8/16に訃報が報じられた”クイーン・オブ・ソウル”ことアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)。偉大なるソウルの女王の死に、世界中が悲しみに包まれ、多くの音楽ファンが彼女への敬意を払い、自らのSNSに追悼コメントを投稿する様子が見られました。
アレサ・フランクリンを著名人たちが追悼
またもちのろんではありますが、一般の音楽ファンだけでなく、Paul McCartney(ポール・マッカートニー)、Ringo Starr(リンゴ・スター)など”サー”の称号を持つようなレジェンド級のミュージシャンたちのほか、サマソニでの初来日中のChance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)やAriana Grande(アリアナ・グランデ)のような現行音楽シーンのトップスターたちも彼女への追悼コメントをTwitterで発表。
ミュージシャン以外では危篤が報じられた直後に彼女を心配するコメントを投稿していたビル・クリントン元大統領やその妻のヒラリー・クリントンといった政治関係者、映画『ブランクパンサー』で有名なチャドウィック・ボーズマンやヒュー・ジャックマンといった俳優たちなど、アレサ・フランクリンと同じ人種のアフリカ系、黒人だけでなく様々な人種のセレブたちが彼女のことを追悼しています。(その追悼コメントの多くはTwitterモーメントにまとめられているので、各自そちらを除いていただけたらと)
Celebrities are honoring Aretha Franklin following the news of her death. https://t.co/EJ3DjUTo49
— Twitter Moments (@TwitterMoments) August 16, 2018
ドナルド・トランプ大統領とバラク・オバマ前大統領、2つの追悼コメント
そんな中で注目を集めたのが、ドナルド・トランプ大統領とバラク・オバマ前大統領という2人のアメリカ大統領経験者のAretha Franklinアレサ・フランクリンの追悼コメント。現職と前職、政策、白人、黒人という差異も色々とあるこの2人の政治主導者ですが、アレサ・フランクリンに対して払う敬意の面でも差がありすぎることが浮き彫りになっています。
私は、知人の指摘でそのことを知ったのですが、確かにその敬意の差は明らか。正直、思わず笑ってしまうレベル…。そんな差がありすぎる追悼コメントを見て見ると、トランプ大統領は非常に簡潔。
The Queen of Soul, Aretha Franklin, is dead. She was a great woman, with a wonderful gift from God, her voice. She will be missed!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) August 16, 2018
そのコメントを簡単に訳すと「ソウルの女王アレサ・フランクリンが亡くなった。彼女は偉大な女性でその歌声は神から授かった素晴らしい才能だった。彼女がいなくなって寂しい」といった感じとなるのですが、個人的にはなんとなく、よくニュース番組などで見る彼の演説のような感じで語気荒くこの追悼コメントを読み上げている姿が頭に浮かびます。
一方、オバマ前大統領は、「アレサ・フランクリンはアメリカという経験を定義することを手助けした。その歌声で我々は、自らの歴史とその陰を感じ取った。我々の力、痛み、闇、そして光、贖いの探求と敬意を感じることができた。 ソウルの女王が永遠の冥福を」となり、トランプ大統領に比べてより敬意を感じ取れる内容になっています。
Aretha helped define the American experience. In her voice, we could feel our history, all of it and in every shade—our power and our pain, our darkness and our light, our quest for redemption and our hard-won respect. May the Queen of Soul rest in eternal peace. pic.twitter.com/bfASqKlLc5
— Barack Obama (@BarackObama) August 16, 2018
生前アレサ・フランクリンは、オバマ前大統領の就任式でもパフォーマンスを披露したこともあるため、関係としてはもちろん、トランプ大統領より深い仲だと言えますが、なんか今回の彼の追悼コメントはもうちょっとなんとかならなかったものなのか? と思ってしまいます。特にオバマ追悼コメントがしっかりとしたものだっただけにその内容の薄さが際立つ気が…。
トランプ大統領に対するアレサ・フランクリン追悼コメントにバッシングが殺到
また今回のその薄いコメントには、「人種差別政策者が彼女の名前を使ってそれを貶めるな」、「それ誰が書いたの?」 、「彼女はあなたのことが好きだったとは思えないけどね」といった批判的なコメントが殺到する一方で、その批判をさらにトランプ支持者が批判するという炎上状態になっているのも注目すべき点なのかなと。
敬意あるコメントでオバマ前大統領が株をあげた感
これに関しては、音楽好きで同じ人種でもあるオバマ前大統領の方が、彼女に対する敬意を払っていたのは明らか。よくわかりませんが、これが白人で保守っぽいカントリーシンガーだったらトランプ大統領のコメントもまた違ったものになっていたのかなぁと。
ただ、私個人としては偉大なミュージシャンとかそういうことを一旦抜きにして、国の文化に貢献した人物を今のこの時代、人種で差別するような政権指導者はちょっと嫌だなと。もちろん、トランプ大統領がそういう感覚が今回の追悼コメントに反映しているかどうかはわかりませんが、この内容だとちょっとそんな風に捉えられて批判されるのも致し方なしなのかなと。実際のところどうなんでしょうね? 1つ言えることは今回の件では少なくとも音楽好きの間ではまたオバマ前大統領が株をあげたという感じですかね。
あとアレサ・フランクリンといえば、代表曲「Respect」が60年代の公民権運動や女性解放運動のアンセムになっていた経緯もあるだけに、人種差別、女性蔑視的な発言、政策が目立つトランプ大統領とは相性が悪いイメージなのも事実でしょう。
ですので、今回の件は事務的にコメントして痛い目を見ることになってしまったという感じに思えてなりません。以上、お後がよろしいようで。
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