先日行われたSonic Mania aka ソニマニでのマイブラことMy Bloody Valentine(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)のライブですが、単刀直入にいうと、完全にマイブラ優勝でした。素晴らしいひとときといった具合で鬼のような轟音との真摯な向き合いを必要とされるような”らしさ”全開で本当にお腹いっぱいという感じでした。
ソニマニでのMy Bloody Valentineが完全に優勝だった
個人的には、90年代のブリットポップ、およびシューゲーザーの最高傑作の1つとして知られる名盤『Loveless』については、これまでに本当に気分の上ではCDが擦り切れる、データが破損するレベルで聴き倒しきたわけなのですが、生でライブを見るのは今回が初。そのことについては不徳の致すところなわけですが、今回のライブはマジで観ることができて良かったなと。
そんな最初から期待しかなかったマイブラのライブですが、もう私の中では1曲目から先述の『Loveless』収録曲の「I Only Said」が演奏された時点で優勝。さらに2曲目も同じく『Loveless』からの「When You Sleep」と続いたわけですからもはや1ミリも揺るぎなき優勝状態。最高すぎてともかくその気持ちを伝えたくてTwitterでいかに今、自分が最高なひとときを過ごしているかを知らせたくてSNSに感想を連投しまくる始末…。
轟音の極み、耳が死ぬのが先か、ライブが終わるのが先か…
ただ、最初、その2曲目くらいまでは確かに轟音なんだけれどもそこまでなのかとも実は思っていました。というのも会場ではライブまでにマイブラの轟音対策で観客用に耳栓が配布されていたのもあり、のっけから音圧の壁とかノイズとかとんでもないのかなとの予想があったからです。しかし、それはただの勘違い。今にして思えば、まだその時点では自分の耳が正常だっただけであり、マイブラ自体もまだジャブを打っていただけにすぎなかったのだと。
その証拠にライブでは曲が進むに連れ、段々とその轟音で歌詞が聴こえない、ノイズで打ち消されるような状態が目立ちだし、1曲終えるごとに次の曲が始まるまでのわずかな静寂時にだんだんと自分の耳が死んでいくかのような感覚に見舞われたからです。実際、会場には最初、結構マイブラ直撃世代ではない最近の若者もいたのですが、そういった彼らの中にはチラホラと轟音に耐えられず離脱していく人も見受けられました。かくいう私もそのような状態なので、もはや自分の耳が完全に死ぬのが先かマイブラのライブが終わるのが先かという極限の轟音&音圧バトルに身を投じていることを強く意識しだし、ギリギリのやりとりをしているような気分になり、そのスリリングさを楽しんでいるような気分になっていました。
噂の新曲も披露
また4曲目くらいにこの曲もしかして噂の新曲なのかな? と気になった曲があったのでライブ後にTwitterで検索。そして見つけたセットリストで確認したところ、やはり6月のロンドンのMeltdown Festivalで披露されていた新曲「New Song 1」の文字が。というわけでこれも私的には今回のマイブラライブが優勝だった理由の1つですね。
ライブ構成的には先述のソニマニのセットリストとMeltdownのセットリストを比較すると持ち時間の違いのためか、若干ソニマニの方が披露曲は少ないのですが、基本的には似た構成で『Loveless』収録曲を中心に、1stアルバム『Isn't Anything』や3rdアルバム『m b v』、そしてこれまでのEPからの曲を加えるたものだということがわかります。
マイブラのセトリ撮らせてもらったよー pic.twitter.com/kjD79pc4Wh
— ごまどうふ (@gomagomapanda) August 17, 2018
#MyBloodyValentine setlist pic.twitter.com/wRZdmccYqI
— Lady Kent 💌 (@Betts_Draper) June 24, 2018
ちなみにこのソニマニでのセットリストは、Spotifyでも公式プレイリストとしてまとめられているので、当日の余韻に浸るために今後、フル活用していきたいなと思います。
最後は伝家の宝刀「You Made Me Realise」ノイズセッション
そして、マイブラのライブといえば、シューゲイザーファン殺しの名曲「You Made Me Realise」。ソニマニ前の単独公演でもラストはこの曲だったようで、そこでは10分ほど名物のノイズセッションが行われていたそう。そして、ちょっと時間は10分あったかは計り忘れたので定かではないですがソニマニでも轟音ノイズぶりは健在。延々と続くノイズからアイコニックなリフに切り替わる瞬間はやはりブチあがります。
あとステージを見るとドラムも一応演奏していることがわかるのですが、ただ轟音すぎてその音は完全にかき消されているというような感じ。先述の歌詞がほぼ聴こえない件と同じでバンドサウンドの調和を完全に破壊するこの鬼の諸行こそが、今回、私が最も観たかった"My Bloody Valentine"だったのだと改めて最後の最後に確認することができました。
マイブラ完全優勝。そう思った人は、私以外にもソニマニ会場には大量にいたのでしょう。結果、深夜にTwitterで”マイブラ”がトレンド入りするという奇跡が生まれたことも今回のライブのハイライトの1つだと思います。
本当に最高のライブだったので、次は噂の新作を引っさげての来日を楽しみにしたいと思います。以上、お後がよろしいようで。
▶︎あわせて読みたい記事はこちら
Follow letter music Twitter!