最近、海外の音楽機材系情報サイトをぼんやり閲覧していた際に、謎に往年のハンディーゲーム機であるゲームボーイとTEENAGE ENGINEERING(ティーンエイジ エンジニアリング)のPocket Operatorを合体させたようなシンセを紹介している記事を発見しました。
謎のゲームボーイ風シンセはレジェンダリーな音を作ることが可能だった件
私は最初、それこそTEENAGE ENGINEERINGの新作でも発売されるのかな〜なんて思っていたのですが、よくよく記事を読んでみると、アメリカのKernel Bob aka Kbobというエンジニアの方が自作したシンセのようです。
そのシンセ「Deep Synth」のイントロPVが、YouTubeで公開されているので、視聴してみたところ、ただ「ブゥーーン」という音が鳴っているといった感じなんですが、この界隈ではこれを再現したこと自体が相当ヤバいそうで、記事内でも狂気的だとか称されており、違う意味でも個人的には結構なヤバみを感じます。
「ブゥーーン」という音とともに現れる「THXロゴ」
ちなみにその「ブゥーーン」という音は映画館で上映前に流れる「THXロゴ」の効果音だそうです。かなりマニアックなので気になったため、色々調べていたら、Gigazineにある程度機械音痴な私でもわかりやすい解説の記事を発見。それによると、THXとは、”映画館や家庭用AV再生機器からDVDなどのソフトウェアの品質チェックを行っている企業で、THX社の規定をクリアしたものにはTHXマークをクレジットすることが許可される”とのこと。その際の効果音が、今回Kbobが自作シンセで再現したものになるというわけなのです。
ただ、私が映画館で観る映画ではあまりこのTHXロゴ見たことがない、もしくは観ているのかもしれませんが、最近はソフトバンクともコラボしたCMも放送されている、あのアイコニックな「No More映画泥棒」が強烈なのかとにかくあまり記憶にないため、それがすごいのかどうかはよくわからなかったりするらしいですが、とにかくこの効果音、正式名称は「Deep Note」と言うそうな…。
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』プレミアで使用された音
そんなわけで見ようによってはレジェンダリーな「Deep Note」のオリジナル音源は、1982年にルーカスフィルムや故スティーブ・ジョブズが創業したNeXTで働いていた経歴を持つJames Moorerによって作られたそうで、翌年1983年にはお披露目としてその年に公開された『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のプレミアで初めて使用されたとのこと。
正直『スター・ウォーズ』シリーズにあまり明るくない私は、そのすごさがいまいちピンとこなかったりしたわけですが、シリーズのファンだったりしたら結構おお! となることだったりするのかな〜と。
またオリジナル音源は、「曲の初めは静かで、徐々に大きくなり最後には爆音になる」という依頼のもと、”チェロの音をデジタル化したシンセサイザーの音楽プログラムを、当時開発されたばかりのオーディオプロセッサー「ASP(Audio Signal Processor)」に組み込むことから着手。次に、約2万行のコードを含むCプログラムから成る楽譜を作成し、無作為にフリーケンシーをいじったりしてディープノートの完成に至った”とのことで、偶然が産んだ産物的なものだった模様。
オープンソースとしてGithubにて公開中
先述のPVでもボタンを押してオクターブを変えたり、ポリフォニックな音にしたりと無作為に操作することで微妙に音の違いを変化させている様子を確認可能です。なお、FactによるとこちらはオープンソースとしてGithubにて設計回路が公開中の模様。手先の器用さに自信があるテッキーなシンセファンは是非自作してみてはいかがでしょうか? 以上、お後がよろしいようで。
▶︎あわせて読みたい記事はこちら
Follow letter music Twitter!
Top Image via kernlbob