました。どこでも持ち運べて、コミュニケーションツールとして、パーソナルなデバイスとして好きな使い方ができる。外見は一緒なのに中身は人それぞれ。OP-1もそんなところが楽しい。楽器が出来なくても楽譜が読めなくても楽しい音を出して遊ぶこともできるし、プロフェッショナルな演奏もできる。そういう意味で僕はOP-1を“大人のゲームボーイ”だと感じることが多いです。

ーーでは、STEEEZOさんのようにリアルタイムで打ち込みながらグルーヴ感のあるビートを作りたい初心者に何かアドバイスするとすれば、どんなアドバイスをしますか?

大それたことは言えませんが、“そこにある”グルーヴをつかむ感覚を養うのが良いと思います。

繰り返しになりますが、OP-1の基本概念は「シーケンサーではなくテープに録音する」というものです。グリッドにステップ入力するものではないので、無限に音の隙間にトライ&エラーが出来るわけです。

なので、まずは基本となる4拍子の拍の頭にわかりやすい音を並べる。そしてその隙間に色々な音を強弱つけながら打ち込んでいき、自分なりのノリが出るところを探すのが良いのではないでしょうか。僕も毎日そんなことをやっています。まずは参考にしたいビートメイカーの楽曲などを聴いてみて、それを参考にしながらグルーヴをつかんでいくのが良いと思います。

ビートのグルーヴ感に関して、以前からJ Dillaのビートを例に「ビートを打ち込む時にあえてクオンタイズせずに拍からズラすことで、グルーヴ感のあるビートを作る」という定説とも言える手法がありますよね? 音声や動画で説明してくれるネット媒体も皆無で、テキストメインの音楽情報誌が情報源だった10代〜20代前半は、自分もそれが正解だと思っていました。でも今では拍というものを基準にした発想とは逆に、グルーヴを感じるタイミングがそこにある、というシンプルなことなのでは、と考えています。自分は音を出したり、制作を続けることで、そのタイミングがどこにあるのかを探求している感覚なんです。

ーーなるほど。

究極的に言えば、ビートを聴いて、音が重なるタイミングや“間”がそれに合ってさえいればいいと思うんですよ。ビートミュージックに「拍に合っているかどうか」はあまり関係ないというか、学校で習う合奏みたいな音楽ではないので。

そういう意味では、OP-1では録音したトラックのステムの尺の長さは見えても波形自体は見えないので、打ち込んだドラムが拍に合っているかどうかを他の機材のように自分の目で確認することはそもそもできません。それを不便と感じる人もいるかもしれませんが、個人的には今言ったような感覚的なところにグルーヴのロマンがあると思っているので、まさにぴったりで。OP-1という機材が、そういうロマンを感じさせてくれる楽器だ、とも言えると思います。

STEEEZOさんによる「OP-1のみで作った」J Dillaトリビュートサウンド

ーーOP-1関連の情報が集まったり、交流できるコミュニティのような場所はあるのでしょうか?

英語だとOP-1 Forumというユーザーが交流できるオンラインのコミュニティがあるのですが、国内にはそういった場があまりないですね。知らないだけだかもしれませんが。今後はそういった場所をオンライン・オフラインの両方で作りたいと思っています。OP-1のユーザーは面白い人が多いので、そういう人たちが集まれる場所があれば、コミュニティも広がっていくはずなので。

ーー最後にリリース予定の作品など含め、今後のアーティストとしての展望を教えてください。

ソロ名義以外に今、ラッパーのCHILIとトラックメイカーのMAHBIEの3人でCHILI x STEEEZO x MAHBIEというユニットとしても活動しています。このユニット名義で録り貯めている作品がたくさんあるので、近日中にシングルをリリースする予定です。また年内にアルバムもリリースしたいと思っています。

CHILI x STEEEZO x MAHBIE「Yellow Spider」

取材・文:Jun Fukunaga

STEEEZO “EEE” プロフィール

STEEEZO “EEE”
(すてぃーぞ “とりぷるいー”)

電子音楽家 / OP-1 wizard.
北海道は東の街、釧路出身。

スウェーデン製のシンセサイザー/サンプラー“TEENAGE ENGINEERING OP-1”のマエストロ。
サンプラー(音情報を標本化、再生する装置)及びシンセサイザーなどの電子楽器用いて、既存の録音芸術作品、録音物を分解、再構築することで新たな価値を見出すことを主な表現手法としている。
その音像、空間は時間軸の組み替えやアナログ/デジタル処理により生楽器では表現不可能なものである。
(電子楽器と人間の感性による破壊と再生、価値の再構築)
RAPPER“CHILI”とのユニット“CHILI x STEEEZO x MAHBIE”ではサウンドデザインを担当している。Music Video等はSample3ple.com YouTubeチャンネルで視聴可能。

YouTube チャンネル
https://youtube.com/c/sample3pleCHILIxSTEEEZOxMAHBIE

Instagram
https://www.instagram.com/steeezo_946

Bandcamp
https://steeezo946.bandcamp.com/

Twitter
https://twitter.com/STEEEZO_946

*オリジナル掲載先のSoundmainサービス終了により本サイトに移管(オリジナル公開日は2022.08.10)