今年のフジロックにも出演していたイギリスのプロデューサー・Jon Hopkins(ジョン・ホプキンス)が、その前日に東京・WWW Xにて単独公演を行ったので、遊びにいってきました。
Jon Hopkinsが約5年ぶりのアルバムを引っさげ来日
Jon Hopkinsといえば、90年代後半から音楽活動を開始し、2001年にデビューアルバム『Opalescent』をリリースして以降、昨年までに4枚のスタジオアルバムをリリース。そして、今年5月には待望の新作アルバム『Singularity』を約5年ぶりにリリースしており、今回の来日は2014年のTAICOCLUB'14、2015年のHOSTESS CLUB ALL-NIGHTER以来の来日となりました。
彼の作る音楽の特徴は、アンビエントライクな軽やかながらもレイヤーが重なることで、層が厚く感じるシンセサウンドと、それと反するように抜群に踊れるビートだと私は思っており、日本だとHiroshi WatanabeのKaito名義の作品やLycoriscorisにも通じる作風かなと。
ライブでは新曲「Singularity」、「Emerald Rush」などを披露
そんなJon Hopkinsのライヴでは、冒頭から先述のアルバム『Singularity』のオープニング曲「Singularity」で幕開け。曲の中盤くらいまで続くその壮大なノンビートのシンセパートが終わると、その重さがめちゃくちゃアグレッシヴなビートが会場に響き渡り、観客からの歓声が大きく上がりました。
そこからは、アルバム収録曲の半分くらいはアンビエント寄りのノンビート系で占められていた『Singularity』のイメージがあったため、意外にもとでも言いましょうか? かなり予想外にビートがズシズシ響くダンサブルな展開に。個人的には新曲である「Emerald Rush」プレイ時には、そのユニークなアニメMVの映像もスクリーンにバッチリ映し出されていたことにも大満足。少しばかり奇妙でもある映像と同曲の壮大なアンビエントシンセの絡み具合が素晴らしいなと思いました。
ハイライトはピアノとシンセが絶妙に溶け込んだ「Luminous Being」
そして、MVの映像を絡めたライブのパートでいうと、前作『Immunity』からの「Open Eye Signal」も、映像が作り出す世界とステージに立つ彼の機材から発信される音がえも言われぬほどの最高の陶酔感を演出していたため、会場からは大歓声が上がっていました。
そのほかの曲では「Everything Connected」のまさに会場の全てと繋がるかのような感覚に包まれた多幸感のあるシンセと重たいベースのコントラストも印象的でしたし、私にとっての『Singularity』後半のハイライト曲でであるピアノと柔らかいシンセが絶妙な融けあいを見せる最高にチルな曲「Luminous Being」は、ライブの現場でも音源と同じくハイライトでした。
というわけで耳を傾けるように楽しむこともできるし、ガンガン踊れることもできた踊れるアンビエントという感じだったハイヴリッドなJohn Hopkinsのライブ。これは観に行った価値があったなぁとなって大満足のまま会場を後にしました。
ライブの雰囲気を後からでも味わえる動画
最後に生で見るに勝るものはないと思いますが、当日およびフジロックでのライブを体験できなかった人にその雰囲気だけでも味わって頂けそうな動画を発見しましたのでそちらをご紹介。
やっぱり映像と音楽が同時進行で表現されるオーディオビジュアルライブはこの手の音楽とは相性抜群だと思わされるので、興味がある方は是非ご視聴ください。以上、お後がよろしいようで。
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