先日、たまたまUKのWaveプロデューサー/DJのKarefulがツイートしていたことで知ったのが、USのvibe.digitalというレーベルのWaveコンピレーションアルバム『vibe.digital - Vol. 1』なのですが、この収録曲が非常にクールでした。
Big stuff from the @vibedigitalUSA camp https://t.co/vAwQdhSmRk
— Kareful (@KarefulUK) June 23, 2018
要チェックすべきUSの新興Waveレーベル「vibe.digital」
クラブミュージックのジャンルとしてはまだ新興の部類に入るWaveですが、そのシーンにおいてもこのレーベルは新興レーベルのようで、情報はまだまだ少ないのですが、調べて見たところ、KRUI 89.7 FMというアメリカはアイオワ州のカレッジラジオでも番組を持っているようです。
またこれまでに3枚のEPをリリースしており、そのラインナップを見ていると、個人的に注目しているオランダのWaveプロデューサーで、Waveシーンのリーディングレーベル「Wave Mob」からもリリースするFive Sunzや、先述のKarefulのレーベル「Liquid Ritual」からもリリースする同じくオランダのDeadcrowが、henryisdeadなるアーティストとコラボEPも含まれていました。
あまり、知らなかったのですが、Five Sunsの「Lunar Orbit」というシングルは特にイケてる曲だったので、正直、発見できてラッキーと思えるレーベルだったなと。
配信Mixには「Liquid Ritual」テイクオーバー回も!
あと、コレクティヴ的にWaveシーンのアーティストたちによるゲストMixも定期的に配信しているようで、Kareful、LTHL、Stohou、Pholoら「Liquid Ritual」の主要メンバーによるテイクオーバー回などもあり、チェックしてみたらUKのWaveが好きな人にとってはかなり神回と言える内容だったので、気になった方は1度聴いてもらえたらと。
『vibe.digital - Vol. 1』の押さえておきたい注目曲
さて、肝心のコンピレーションアルバム『vibe.digital - Vol. 1』の内容なのですが、一言で言えば、秀逸な出来になっています。私の中で特にクールだと思ったのが、先述のFive SunsとFyoomz、M!NGOのコラボチューン「Raijin」。
勝手な予想ですが、日本語の雷神がタイトルになっていると思われ、アルバムカバーアートで描かれているVaporwave以降のポスト・インターネットミュージック感のあるサイバーな雷神とリンクする曲だと思われます。先にどっちが仕上がって、インスパイア源になったかちょっと気になります。
それとオーセンティックなWave感というか基本に忠実なベーシック系WaveサウンドのDendog「Drowning」、Djedi, MRKRYL, Memphis「Third Wind」、WavemobやPlastician選出コンピ「Wavepool」でも名前を見かけるなどシーンの中では有名な部類に入るSorsariによるどことなく脱臼Glitch系Waveの「Sing」あたりが、私的には推し曲です。
あとGiant Ibis「Mensa」という曲のちょっと既存のWaveとは微妙に違ったメロディックさがツボです。
その他にコンピのラストを飾るTyler「Innocence」が声ネタ、シンセの使い方のWaveさに加え、ノイジーなストレンジギターが耽美さに拍車をかけているように感じとれるため、初期のウイッチハウスを代表するSALEM作品を彷彿とさせます。ですので、この曲、Dope Shitで素晴らしいなと思った次第。
SYNESというロンドンのコレクティヴにも注目
UKのWave御三家以外にもUSのこのvibe.digitalも興味深いレーベルです。あと新興Waveレーベルに本稿では触れましたので、ついでにと言ってはなんですが、ロンドンの新興コレクティヴだと思われるSYNESも要チェックだと思っておりますので、そちらも近いうちにご紹介できたらと。
最後にそこがSoundCloudかSNSだったかどちらかで紹介していた曲の中で特に気になったのがこちら。
Margari's Kidというブリストルとスペイン2拠点プロデューサーによる「i lose」という曲ですが、そのスタイルがBPM170のドラムンにWaveの要素を加えたようなものになっているため、かなりグッときます。(SoundCloudページを見ていると#170というBPM170を示唆する表記がちらほらとあります)
ブリストルつながりで言えば、ベースミュージックならSam Bingaのジューク/フットワーク要素のあるドラムン路線を別方向に発展させたような印象を受ける曲が多いのもこのプロデューサーの特徴。DJ的にはWaveからこういった曲に繋げてみるのも面白いかもしれません。
以上、お後がよろしいようで。
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Top Image via vibe.digital