先月から予定していた新作アルバム『Yandhi』発売延期や問題発言連発で再び大炎上中のKanye West(カニエ・ウェスト)にまたもや香ばしい匂いが…。なんと音楽プロデューサーで、Roc-A-Fella Recordsの共同設立者のDame Dashが、Kanye Westに向けて送った新作ビートがこともあろうにDiplo(ディプロ)の過去曲だったことが発覚するという問題が起こりました。
Diplo過去曲「Sarah」が無許可で使用されKanye Westに送付される
これは、Dame DashがKanye Westに対し、クソやばいビートができたし、Eメールで送るぜ! 的な動画メッセージを送り、Kanye WestがSNS上でシェアしたことがことの発端。それをDiploのパロディードラマ『What Would Diplo Do?』用の彼のパロディーアカウントが発見し、さらにそれをDiploが知ったことにより、本人がそれは自分の過去曲だと主張するという事態を引き起こしました。
🤔🤔🤔 pic.twitter.com/MRJr9HahaW
— Diplo (@_diplo_) October 4, 2018
This is my actual song tho 🤨 https://t.co/yoQl3Uf9gO
— Diplo ⚡️ (@diplo) October 4, 2018
ちなみにDame Dashが新作としてKanye Westに送ったビートは、Diploが2004年にリリースした彼のデビューアルバム『Florida』に収録されていた「Sarah」という曲だったそうです。現在は、先述の炎上問題に疲れたのか、先日からKanye Westは再びSNSを閉鎖しているため、問題の動画を確認することはできません。
Kanye Westの無断サンプリング問題
しかし、Kanye Westは、今年に入ってからも自身の新作アルバム『ye』で、ベルリンの実験電子音響系レーベル「PAN」が以前リリースしたコンピレーション『Mono No Aware』収録曲からの無断サンプリングをレーベルから指摘され問題になったりもしていました。
無断サンプリングについては、先月もLil Pump(リル・パンプ)との新曲「I Love It」が、NYハウスレジェンドとして知られる大御所DJのDavid Morales(デイビッド・モラレス)から、彼が1991年に手がけたAlex O’Neal「What Is This Thing Called Love」リミックスのベースラインを無断でサンプリングしたと主張されるなど、コピーライトに関する問題が続発していました。
問題のDiploの「Sarah」が、モロ使いサンプリングだったのか、それとも丸々そのまま使われていたのかは今となっては確認することは難しいのですが、もしかしたら、そのビートがKanye Westの新曲として使われたかもしれない可能性もあって、なんとも香ばしいなと。
グラミー賞受賞DJのDavid Morales、日本で麻薬密輸容疑者に
そして、さらに香ばしいのが、その事件がDiploによって明らかになったと思った矢先、来日ツアーを行う予定だった先述のDavid Moralesが、10/6に滞在先の福岡で合成麻薬のMDMA、通称”エクスタシー”の密輸容疑で逮捕されていたことです。「欧州情勢、複雑怪奇なり」ではありませんが、Drake(ドレイク)、Pusha T(プシャ・T)のビーフや、若手ラッパーの相次ぐ夭折など最近の頻発する事件の数々を考えると、台本でもあるのか? と思うような状況が日々続いているだけに、思わず「現行音楽シーンも複雑怪奇なり」と言いたくなります。
それにしても見事と言えば語弊がありますが、本当にこんなにも続くもんですかね? トラブルの連鎖が生まれまくる状況に対し、思わず『ぷよぷよ』の連鎖シーンが頭に浮かびました。Kanye WestとDiploの問題については、Dame Dashが無断でDiploの曲を使用していたという感じなので、現時点ではKanye West自体はグレーといった感じです。
ちなみに「I Love It」の無断サンプリングを訴えていたDavid Moralesは、これまでにMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)、Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン)、Madonna(マドンナ)、Mariah Carey(マライア・キャリー)、Björk(ビョーク)、U2といった錚々たるどメジャー級アーティストの曲を多数リミックスしてきた謂わば、”リミックスの匠”です。しかも90年代にはグラミー賞で最優秀リミキサー賞も獲得するレベルというね。
David Moralesはざっくり説明すると今で言うところのCalvin Harrisみたいなもの
私の世代だと「Needin' U」というハウスクラシックでも知られていますが、彼のキャリアのすごさを現行シーンに置き換えて説明すると、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)級のダンスミュージック界のスターだったといえば、いささか乱暴な例えではありますが、若い方にもよくご理解していただけるのではないでしょうか?
いや、マジでこれ、本人が否認するように「自分のものではない。他人に入れられたのではないか」といういわゆる”セットアップ”なのかどうか気になるな。続報に期待したいところです。なお、David Moralesの合成麻薬密輸容疑については、朝日新聞などにも掲載されているので、詳細はそちらでどうぞ。
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Source: dancingastronaut, 朝日新聞