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slowthaiが性的暴行容疑により起訴されたという話

2018年にリリースされたシングル「Doorman」を知って以来、よく聴いていたUKラッパーのslowthaiが性的暴行容疑により起訴されたというニュースを知り驚いている...。

slowthaiといえば、今年3月にリリースした最新アルバム『Ugly』を引っ提げ、今夏行われるサマソニ&ソニマニに出演が決定しているだけでなく、今回が初来日となるだけに個人的にも非常に楽しみにしていただけにこの件の衝撃は大きい。

容疑については、こちらのニュース記事にすでに書いたので確認していただけたらと思う。注意:下記の記事には性暴力の描写が含まれます

 

 

これまでに報じられていることによると来月、重大な刑事事件を扱う刑事法院への出廷が決まっており、そこでこの件の審理が行われるとのことなのだが、もし本当であれば酷い話だ。

UKラッパーの不祥事でいえば、slowthaiとほぼ同時期に注目を集めていたラッパーのOctavian(フランス出身のUKラッパー)が2020年に元恋人からのDV告発によって、キャンセルの対象になるという事件もあった。Octavianは、その余波から人気が低迷し、一時ラッパーを引退。現在は復活するも輝かしいキャリアは台無しになった。

slowthaiに関しては、現在、SNSで無実を主張中だが、SNSを見ているとすでに批判やファン離れが起きつつある。

slowthaiといえば、シングルマザーのもと、ノーサンプトンのカウンシルフラット(公営団地)で妹と一緒にワーキングクラスコミュニティの中で育った経歴から、これまでに何度かライブのチケットを格安に抑えるなど、"庶民の味方"的スタンスをとってきた人物だ。

今年2月〜3月初旬にかけて行った規模の小さいパブを会場にしたツアーでも、昨今の物価高騰により庶民の生活費が危機に瀕していることを理由にチケット代を1ポンドに設定。これに対し、当時、本国のファンからは称賛の声があがっていたが、今やOctavianと同じく彼の輝かしいキャリアも風前の灯火状態だ。

今回のスキャンダルを受けて、slowthaiは、ファンにこの状況についてコメントしないことを声明文で求めている。

これは、自分の家族がこのような困難な状況に直面している時に他人がそれについて無闇に口出ししたり、プライバシーを侵害しないように配慮を求めるというのが理由だ。

しかし、これまで先述のようなスタンスでファンと向き合ってきたのであれば、これではファンに対する説明が足りていないし、それだけにもう少し言い方を考えるべきだったのでは?と思う(審理前なのでわからなくもない部分はあるが...)。

ただ、個人的には審理前ということもあって、今の時点でslowthaiをいたずらに批判するのは控えておこうと思う(そして、願わくば無実であってほしい)。ただし、もし罪が確定した場合は、被害者に連帯すべき事案だと考える。

その時にどのような形で一個人が被害者に連帯できるのか?

その疑問に対する興味深い記事を発見したので気になる方は、是非ともご参照いただきたい。

こういった事件が起きた際、いたずらに一時の感情のままキャンセルに加担するのではなく、その意味を問う意味で学びがある内容だと考える。

gal-dem.com

いずれにせよ、ファンであり、これまで数年に渡り、slowthaiの音楽を持ち上げてきた身としてはこういったことを書き記しておくべきだと思った。

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