先日、DJ MAYAKUによるサニーデイ・サービス「完全な夜の作り方(DJ MAYAKU Remix)」がいかに素晴らしいかということを前のめり気味に書かせて頂きましたが、本日、私が大好きな日本音楽界が世界に誇る”音楽地獄大使”ことCRZKNYが、そのサニーデイ・サービスのキラーな1曲「FUCK YOU音頭」をリミックスした音源を公開していました。しかも2曲…。
CRZKNY、勝手にサニーデイ・サービス「FUCK YOU音頭」を地獄化する
ちなみにこちらm例のサニーデイ・サービスリミックス集的Spotifyプレイリスト「the SEA」収録用ではなく、ご本人曰く、勝手にリミックスしたものとのこと。しかも2曲…。最初に感想を言うと今回もいつも通り最高に地獄で素晴らしい。しかも2曲とも…。
地獄インダストリアルダンスホール
そんなことはまあ、当然なのですが、1曲目「FUCK YOU音頭 (DEATH CARIBBE FUCK ONDO Remix)」では、”夏といえばカリブ。ゾンビといえばブードゥー”とSoundCoudのキャプションにあるように、CRZKNY印の地獄インダストリアル・ダンスホールサウンドが展開されています。
最初、ヘッドフォンとかスピーカーを通さずに単純にラップトップで再生してみたところ、その時点でノンビートながらえぐい音の鳴りを感じました。その後、ヘッドフォンを通して聴けば最後、目眩く超ベーシー地獄回廊に誘われるといったファッキンヘルな状態に魂を揺さぶられます。
ちなみに同曲の声ネタの使い方、処理の仕方が私的にはかなりOneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)に通じるように感じ、最近、OPNの新作『Age of』をよく聴いているので、その続きで聴くのもめちゃ良いだろうなと思いました。あと、インダストリアルなダンスホールとかそっち系の曲がにわかにマイブームになっているため、率直にいってこのリミックスはめちゃくちゃツボ。CRZKNY、優勝です。
FUCK L↔︎R 音頭 Remixは、ただの反則(褒め言葉)
次に「FUCK YOU音頭 (FUCK L↔︎R 音頭 Remix)」、こちらもファッキンヘル秀逸なリミックスです。何が秀逸かというと最初、おかしな話、CRZKNYの地獄濃度が普段に比べて薄め、いつもの特濃の地獄ヴァイブスを感じるというより、すごくおしゃれな仕上がりになっているという印象を受けます(ノンビートのイントロはえぐい低音なってますが…)。
裏を返せば、CRZKNY普通に地獄なだけではなく、トラックメイカーとして超優秀ということの証明なのですが、気持ちちょっと物足りないとも思いました。
しかし、それはただの私の早計で、後半徐々に荒れ狂うビートに合わせてBPMが早くなっていくパート後がね、もうね、見事すぎなんですよね。そこからまさかのガバタイムスタート。これはね、反則ですよね。反則。どちゃクソ盛り上がる。2連覇ですわ、CRZKNY。
この部分はマジで5月2日のCRZKNYの地獄記念日的ライブの『GVVVV』タイムの無敵感が脳裏に蘇りました。いうなれば「狂気」と「熱狂」が混在する地獄世界に行き着くための血で染められた「高速道路」のような、あと「マッドマックス」の壮絶なカーチェイスの逃げる側になったような感覚とでも言いましょうか。見事です。
CRZKNYも勝手にリミックスしているから勝手に考察してみる
そして、勝手な考察を付け加えるとこちらもSoundCloudのキャプションには「海外の盆踊りといえばカーニバル。右も左も踊り狂ってFUCK YOU」という文言があるのですが、その波形を見ていると左側、曲の前半は意外にも洒落たかっこいい音。でも右側は地獄濃度MAXで息もできないレベルのファッキン酸欠状態でヘルな音という2つの要素がある。それこそが、つまり”右も左も踊り狂ってFUCK YOU”の部分なんじゃないかと。あくまで個人的な意見なんで正解かどうかは当然わからないのですが、私としてはそう思いたいところです。
というわけで、「the SEA」という枠組みの中ではMASONNA(マゾンナ)による「すべての若き動物たち HAIR STYLISTICS REMIX(MASONNA Remix)」、DJ MAYAKUによる「完全な夜の作り方(DJ MAYAKU Remix)」というタイプは違えど最高なリミックスが存在しているのですが、そこに”勝手にリミックス”、いわばハイジャックするような形で最高の地獄曲をねじ込まんとするCRZKNYのそのアティチュードのパンクさたるや。
「この人やっぱり、クレイジーやわ」
というわけで最終的な感想としては、今回の2曲については「この人やっぱり、クレイジーやわ、2曲とも地獄世界のためのプロパガンダおすな」と京都の老舗の女将にでもはんなりとした口調かつちょっといけずな感じで言ってほしいなと思いました。そうなればさらにこの狂気がキワ立つような気がします。
2018年、今年のCRZKNY地獄月間を最高に地獄な形で締め括った彼の生き様は半端なくカッコいい。それに尽きる。以上、お後がよろしいようで。
追伸:SoundCloudの#タグがカタカナで「#ブート」になっているところが地味にツボ…
▶︎あわせて読みたい記事はこちら
Follow letter music twitter!
Top Image via CRZKNY