寝耳に水とはこのことなのか
先月末、ついにファンが待望する新作アルバムの完成を認めたLCD Soundsystem(LCDサウンドシステム)。
最近は、Googleのカンファレンス「Google I/O」で新曲「Tonite」をVRフォーマットとして公開したことも話題となっていましたが今月に入り、バンドの過去作アルバムである「LCD Soundsystem」、「45:33」、「This Is Happening」、 「London Sessions」の4枚がアナログレコードとして再販されることが報じていました。
OMG! Dance Tonight is TOTALLY amazing. I loved it! #WebVR to boot!
— Kent Bye VoicesOfVR (@kentbye) 2017年5月18日
So compelling to record multiple embodiments per room.
So much variation! pic.twitter.com/2T2vgHQs9C
しかし、そのことについてバンド側は何も聞いておらず、その予定はないと再販をアナウンスしたWarner Music Group傘下のレーベル「Rhino」による発表を否定していることが明らかになりました。
ロンドン→X ニューヨーク→◯
また、そのプレスリリースにはバンドについて「2000年代のロンドンのアンダーグラウンドシーンで最もフレッシュだったサウンド」と書かれていたことにいたくご立腹の様子。そうです、LCD Soundsystemは、確かに当時ロンドンのアンダーグラウンドで人気だったかもしれませんが、正しくはニューヨーク・ブルックリンが活動拠点です。
ビジネス的に考えれば、最近のレコードブームでは、LCDぐらいの知名度があって、しかも最近復活してメディア露出が多いバンドなら、確かにアナログ盤は売れそう。特に若いヒップスターな若者達にとってレコード購入の御用達となっているセレクトショップUrban Outfittersなんかで販売されたなら尚更な気が。
実際、今年の1-3月期のレコード売上のTop10には、新譜だけでなく、メジャーレーベルから復刻されたThe Killersの『Hot Fuss』もランクインしていたりと、有名バンドによる旧譜はそれなりに今の時代に復刻すると売れるということが証明されていたりするだけに、Rhino側としても”お金になるコンテンツ”として考えていたのでは?と邪推してしまいそうです。
このことについてバンドは、誤報を信じずに彼らのレーベル「DFA」からのものを買うようにと呼びかけているとのこと。
ファンとしてはアナログ盤の再発というのは確かに嬉しいことでしょうが、今回はバンド側にとって寝耳に水だったということで再発はナシの方向のようです。残念。
ちなみに新作アルバムはアナログ盤でもリリースするという意向があるようですので、まずはそちらを楽しみにしてみては?
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Reference: Vinyl Factory, Fact, SPIN
Top image via Discogs
Text: Jun Fukunaga