先日、仕事で恵比寿に行くことがあり、たまたまこの夏頃から気になっていた足利のラッパー、SATORUが恵比寿・BaticaでライブをするというのをSNSで見かけたため、これぞ好機! とばかりに遊びに行って来ました。
1st EP『金と女と注射器』で話題のSATORUを生で観た
河島英五「酒と泪と男と女」的なワードセンスを極強でワルくアップデートしたかのようなシンプルながらもインパクトがあるタイトルの1st EP『金と女と注射器』が、リリース当初から話題になるなど、現在、オンライン・アンダーグラウンドで若者たちが熱狂する注目の若手ラッパー、SATORU。
リリック暗記は当たり前のファンが熱狂したSATORUライブ
そんな彼のライブですが、短時間のショートセットだったものの、オンライン上の熱狂そのままに会場は大盛り上がり。観客はギャングスタラップ的でありながらも、中二病から大ニ病にも突き刺さる極強ワードで構成されるパンチラインだらけのハードなリリックをしっかりと暗記している人が多く、SATORU人気の高さをうかがい知れるものになりました。
SATORU観にきたけど、マジすげぇ。みんなリリック憶えてるのすごっ @BaticaEbisu #SATORU pic.twitter.com/Dbwv7gnCCr
— letter music@音楽情報と雑談 (@lettermusicmag) October 11, 2019
先述のように”刺激的”な言葉だらけのリリックはどこを切りとっても言葉の強さとは裏腹にある意味キャッチーでSNS映え抜群。
ミームで人気を拡大させる今のUSラッパーにも通じるそのスタイルは、彼のTwitterを見ていてもひしひしと感じるます。そのためバイラル化からヒットが生まれる今の時代に適合したSNS戦略に長けたラッパーという印象もあります。
警察もヤクザも昔の女も
— SATORU 1st EP金と女と注射器 (@SATORU26287773) September 5, 2019
俺の邪魔ばかりしやがるんだよ
真夜中の年少1人便所で流した涙も
最愛の女を手放した果てしない悲しみも
真夏の海で
二度と消えねぇ傷を付けられたあの日も
幼馴染が亡くなったあの日も
クソッタレな経験が俺を強くした
誰にも足は引っ張らせねぇ
俺のアナルを舐めてろ pic.twitter.com/VtGaLoAa75
ミームとバイラルヒットに関しては、ヒップホップライターの渡辺志保氏とYOSHI氏の対談を書き起こしたこちらが非常にわかりやすいので、一読してもらえるとSATORUがいかに今の時代に合致したラッパーかよくわかるはず。そして、極強パンチラインだらけのリリックに限らず、そういった要素を持っていることがヒップホップオタクにウケている部分ではないかと。
武道館でのライブが目標だと語るSATORUに”長渕剛”の姿を見た
このように次のバイラルスター感溢れるSATORUですが、今回実際にライブを観て、インターネット、ネットラップの枠に止まらないポテンシャルを持った人物だと感じました。ステージ映えする立ち振る舞いはカリスマ的だったし、曲と曲の間のMCにも観客がしっかりと耳を傾ける。その光景に私は、”長渕剛”の姿を見た気がしてなりません。
武道館でのライブが目標だという彼。ライブを見れば、決してその姿が想像できないわけではないと思わされます。とにかく今後の活躍が楽しみなラッパーです。
なお、SATROUについては、先述のYOSHI氏によるインタビューが公開されていますので、彼のことが気になった方はこちらもあわせてチェックして頂けたらと思います。
地元で撮影されたと思しきSATORU注目のきっかけになった「MAKA」のMVは、6ix9ineの「GAMMO」風だとおっしゃられている人も見かけましたが、私的にはその"借景"としての"団地"使いはUSのものより、UKドリル、グライムなどUKラップに通じるものを感じました。
グライムヒーロー、Skepta(スケプタ)によるアンセム「Shutdown」MVにも通じるフッドのヒーロー感にヤラレます。
以上、お後がよろしいようで。
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