早いもので2019年も11月に突入。先日の日中は半袖でも過ごせるくらいの陽気な1日でしたが、夜は急に冷え込みを感じ、遊びに行っていたイベントWARP30周年イベントの「WXAXRXP DJS」会場の5階テラスの寒さといったらもう…。対策としてお酒に強いわけでもないのに赤ワインを3度ほど一気飲みしてしまい、現在は… 激しくそれを公開しています(頭、痛っ)。
OPNみた #WXAXRXPDJS pic.twitter.com/CYaSyTIhwG
— letter music@音楽情報と雑談 (@lettermusicmag) November 1, 2019
しかしながらAphex Twin(エイフェックス・ツイン)の「Peel Session 2(WXAXRXP SESSIONS)」アナログ盤はしっかりとゲット! こちらは会場のみの先行販売モノなので、京都、大阪の「WXAXRXP DJS」に遊びに行かれる方はお見逃しなく。しかもこちら会場でなら通常価格より少しお得な価格で買えるのようなので。
戦利品#WXAXRXPDJS #AphexTwin #vinyl pic.twitter.com/zyWE6l4HXY
— letter music@音楽情報と雑談 (@lettermusicmag) November 2, 2019
Rage Against The Machine再結成とDenzel Curry
ここで話を本題に。そんな「WXAXRXP DJS」の合間にTwitterを見ていたら、自分ら世代にとってはヒーローバンドのひとつと言えるあのRage Against The Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)が来年、2020年春に再結成するというニュースを発見! しかも第一報を報じたのがなんとあのForbes誌のウェブ版だというから面白いこと限りなし。
Yes...it's true...2020...👊pic.twitter.com/8V7juth2Wt
— RAGE AGAINST THE MACHINE (@RATM) November 1, 2019
Rage Against The Machineは、2000年に一度解散し、フロントマンのZack de la Rocha(ザック・デ・ラ・ロッチャ)を除く、もう1人のバンドの中心人物であるTom Morello(トム・モレロ)ほか、リズム隊のBrad Wilk(ブラッド・ウィルク)、Tim Commerford(ティム・コマーフォード)といった3人が故Chris Cornell(クリス・コーネル)をフロントマンに据え、スーパーグループ・Audioslave(オーディオスレイヴ)を結成し、音楽活動を継続。
その間、確かZacは、ソロアルバムが出るとか出ないとかでゴタゴタしていたような記憶がありが、結局、アルバムとしては、One Day As A Lion(ワン・デイ・アズ・ア・ライオン)としてのミニアルバムのみリリースしていたような。でもDJ Shadow(DJシャドウ)とのコラボ曲とか、パラパラと単発単位でのリリースはありましたよね。確か…。
ちなみに私が好きなZacモノは、ドラムンレジェンドRoni Size(ロニ・サイズ)とのコラボ曲「Centre of the Storm」。同曲はRoni Sizeの名盤『In the Møde』に収録されているので気になった方はあせてチェックしてください。
閑話休題。
政治的に重要な局面で復活するRage Against The Machine
そしてオバマ氏がアメリカ合衆国大統領に就任することになる2008年の大統領選の1年前である2007年にバンドはついに再結成。その後、2011年に再び活動を休止しますが、2016年にはまたZacを除く例の3人が今度はPublic Enemy(パブリック・エネミー)のChuck D(チャックD)、Cypress Hill(サイプレスヒル)のB-Real(Bリアル)を迎え、再びスーパーグループ、Prophets Of Rage(プロフェッツ・オブ・レイジ)を結成。
これもドナルド・トランプが就任することになる大統領選のタイミングで始動し、反トランプという政治的姿勢を打ち出しながら活動。アルバム『Prophets of Rage』を2017年にリリースしており、最近も新曲「Pop Goes The Weapon」をリリース。
またライブではRageの名曲もカバーするなど、オールドファン的にも胸アツなパフォーマンスを行なっています。
そして、2020年、再び大統領選を迎えるアメリカで、Rage復活。様々な分断が加速するアメリカ社会に対し、怒りの声を届けるのでしょうか? 今春からツアーを開始することをSNSでも発表しており、なんとその日程にはコーチェラ2020も含まれているという…。しかも先述のForbesによると、どうやらコーチェラでは初日日程のヘッドライナーとしての出演になる模様で、これはおなじみのライブストリーミングが今から楽しみすぎ案件なのであります。
このように振り返ってみると活動休止期間は挟むものの、彼らの政治的なメッセージ、思想を届けるスタンスは結成30年近くを迎えてもブレることなくその肉体と精神に宿っているんだなぁなんてことを感じます。
多分ですが、90年代の日本において、”チェ・ゲバラ”の存在を当時の洋楽好きキッズに強烈に意識させたのは、Rage Against The Machineに他ならないのではないかと。事実、私に関してはそれでチェ・ゲバラのこと知ったし。
コーチェラでRage Against The Machineはどのような形で何をエンパワメントしてみせるのか?
そんなわけで、Beyoncé(ビヨンセ)以降、ヘッドライナーの在り方、ひいてはライブエンターテイメントの在り方が変わったと言われるコーチェラのヘッドライナー枠。
今年もChildish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)が、シュールな演出込みで、彼なりのメッセージ性あるパフォーマンスを披露したことは記憶に新しいですが、来年はある意味政治的なことがわかりやすく明らかなRage Against The Machineがどのようなパフォーマンスで、どのような人々をエンパワメントするのかも注目すべきポイントではないかと、私的には楽しみでなりません。
エンパワメントする対象に関してはバンドの活動スタンスを知っているならある程度、予想はつくかと思いますがどのような形のパフォーマンスという意味では今から興味津々です。ちなみにイギリスではBrexit(ブレグジット)反対の姿勢をとるラッパーのSlowthai(スロータイ)が、それを推進するボリス・ジョンソン首相の”生首”を持ってパフォーマンスするなんてことが最近ありました。
あと今年、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)は、ステージ上をレインボーカラーで彩るなど、彼女がエンパワメントする対象に対してメッセージを送っていたことなどを考えると、Rageはトランプ大統領モチーフの何かをアレするなんて形で政治的なメッセージを発信することもあり得そう。そんなことも頭によぎります。
And that's a wrap! 🎆🌈 #ARICHELLA pic.twitter.com/C8GaHa5VyJ
— Ariana Grande Today (@ArianaToday) April 15, 2019
個人的にはアーティストが様々な社会に対する問題意識を作品に活かすことは良いことでそうするのは自然かと思いますが、"あいトリ"のあの問題に関する某ギャラリストさんのnoteを読んでいると、最近は彼ら自身がプロパガンダ化する必要性はないのかもなぁという考えも結構、腑に落ちるところがあったりもします。
ただ、Rageに関していえば、そういったスタンスはもはや”肉料理には赤ワイン”くらいのお約束ごとという面もあるかと思うので、それはそれでアリだし、彼らのメッセージをコーチェラからどのように世界に発信するのかは非常に興味ありありのありですね。
”ラッパーは現代のロックスター”感溢れるDenzel Curryによる「Bulls On Parade」カバー
え〜、長くなりましたが、そんなRage再結成のタイミングと今年ももうすぐ終わりという冒頭の枕をかけて、お伝えしたかっったのが今年の1月に東京で圧巻のパフォーマンスを見せたラッパー、Denzel Curry(デンゼル・カリー)によるRage Against The Machineの代表曲のひとつ、「Bulls On Parade」のカバーです。
これは、オーストラリアのラジオ局「triple j」の「Like A Version」というアーティストによるカバー曲パフォーマンス企画で、言うなれば、BBC Radio 1「Live Louge」でも行われている恒例のカバーのようなもの。
その「Like A Version」でDenzel Curryが見せる「Bulls On Parade」のパフォーマンスたるや。先述の来日公演でも、完全に”ラッパーは現代のロックスター”を証明するかのようなロックスター然としたパフォーマンスを見せつけた彼ですが、そのバイヴスそのままに「Bulls On Parade」をカバーする姿もこれまた圧巻で素晴らしいの一言に尽きます。
「つーか、Denzel Curryマジ最高」状態なので、ぜひ、非ヒップホップファンではない私と同世代のロックファンの方にも見て頂けたらと思います。
Denzel Curry、Slowthai、JPEGMAFIA、Travis Bakerによるスーパーグループ結成説
そういやDenzel Curryといえば、先述のSlowthaiともコラボ曲「Psyco」を今年9月にリリースするなど親交が深く、さらに鬼才ラッパー、JPEGMAFIA(ジェイペグマフィア)、そして最近はラッパーとの距離を近づけるBlink-182(ブリンク182)のTravis Baker(トラヴィス・バーカー)とも同じように親交が深いようで、彼ら4人でスーパーグループ的なバンドも結成を匂わせる発言も以前、Twitter上でしていたことを見かけました。
Yo I beg we make a band @denzelcurry @darkskinmanson @travisbarker
— slowthai (@slowthai) September 18, 2019
余談ですがすでにDenzel Curry、Slowthai、JPEGMAFIAの3人は先月シドニーで行われたギグで共演しており、こんな感じでフロアを爆アゲしています。
ラッパーのスーパーグループでいえば、今年のコーチェラでは”Gucci Gang”なるあの人たちのグループも出演していましたが、来年はRageも出演することだし、この3人もスーパーグループとして出演してほしいものです。以上、お後がよろしいようで。
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Top Image via NME
Reference: Forbes