昨年その歴史に幕を下ろした日本のクラブ系人気野外フェス「TAICOCLUB」。その後継となるフェス「FFKT」の第1弾ラインナップが発表されたので、とりあえずサラ〜と流し見していたら、なんとあのアーティストの名前があるのを発見。思わず2度目で収まらず、5度見くらいしてしまいました。
“ダブテクノ界のツチノコ”Shinichi AtobeがFFKTに降臨!
そう、まさかのダブテクノ界のツチノコことShinichi Atobeの名前がそこにあったのです。Shinichi Osawa aka Mondo Grossoではありませんよ。Shinichi Atobe!!! 2001年にダブテクノの名門「Basic Channel」のサブレーベル「Chain Reaction」からリリースしたのち、実に13年も音沙汰なし。そこからDemdike Stareのレーベル「DDS」からニュークラシックと呼べるような名盤『BUTTERFLY EFFECT』を2014年にリリースし、世界中のダブテクノマニアに衝撃を与えた伝説の男、レジェンド・オブ・伝説が、ついに日本のフェスに出演する日が来るなんて…。
Hello, this is FFKT Japan festival. pic.twitter.com/w0TxUw0Fiu
— FFKT (@ffkt_fest) February 12, 2019
2017.6.4、東京・神楽坂にShinichi Atobe降臨伝説
Shinichi Atobeは、2017年6月におそらく世界初と当時言われたイベント出演を東京・神楽坂にあるKGR(n)にて果たしており、私もその日は現場で彼の姿を目撃。残念ながらその日はライブセットではなくDJセットではあったものの、まさかこの目で”ダブテクノ界のツチノコ”を目撃できるなんてとテンション爆アガり状態になったのも記憶に新しいです。
そして、Shinichi Atobeがその日プレイしていた曲のひとつが、2000年代初頭のディープハウスクラシック、Luomoの「Tessio」。
私もかつて「Force Tracks」からリリースされた女性のモノクロ写真がフィーチャーされたスタイリッシュなジャケのヴァイナルを所有していましたが、実はこの盤には、AkufenとMoonbooticaによる2曲のリミックスも収録。特にAkufenのリミックスはまさに原曲をうまく生かしつつも、Akufen節が効いたマイクロサンプリング、マイクロファンクスタイルで超弩級にカッコいいのです。
それが、私にとってのShinichi Atobeが降臨した伝説の一夜の思い出…。(そういやそれ以来、神楽坂に足を踏み入れたことがない…)
閑話休題。
近年はコンスタントに作品をリリースしているShinichi Atobe
すでにテンションがピークを迎えるくらいアガっているのですが、ここで近年のShinichi Atobeの状況を簡単に説明すると、2014年の『BUTTERFLY EFFECT』以降は先述の「DDS」を拠点に1年に1タイトルくらいのリリースを続けており、かつてのことを考えるとかなりコンスタントにリリースを行なっている印象があります。
特に2017年に「DDS」からリリースされた7曲入りのLP『From The Heart, It's A Start, A Work Of』は、Shinichi Atobeらしいメロディックなダブテクノ「Regret」、深海系かつルーピーな「First Plate 1」、白昼夢的ピアノ系ダブテクノ「First Plate3」など、ダブテクノマニアの心を揺さぶる名曲多数。
さらに昨年も同じく「DDS」より、「20年前に作られたかもしれないし、今年に入ってから作られたかもしれない」と言われる最新LPの『Heat』をリリース。同作には4バージョンの「Heat」を収録。個人的にはこれまでのダブテクノ路線は踏襲しつつもよりフロアライクになった印象を受けましたが、それでも「So Good, So Right 2」は、これぞShinichi Atobeといった美しく儚い白昼夢ダブテクノに仕上がっていますし、作品全体で考えても私の中では去年のベストリリースのひとつです。ちなみにこちら海外でも評価が高くResident AdvisorではBest Album 2018に選出もされています。
FFKTに出演する愉快なShinichi Atobeの仲間たちは?
なお、FFKTは、今年2019年6/1~6/2に長野県木曽郡木祖村のこだまの森にて開催され、第1弾ラインナップにはShinichi Atobeのほかに、Mount Kimbie(マウント・キンビー)、Luke Vibert(ルーク・ヴァイバート)、Florian Kupfer(フロリアン・クップファー)など、かなり私好みの海外アーティストも出演。その点では最近、公開されたMV「In The Wreck Room」もドチャくそカッコよかったLee Gamble(リー・ギャンブル)のパフォーマンスに超期待。
youtu.beKode9(コード9)主宰「Hyperdub」からの最新EP『In A Parventral Scale』をリリースしたばかりの彼ですが、今年はアルバムリリースも控えているので、そのあたりの最新音源も披露してくれたらと思います。
また日本からはWONKも出演。そして個人的にはAC部によるMVもクールだったPowderのセットが楽しみです。
FFKTでShinichi Atobeのライブセットが観たすぎる件
現時点ではShinichi Atobeが今回のFFKTでライブセットなのかDJセットなのかはまだわかりませんが、是非ともライブセットで降臨してほしい。強くそう思います。
ちなみにShinichi AtobeのDiscogsのページは私が以前確認した際のアーティスト写真は、キング・カズこと三浦知良風でしたが、最近のものは、おそらく先述のKGR(n)でのものと思われます。
あとFFKTのアーティストバイオにも公式のものがないため、「公式バイオグラフィーはなく、これはFFKT創作によるShinichi Atobeのプロフィールである」というパンチラインがブチかまされていたことは強く印象に残りました。以上、お後がよろしいようで。
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Top Image via FFKT