「時は来た!」とかつてプロレスラーの故橋本真也は名言を残しましたが、日本のポップスシーンにも次世代を告げる最強のポップスアルバムがどうやら到来する模様。
次世代ポップアイコンMANONがついにアルバムデビュー
というわけで、私もいい年をしてお熱を上げる、16歳の日仏ハーフの次世代ティーンポップ ・アイコンことMANONが今月デビューアルバム『TEENAGE DIARY』をリリース。これはもう楽しみしかありませんね。
MANONは、昨夏に配信シングル曲「xxFANCYPOOLxx」でデビューして以来、耳の早いポップスファンやポップカルチャー好きの間で瞬く間に話題になり、その後もHNCことYuppaによる最強ポップボムなシングルリリースを重ねて来ました。
時空と国を越え平成最後の夏にやって来た現代の”Alizée”
また去年の大ブレイクや今年のグラミー賞でも注目を集めたアメリカのティーンR&BシンガーKhalid(カリード)の放課後ポップスの決定版的キラーチューン「Young Dumb & Broke」のカバーも話題になったことも記憶に新しいのですが、3度の飯より、フレンチ好き、好きな人物は職業フランス人を自称する”ムッシュ梶野” aka 梶野彰一である私にとって、MANONちゃんは、かつて2000年代にフレンチポップスシーンを席巻しまくった「フランスの松浦亜弥」ことAlizée(アリゼ)が時空と国を超えて、現代日本にやってきたような存在で、この平成最後の夏にデビューアルバムをリリースすることは、もうなんともたまらんわけなんですよ、はい。
既存のアイドル系ソングにはない自由度が魅力
そんなこじらせたフレンチかぶれおじさんにとっては、もはやポップルチャーの踏み絵のようなMANONちゃん16歳。その音楽の魅力は何と言っても良い意味でプロ臭でガチガチではない、どこか自由度高めだなと思わせる、既存のアイドル系ソングとはまた一味違ったインディーっぽさにあると勝手に思っています。
そのため、この辺りを打ち出してくるプロデューサーのYuppaさんはさすがだなと。これに関してはもちろんYuppaさんもプロなので仕上がりがインディーズアーティストっぽく粗いというわけではなく、そういう全盛期のつんくのように整理整頓されたガチプロポップスではなく、あくまでインディーポップのテイストを感じられるという意味で解釈して頂ければ、なんとなく私が言わんとすることが理解していただけるはず。
Kawaiiは正義すぎる先行曲「SWIPE」
あとMANONちゃんに関しては”Kawaii=カワイイは正義”をばっちり音楽でもルックスでも体現している点にやっぱり注目したいですね。アルバムからの先行曲となったイギリスのインディーポップアーティストKero Kero Bonitoのセーラ・ボニトをフィーチャーした新曲「SWIPE」では、日英のバイリンガルラップで、「嫌なものは全部スワイプ」というティーンのしかも、美少女にのみ許されるようなパンチラインを繰り出していたりするところはやっぱり、この世代のポップカルチャーにおける魔法の言葉”Kawaii=カワイイは正義”の定義に則っている気がしてなりません。
もうね、女の子の好きなものだけが詰まった現実のような空想のようなソフィア・コッポラ感は、永遠のガーリーカルチャー哲学ですし、それを含めてのティーンネイジポップカルチャーだと思うので、やっぱりこの世代特有のちょっとした小生意気さが、Netflixのドラマ『ストレンジャーシングス』が爆裂ヒットする今の時代のレトロリヴァイバル感を暗に表現するかのような8ビット音に乗っかって炸裂するのは本当に最高なのですよ。もういい加減、大人になりすぎた私も思わず、彼女たちのようにシュシュシュとスマホをスワイプして嫌なものを消していきたいなと思う平成最後の夏…。
『TEENAGE DIARY』は新曲を含む全9曲入り
なお、アルバム『TEENAGE DIARY』は、7/7に配信開始で、CD盤が7/11にリリースされます。収録曲は映画「ロリータ」の劇中歌をサンプリングした先述の「xxFANCYPOOLxx」などすでにシングルとしてリリースされた曲の他、先ほどの先行曲やレーベル「Secret Songs」運営や、DTMもこなすR&BシンガーTinashe(ティナーシェ)、カナダのラッパーTory Lanez(トーリー・レインズ)を手がけるカナダのプロデュサー/DJのRyan Hemsworth(ライアン・ヘムズワース)をフィーチャーした「COCO BOI ROMANCE」といった新曲を含む全9曲。
というわけで、確実に”Kawaii=カワイイは正義”をもはや狂おしいほどに体現してくれている『TEENAGE DIARY』リリース後の世間の反応が楽しみすぎますね。以上、お後がよろしいようで。
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