2000年代中頃から活動を開始し、Dubstepの流行を支えたシーンのレジェンドとして知られるSkreamが、同ジャンルのBPMのルーツついてツイートしていました。
Dubstepレジェンド、Dubstepの標準的なBPMのルーツを明かす
Skreamといえば、15歳の頃からトラックメイクを始め、10代の頃はDubstepシーンにとっての重要拠点であったロンドン・クロイドンのレコード店「Big Apple Records」でも働いていた、いわばシーンの申し子。初期は盟友Bengaとともにシーンのライジングスターとして頭角を現し、今となってはDubstepクラシックとなった「Midnight Request Line」を2005年にリリース。
その後もドープなUKらしいDubstepを良曲のリリースを続けていましたが、2009年にはLa Rouxの「In for the Kill」のリミックスでキャッチーなフィールドにも進出。
そして、2010年には歌モノも取り入れたアルバム『Outside the Box』をリリースし、
先述のBengaとArtworkとのユニットでDubstepのスーパーチームと呼ばれたMagnetic Manとして、セルフタイトルのアルバム『Magnetic Man』もリリース。
同作はUKチャートでも最高5位にランクインするなど、メインストリームでも成功を収めたDubstepの名盤となりました。また同作では先述の「In for the Kill」のリミックスにも劣らないキャッチーな「I Need Air」、「Perfect Stranger」もシングルカットされ、スマッシュ人を記録しています。
しかし、このようにダブステップシーンのみならずメインストリームでも成功を収めた後、Skreamはダブステップを卒業。音楽性をハウス/テクノなど4つ打ちに変更し、今ではそっち方面で知られるDJ/プロデューサーに。
とは言っても私の世代だとやはり、SkreamといえばDubstepのイメージが強いので、先述の路線変更については未だ複雑な気持ちがなくもないといった感じです。ただ、4つ打ちのSkreamも正直悪くはなく、DJ的にはいい感じの曲が多いのも事実。個人的にはリミックスですが、最近のDiploとPaul Woolfordのコラボ曲「Looking for Me Skream Remix」のシンセディスコっぽいアプローチもかなり好きです。
閑話休題。
DubstepのBPMが140である理由にはDAW「FL Studio」が関係している
そんな感じで最近はDubstepシーンからは離れているSkreamですが、冒頭でお伝えしたとおり、久しぶりに彼によるDubstepに関するツイートとして、DubstepのBPMの由来に関してツイートしていました。
このツイートでは標準的なDubstepのBPMがBPM140である理由を説明。Skreamによると、Dubstep制作に使われていたDAW「FL Studio」を開いた時の初期設定BPMがBPM140だったからだそうです(これに関しては厳密にいうとツイートのやりとりからSkream制作によるDubstepという意味合いが強いかと思いますが、Skreamの影響力を考えると少なくとも彼以降のDubstepのBPMと解釈することは可能かと)。
結構、単純な理由だな〜と思いつつも、Skream自身も15歳でトラックメイクを始めた頃は「FL Studio」ユーザーだったことも明らかにしているだけにそれなりの説得力はあるのかなと。あと、私自身も以前、音楽制作時にDAWのAbleton Liveを開いた時からそのままのBPMで制作を進めていたことがあったので、その感覚も正直わからなくはない(笑)。
Dubsteps 140 because that was the original load up tempo on FRUITY LOOPS 3 https://t.co/kSgngCRXwf
— Oliver Jones (@I_Skream) 2020年10月27日
後世に伝わる音楽ジャンルも案外、そういうなんてことないことから始まったものが作法として定着していくんだな〜と改めて思いました。
このエピソードを知って、ジャングルはレゲエのレコードの回転数を間違えてかけたら、いわゆる"ジャングルっぽいビート"になって聴こえたことがルーツになって生まれたという昔、友人から聞かされた嘘か本当かわからないような話を思い出しました。以上、お後がよろしいようで。
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