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サニーデイ・サービスのHAIR STYLISTICSリミックスをMASONNAが再調理したら至高のスカムJ-POPが誕生した件

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サニーデイ・サービスがSpotifyで展開しているプロジェクト「the SEA」。

サニーデイ・サービス「the SEA」にMASONNA降臨!

このプロジェクトは、彼らの最新アルバム「the CITY」全曲をSpotifyのプレイリスト上で解体、再構築していくという企画なのですが、最近その第3弾として、ハバナイことHave a Nice Day!(ハヴ・ア・ナイス・デイ)、田中フミヤ、MASONNA(マゾンナ)のリミックスが新たに追加されていました。

至高のスカムJ-POPにグッとくる

というわけで、私が今回注目したのはMASONNAによる「すべての若き動物たち HAIR STYLISTICS REMIX(MASONNA Remix)」。一言でいえば、私のようなサブカルクソ野郎のためのサブカル脳を拡大膨張させるような典型的な肥やしとでも言いたくなるリミックスワークで、もう平たく言えば「最高でしかない」という感じなのです。

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山崎マゾという関西、いや日本が誇るノイズミュージック界の鬼才が手がけてた同曲は、まあ、ノイズ。わずか一分間のうち、イントロとアウトロに良い意味で”申し訳程度”に原曲を使っただけであとはまあ、ノイズ。

しかもそのノイズも現代電子音響音楽家が作る繊細かつ緻密な”アート”っぽさではなく、野暮ったい、男臭い、それでいてサブカル童貞を殺す勢いで撒き散らされるノイズで真っ黒に塗りつぶされた"至高のスカムJ-POP"といった感じに仕上がっている点が、今月イチ、グッときます。

ノイズで構成された曼荼羅

かのSonic Youth(ソニック・ユース)の日本公演の前座を務めたり、ステージに並べたエフェクターの上で飛び跳ねては叫びまわるという狂気のパフォーマンスで身体を痛めることも多々あり、ライブは大概数分間で終了という伝説のパフォーマーであるMASONNA。今回のリミックスもたった1分程度の尺にこれでもかと目眩くカオスを詰め込んでおり、ノイズで構成された曼荼羅がイメージとして頭に焼き付いて仕方ない。そんな風に私は捉えてしまいました。

また同リミックスは原曲ではなく、かつての暴力温泉芸者こと中原昌也 aka HAIR STYLISTICSによるリミックスをさらにリミックスしたものなのですが、曲を聴かずとも私と同世代くらいのサブカルクソ野郎なら、そういったものが存在するだけでテンション爆上がりの1曲と言えるでしょう。

 

サブカルクソ野郎化への扉を開く曲

そして、もしこの春から大学に進学、田舎から都会に状況、人づてに聞いた、村八分とか頭脳警察とかの音楽やつげ義春の漫画などをヴィレバンに物色しにいくような童貞サブカルクソ野郎目覚めかけみたいな若人は、そこから帰宅後、是非YouTubeで昔の暴力温泉芸者やハナタラシの動画をディグった上で、是非MASONNAにも食指を伸ばして頂き、その上でこの「すべての若き動物たち HAIR STYLISTICS REMIX(MASONNA Remix)」を聴き返してほしいなと思います。

Welcome to my world。ようこそ、こちらの世界へ。その扉、この曲が開けてくれますよと。

ちなみに『the SEA』の中では、モンロー女優の古川いおり嬢が出演する「FUCK YOU音頭」のMVも好きです、はい。

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Top Image via Rose Records