letter music

日々更新される音楽情報を雑談を交えて文字化するWebzine

6ix9ineが獄中で新曲制作、紙とペンを駆使してリリックを書き溜め中と報じられた件

f:id:fantasydub:20190115024440p:plain

最近、交際中の恋人によって収監以来、初の写真が公開されることになったお騒がせラッパーのTekashi 6ix9ine(テカシ・シックスナイン)こと6ix9ine(シックスナイン)。銃火器違反やら麻薬販売などの罪に問われ、現在、最高で終身刑の罪に問われることになったと報じられている彼ですが、最新の情報によると獄中で新曲制作に取り組んでいるそうです。

 

炎上商法で名を上げた6ix9ineは獄中でもファンベースを維持できるのか?

6ix9ineは、元々自身のInstagramなどSNSを駆使し、自分のインモラルな動画、例えば悪名高き13歳少女淫行動画などで、世間からの注目を集めてきたいわゆる炎上商法を得意とするラッパー。彼ら世代のラッパー、つまりSoundCloudラッパーたちにとって、SNSで良くも悪くも目立ち、自身のSoundCloudに流入させて、曲を聴かせファンベースを作るという流れは音楽活動における定番のビジネスストラテジーだったわけですが、最近ではやはりポリティカルコレクトネス意識の高まりから、あまり物議を醸す社会的に正しくない、道義に外れたことをすると即座にポリティカルコレクトネス・ポリスの目に留まり、あっという間に非難轟々の大炎上なんてことも決して珍しくなく、記憶に新しいところではLil Pump(リル・パンプ)の「Butterfly Doors」によるアジア人差別なんかはまさにそれ。

www.instagram.com

しかしながら、こういった炎上上等スタンスのアーティストにとってはそれもまたプロモーションとなり、結果的にどんなやつなのか、どんな曲をリリースしているのか? という疑問が湧き、YouTube、Spotify、SoundCloudなど基本的には無料で誰でも気軽に再生しやすい音楽プラットフォームで確認してしまうという流れも起こります。彼らにとってはそういったプラットフォームの音源が再生さえされば、1曲ごとにストリーミングによる収益が手にすることができるため、確かに炎上上等でも問題はないのでしょうが、なんとなくそれはそれで複雑な気持ちになりますよね。

 

R. Kelly性的虐待告発ドキュメンタリー『Surviving R. Kelly』問題から考えるアーティスト作品との向き合い方

しかし、それに抗えないのが人の性。実際に今月になって絶賛大炎上中のR. Kelly(R・ケリー)の性的虐待告発ドキュメンタリー『Surviving R. Kelly』の余波で、Lady Gaga(レディー・ガガ)など過去に彼とコラボしたことがあるアーティストがその音源を取り下げるなど#MuteRKellyというポリコレキャンペーンが起こりました。

しかし、Spotifyでは昨年、性的虐待疑惑が問題視された際に公式のプレイリストからの削除が行われていたにも関わらず、先述のドキュメンタリーのパート1公開直後に彼の公開楽曲の再生数は16%も増加したことがThe Blastなど多数のメディアによって報告されています。(なお、Spotifyプレイリストからの疑惑のあるアーティスト削除は実施されるものちにSpotifyのCEOのDaniel Ek(ダニエル・エク)が過ちだったと謝罪し、R.Kellyと同時期に削除されていたXXXTentacion作品を復帰させています)

 

そのリスナー数増加について手厳しい意見を書いているのが、Refinery29による「R. Kelly’s Streams Reportedly Increased After The Docuseries — & That’s Bad」という記事。

曰く、R.Kellyは公式プレイリスト削除後も月間550万人以上、そして170万人以上のサブスクライバーを抱えているそうで、そういった人たちは彼の問題を見逃すことを選択した人たちだと批判的に書いています。

この問題については、昨今言われる、アーティスト作品とその作り手であるアーティストの人格は分けて考えるべきという議論に発展するかと思います。昨年は、日本でも某フェスにおける問題を起こしたアーティストの出演やその後に発覚したさらなる問題でこのあたりのことは盛んにネット上で議論されていたため、それを踏まえて考えるとこの問題は決して海外で起こっているだけの話ではなかったりします。色々な意見を見ているとどちらの言い分もわかるし、最終的には個人の判断に任せてそれを尊重するではないですが、もし自分とは違う判断をした人が身近にいたとしても個人的には過剰にそれを批判するのはまた違うんじゃないかなと…。

6ix9ineは獄中で熱心に新曲のリリック制作に取り組んでいる模様

ちょっと話がズレましたがここで本題。そんなわけで、かつてのスタンスでSNS上でファンベースを刺激することが難しくなった6ix9ine。そもそも終身刑になる可能性にも直面しているため、今後のキャリアパスは限りなく不透明なわけですが、現在は、報じられることによると、頻繁にワークアウトに取り組み、健康的になっているそう。さらに、紙とペンを手にして沢山のリリックを書き、新曲制作に取り組んでいるとのこと。またMVのアイデアも練っているそうだとか。

 

ちなみに6ix9ineの公判前協議は来週1/22で初公判日は9/4に決定と以前から報じられています。一時は1番良い結果で25年収監と言われていましたが、そういえば、現在の彼と似たようなラッパーがいることを思い出しました。

それは最近、引退を宣言したLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)ともコラボしていたりもする現在、収監中の03 Greedo(オースリー・グリード)。

youtu.be

 

03 Greedoのケースから考える6ix9ineの刑期短縮

03 Greedoは昨年5月に2016年に起こした麻薬所持、銃器の不法所持の罪により基礎され、20年の禁固刑を言い渡され、現在服役中。しかし、そんな彼も服役中の態度次第、つまり模範囚になればということでしょうかね? その服役期間が5年に短縮されるそうだとか…。そのことを考えると6ix9ineの罪状はこれに当たらずとも遠からずといった感じなので、長期の服役が宣告された場合も、同じように態度次第では短縮となる可能性もあったりして…。

*追記:

なお、6ix9ineは現在は他の囚人たちの話を聞いたりして彼らの過ちを学び、自らの姿勢を悔い改めているそうな。獄中からのリリースがあるかどうかも気になるところですし、今回の場合は、Meek Mill(ミーク・ミル)のような不当な重罪処置による拘留でもなさそうなので、ポリコレ的に次の音楽が世間に受け入れられるかどうかはかなり気になるところです。以上、お後がよろしいようで。

▶︎あわせて読みたい記事はこちら

Follow letter music Twitter! 

Top Image via 6ix9ine
Source: hnhp, The blast, Refinery29, The Fadar, Wikipedia, Rolling Stone