一昨日、ヒップホップグループ・SHAKKAZOMBIEのメンバーで、ファッションブランド「MISTERGENTLEMAN」、「PHENOMENON」などデザイナーとしての活躍でも知られたBig-O、OSUMIことオオスミタケシ氏が死去したことが明らかになりました。
報じられていることによるとオオスミ氏は、敗血症のため入院先の病院で死去。葬儀は親族の意向で近親者のみで執り行われたとのことですが、まだ47歳での早すぎる死には衝撃が走りました。
音楽面の氏の功績ではSHAKKAZOMBIEとしての活動、そして、BUDDHA BRANDと結成したユニット「大神」名義での日本語ラップの大クラシック「大怪我」がまず、挙げられるかと思いますが、自分世代だといわゆるヒップホップヘッズでなくとも、アニメ『カウボーイビバップ』や90年代に一世風靡したファッション誌『BOON』で、その存在には触れていたのではないのかなと。
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オオスミ氏とBOONの個人的な思い出はと言えば、自分がまだ10代の頃、同じくBOONの愛読者だった友人がゴツくてイカついけどめちゃお洒落な"オスミ"さんって人がいると、興奮気味に自分にその存在を教えてくれたことがありました(のちに我々は、"OSUMI"は、"オスミ"と読むのでなく"オオスミ"と読むことを知る)。
Levis 501XX、Air Max95、ゴツナイキ、リバースウィーブに広末涼子、TOKYO TRIBE 2、そして、オオスミ氏。BOONが盛り上げた古き良き90sカルチャー。私ごとですが、昔買えなかったようなリバースウィーブの復刻スウェットを色違いで揃えたり、先日もLee 101大戦モデル復刻発売に興奮したりするなど、ここ2年くらいは謎にアメカジブームリバイバル中でして。そんな状況からこれはBOONの呪いみたいなものなのかもしれないと近頃よく思っていた矢先のこの出来事は、やはり悲しいです。
また、オオスミ氏は、ヒップホップだけでなく、自分が好きだった"エレクトロ"とも近しい人物。エレクトロといえば、どことなくヒップホップよりもインディーロック上がりの人が好むようなイメージがありますが、例えば海外だとヒップホップルーツのアーティストも多く、フランスなんかだと当時の中心的人物だったBrodinskiなんかは近年はフレンチエレクトロ経由のヒップホップアプローチの作品をリリースしている印象が強いレーベル「Bromance」(KOHH「Paris」のリミックスも過去のコンピに収録)を主宰していたりと、ヒップホップとエレクトロは密接な関係です。
これに関してはTTCとかフランスのヒップホップグループが00年代にフレンチエレクトロの一派に数えられていたこともあり、以前、今、Ed bangerが激推し中のMydに以前、インタビューした際に話を聞かせてもらったことがあるので、興味がある方はそちらもご一読ください。
そういう背景から日本でもDEX PISTOLSを中心とした東京エレクトロ界隈はオオスミ氏との縁が深い印象があるし、DEXのメンバーだったDJ Maar氏も以下のような追悼コメントをSNSで出しておられました。
オオスミくん。
— MAAR (@dj_maar) 2021年2月3日
ありがとう。超楽しかったです。
僕がそちらにいったら、またトラック作りますね。
だからかっちょ良い服くださいな。
お疲れ様でした。
安らかに。
PHENOMENON x DEXPISTOLShttps://t.co/NsvHCDp6S1
あの頃のオレらは、世界からも注目されて、東京の夜の街関連を輝かせてた。
— MAAR (@dj_maar) 2021年2月3日
そう、色々な楽しいこと、面倒なことを背負って多くの人を幸せにしたと思う。
なんつーか、ショウタイムはこれからだよ、BIG-O。
そろそろオレも戻るべきところに戻るね。
待ってろよ、世界。https://t.co/fKte2Lo3gq
また、エレクトロに造詣が深い漫画家の西尾雄太先生も、先述のTTCのメンバーとして知られるTeki Latexによるオオスミ氏追悼投稿を紹介しておられました。
Tekiのオオスミ氏への追悼、目頭が熱くなる。https://t.co/LJXJKKU97l
— 西尾雄太 NISHIO,yuhta (@snobby_snob) 2021年2月3日
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今年は年始から音楽ファンには堪える人気アーティストの訃報が続きますが、音楽ファンとしては彼らが残した作品をこれからも聴き続けていくことが彼らに対する一番の供養なのかなと思います。
改めてオオスミタケシ氏を悼んで。合掌。
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