早いもので今年ももう9月。先月の”808の日”こと#808dayが終わり、次は”909の日”、#909dayだなぁ〜などと思っていた矢先、思いがけずものすごいニュースを発見しました。なんと、ミュージャン御用達で、現在でもそのサウンドが様々な音楽ジャンルで使用されているRoland(ローランド)による名ドラムマシーン、TR-808が国立科学博物館の「重要科学技術史資料」に登録されたという発表が!
RoandのTR-808が「重要科学技術史資料」に登録され、学術的な価値を持つ”未来技術遺産”に
Rolandの発表によると、
「重要科学技術史資料」は、国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが、日本国内の科学技術史において「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を選定し、「重要科学技術史資料登録台帳」への登録を行っています。2008年度から毎年登録が実施されており、「重要科学技術史資料」に電子楽器が登録されるのは今回が初めてとなります。
とのこと。
【#TR808 が #未来技術遺産 に!】
— Roland | ローランド公式 (@MyRoland) September 3, 2019
ローランドのリズムマシン『TR-808』が、国立科学博物館により「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に、電子楽器として初めて登録されました。
詳しくはこちらhttps://t.co/cqgbyJPfY4 pic.twitter.com/A5cjdShj7g
デトロイトテクノからピコ太郎のバイラル化までを支えたTR-808
今ではヒップホップのトラップで808ビートは欠かせないし、数年前に世界レベルでバイラルヒットしたピコ太郎による「PPAP」でも重きをなしたTR-808。発売は1980年ということですが、ここにきてアカデミックな価値が、ここ日本でも認定されるのはすごい。すごいの一言でございます。
これも80年代の発売当初における”不遇の時代”(一般的にはあまり評価されず1983年に販売中止)を乗り越え、Juan Atkins(ホアン・アトキンス)、Derrick May(デリック・メイ)らデトロイト・テクノオリジネターらを始め、ハウス、ヒップホップアーティストによる”機材としての再評価”の歴史があったからこそ。
今ではエミュレートした音源が各種DAWにプリセットのプラグイン音源として備え付けられているほどスタンダード化しているTR-808。テン年代に入ってからもトラップで使われる極太808キック、ベースは日々、そのサウンドの作り方が研究され、YouTubeで検索すると様々な音色エディット、作り方のチュートリアル動画がサーチボックスに表示されます。
またハードウェア実機派のクリエイターにとっては業界における”クローン機材制作の巨人”化しているBehringer(ベリンガー)によるTR-808クローンの「RD-808」の発売が今か今かと待たれるなど、ここ最近でもTR-808に関する話題は止むことがありません。
TR-808でいえば、その進化版ソフトウェア「RC-808」が先月の”808の日”にあわせて無料で公開(Windows)されるなど、新たにプロのクリエイターやDTMerの間で話題になっています。こちら、現時点ではスタンドアローン版となっていますが、今後はプラグイン化も予定されている代物なので、私的にもそれがかなり待ち遠しい…。
YAMAHAの名FMシンセサイザー「DX7」も重要科学技術史資料」に登録される
なお、今年度、令和になってから初めてのが国立科学博物館による「重要科学技術史資料」に登録リストには、全部で26件の登録アイテムがあり、YAMAHAの名FMシンセサイザー「DX7」も含まれています。
DX7でいえば、マニア度高めですが実機とソフトシンセの音を比較するこの動画が面白いです。
そのほかにもCASIOによる初のG-SHOCK「DW-5000C」の名前も見受けられます。これは将来的に90年代に一世風靡した「G-SHOCK ラバーズコレクション」、「イルクジ」あたりの登録も期待できるのでは…。
あとかなりマニア度高めですが、80年代のアーケードゲームなどで使用されたYAMAHAの「YM3526」も登録されています。こちらもYouTubeで検索すると使用ゲームタイトルがズラっとでてくるので興味がある方はぜひ。
ちなみに秋葉原ではFM音源チップをガチャポン「FM音源伝説」を設置しているお店が存在。東京ラジオデパート1F「家電のケンちゃん前」にて稼働しており、私も昨年、1回400円のこちらを試してみました。気になった方は増税前にお試しあれ(増税後に値上げが行われるかはわかりませんが…)以上、お後がよろしいようで。
▶︎あわせて読みたい記事はこちら
Follow letter music Twitter!