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コロナ時代のライブエンタメに必要なのは仮想現実ではなく、テクノロジーで感染予防する「レイヴスーツ」なのか? という話

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先週行われたTravis Scott x フォートナイトによる仮想空間ライブイベントが大きな話題になっており、今後はテクノロジーを駆使した現実世界の現場では成し得ない仮想空間ならではの”体験”に注目が集まっています。しかし、同じくテクノロジーを駆使しながらもその真逆を行く発想もあるようで、ハイテクな「レイヴスーツ」を作るという案が一部で注目を集めています。

 

安全にコロナ時代のエンタメの現場を楽しむためにテクノロジーを駆使するという発想

Mixmagによると、このレイヴスーツは「MICRASHELLLA」という名称でクリエイティヴスタジオ「Production Club」考案のもの。コンセプトは先述のようにテクノロジーによる仮想空間でエンタメの現場を楽しむのではなく、テクノロジーで安全性を担保した上でリアルなエンタメの現場を楽しむという、いわば今のアンダーコロナ時代に持ち上がっている発想の真逆をいくものになっています。

このレイヴスーツはまだ実際に生産されているものではなく、あくまで企画段階のものだそうですが、考えようによっては一理ある気がしなくもないです。

というのも現在の新型コロナウイルスの完全収束は年単位の期間が必要だという予測が立てられており、実際に大型イベントを再開できるのは2021年になると専門家や各国政府関係者が警告しているということも報じられています。

そうなってくるとエンタメの現場に求められるのはやはり、現実では体験できない仮想現実、仮想空間ならではのイベントか、もしくはレイヴスーツが目指す安全性を担保した上でのリアルな現場体験のどちらかになってくるのかなぁと思ったり…。

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エンタメの現場を楽しむための機能満載のレイヴスーツ

ちなみにそのレイヴスーツは、スマホとのインテグレーションのほか、音声通信、サブウーファーサウンドシステム、LED、ビデオカメラ、ファッションアクセサリー、視界が遮られない通気性の良いヘルメットという様々な機能を搭載しています。また、スーツを着用しながら飲み物を飲んだり、ベイプを吸ったりすることもできるそうで、フェスやライブハウス、クラブの現場でこれまで行われていたコミュケーションをいかにしてテクノロジーを駆使して実現するのか? をコンセプトに発案されています。

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ベイプはさておき、実際、フェス、ライブハウス、クラブだとドリンク類の売り上げ収益はヴェニュー側にとっても重要な収益源ですし、遊びに行く側にとっても避けては通れない要素のひとつなので、これをどのようにして、スーツ内で実現するのかは、テクノロジーの活かしどころなのかな? と思ったり。とにかく3密であろうが安全性さえ担保されるなら営業自粛する必要もないし、収益も上げることができる。そう考えるとヴェニュー側にとってはメリットが大きいことは間違いないです。

ただ、今現在、これがすぐに生産されて普及するのは難しいのが現実でしょう。でも近い将来、今よりもヤバい疫病が流行するかもしれないことを考えると、決してファンタジーすぎるとバカにはできないのではないでしょうか?

 

将来的な”ウィズ〇〇”時代には必要となるのかもしれない

またエンタメの現場はさておき、こういった安全性をテクノロジーで担保できるスーツがあれば、今の医療従事者やライフライン系をはじめ、ステイ・ホームできないお仕事につかれている方にとっては絶対に心強いはず。

コロナで死ぬか、経済で死ぬかという二択の話がにわかに囁かれていますが、疫病である限り、長期戦が予想される新型コロナウイルス禍。であれば、こういった”ウィズコロナ”ないしは将来的な”ウィズ〇〇”を安全に乗り切るためのツールも必要になってくるんじゃないかなと。そう考えるとテクノロジーは仮想現実方面に進むよりもフィジカルな分野との融合を目指すことを第一にするべきなのでは?と思ったりもします。

ですのであくまで今の段階では現実的ではないと前置きはしつつも、テクノロジーを駆使してエンタメを楽しむという観点で考えれば、決してなくはない発想なのかもしれません。

余談ですが、この記事を執筆している段階では、こちらを紹介する記事はMixmagのアクセスランキングでは1位になっていました。このことから人がクラブやライブハウスに求めるのはやはり仮想現実ではなく、フィジカルなコミュニケーションが生まれる現場体験だということが窺い知れます。

 

 

レイヴスーツを着用しながら「Sicko Mode」で盛り上がる世界線

これは妄想MAXのよもやま話ですが、もし、今よりもテクノロジーが格段に発展していたとしたら、その世界線ではこのようなレイヴスーツを着込んだクラウドがコロナ時代のコーチェラ2020でTravis Scottの「Sicko Mode」を聴いてブチ上がっている光景が見られたのかもしれません…。それをYouTubeのライブ配信で見る日本のファン…。ちょっとディストピア過ぎますかね?

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そのうち『ブラックミラー』とかでこんな感じのレイヴスーツが登場する近未来の話がでてきそう…。あっ、そういやすでに似たようなスーツを作ってしまっている猛者がいたことを思い出しました。

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アベノマスクよりレイヴスーツ。エンタメ界隈で食っている身としては同じお金を使うならこういうものを開発して配給してくれよと思う気持ちが湧き上がってきます。でも、それは今回以降の疫病対策のオプションとして検討してもらえたらで結構です。

それよりも今は適切な疫病対策を国がまず行い、エンタメ業界に限らず、コロナ禍で苦境に立たされている全ての業界に対する然るべき補償を実施する。そして、国民に対する給付金も10万円給付1回きりといわず、コロナ収束まで継続的に給付金を支払うなり、金銭面から来る不安を払拭するような体制づくりを行ってほしい。自分の立場から言えるのはそんな気持ちでいっぱいだということです。

なお、レイヴスーツの詳細は「Production Club」のサイトで確認可能です。

以上、お後がよろしいようで。

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Reference:
https://mixmag.net/feature/production-club-pandemic-proof-raving-suit
https://production.club/micrashell