PC Musicの創始者、A.G Cookとともに2010年代半ばにUKで興った"バブルガム・ベース"の中心を担ったほか、最近ではトランスジェンダーのアーティスト、プロデューサーとしてもArcaとともにシーンの代表的な存在として知られていたSOPHIE(ソフィー)が死去したことが明らかになりました。
本日、夕飯を済まして、これから仕事でも思い、その前にスマホでTwitterを開いたら、PANがこのようなツイートをしているのを発見。そこでまさかと思っていたら、次にMixmagがSOPHIEの死去を報じていました。
Rest in Power you incredible human 💔 pic.twitter.com/qnxHwivvYw
— PAN (@PAN_hq) 2021年1月30日
記事によるとSOPHIEは、1月30日今朝4時頃にギリシャ・アテネにて、突然の事故によって亡くなったとのこと。マネジメントチームは、SOPHIEの遺族のプライバシーを尊重することを優先事項としながらも、SOPHIEのファンに敬意を払いつつ、このことのプライベートな性質を敏感に受け止めてほしいと声明文で発表しています。
— Transgressive (@transgressiveHQ) 2021年1月30日
また、SOPHIEは新しいサウンドの先駆者であり、過去10年間で最も影響力のあるアーティストの一人でした。独創的なプロダクションと創造性だけでなく、そのメッセージ性と知名度からも"解放"のアイコンだったとも。
SOPHIE in The New Fashion Rebels Issue, no. 352, Summer 2018 💔 pic.twitter.com/cixC2THh8W
— i-D (@i_D) 2021年1月30日
SOPHIEといえば、PC Music周りの"バブルガム・ベース"シーンの中心人物の1人として、耳の早い音楽リスナーの間でその存在が知られるようになったほか、彼女の地元、イギリス・スコットランドはグラスゴー拠点の人気レーベル「Numbers.」や「Huntleys & Palmers」など、コアなエレクトロニック/クラブミュージックのレーベルからのリリースも行なっていました。
2018年にはデビューアルバムとなる『Oil Of Every Pearl's Un-Insides』をリリース。同作は2019年のグラミー賞で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバムにノミネートされるなど、高く評価されました(2019年にはリミックス盤もリリース)。
そして、今月もUKエレクトロニックシーンの御大、AutechreがリミックスしたSOPHIEの2013年のトラック「BIPP(Autechre Remix)」もリリースされていました(鬼カッコいいソリッドなエレクトロ・ディスコポップ?みたいな曲)。
レトロポップスやJ-POP、その他様々な音楽にインスパイアされた、"ネット発のポストダブステップ以降のベースミュージック"ともいわれた"バブルガム・ベース"のカルトスターとして人気に火がついたSOPHIE。それ以降には自身の音楽制作のかたわら、Madonna、Charie XCXなどポップスターのプロデュースなども手掛け一気にメインストリームでも存在感を放つようになりました。
一方、日本でも安室奈美恵と初音ミクのコラボ曲「B Who I Want 2B」をプロデュースしたことがきっかけとなり、彼女のことを知ったという人も少なくないことでしょう。また日本でも以前、クラブサイズのツアーも行っていることから、クラブシーンでもよく知られた存在でした。
ちなみに最近、日本でもHyperpopがにわかに注目を集めていますが、SOPHIEはその文脈でも重要なアーティストの1人でした。Hyperpopの解説に関してはこの動画がおもしろいです。
あと、SOPHIEが注目を集め出した頃に公開されたRed Bullのこの記事も彼女のことを知る上では良い参考資料になるかと思います。
これからさらなる飛躍が期待されていただけに今回の訃報は残念な限り。ご冥福をお祈りいたします。
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