Eminem(エミネム)の最新アルバム『Kamikaze』にて、過去の「Eminemの娘、マジエロい」的な発言のせいでラップゴッドの怒りを買うハメになり、激しくディスられた白人ラッパーのMachine Gun Kelly(マシン・ガン・ケリー)。
その彼がかつての自身のアイドルであったEminemからのディスのアンサーとして発表したのが”ラップゴッド”から”ラップデビル”へと闇堕ちしたと揶揄する「Rap Devil」なのですが、Eminemは、それに対してもクリティカルヒット級のアンサー「Killshot」を発表し、見事にディス返し。圧倒的なラップスキルを見せつけ、YouTubeでの公開後24時間以内で3810万回以上再生を記録し話題になりました。
EminemとたMachine Gun Kelly、現状決して埋まることがない差
これはYouTube音楽系動画史上においても歴代3位となるデビュー再生記録だそうで、「Rap Devil」が公開後、2週間経った時点でYouTube再生数が9750万回ほどだったことを考えると数字の面でもEminemの勝利といった感じでした。ちなみにこの記事を執筆している時点での「Killshot」YouTube再生回数は1億5000回以上で、一方「Rap Devil」は1億3600回ほどなので、Eminemが数字の面では勝ってはいるものの、当初考えられていたよりは良い勝負だったのかなとも思ったり。
しかしながら、EminemとMachine Gun Kellyでは、キャリアを通して残してきた実績の差は、もはや決して埋められないベルの開きがあることは、Eminemが「Killshot」でもリリックにしていたとおりで、実際に『Kamikaze』は、初週売上約43万4000ユニットを記録。これは、前作アルバムで『Kamikaze』での全方位ディスのきかっけを産んだ『Revival』の初週売上約26万7000ユニットを大幅に超える記録であり、Eminem復活を大いに知らしめた数字だと言えます。
まあ、Eminemは、『Kamikaze』で9作連続で全米アルバム総合チャート初登場1位を記録しており、それはつまり評論家や同業者のラッパーたちからは酷評されはしたものの『Revival』もEminemにとっては8作連続での全米アルバム総合チャート初登場1位獲得アルバムです。
ですので厳密には一度たりとも落ちぶれてはいないのですが、それでも『Kamikaze』は、近年は見られることがなかったかつてのAlter Ego、別人格のSlim Shady(スリム・シェイディ)帰還的な、というかまさに"カミカゼ・アタック"、特攻レベルで極限の攻撃性を帯びてシーンに舞い戻ってきたという超問題作だったため、そういう意味ではEminemというよりかは、メディアで指摘されている”Slim Shady is back”的表現はやはり正しいのかなと私は勝手に思っています。
そんなEminemの実績のすごさを数字で表したのが下の動画。非常にわかりやすい内容かと思います。
ちなみにEminemは、『Kamikaze』のセールス的成功を受け、同アルバムへの批判をあざ笑うかのような広告をアメリカメディア「Hollywood Reporter 」に掲載。広告の最後には、「応援してくれてありがとよ、クソ野郎どもめ」と強烈な一言も。
Eminem takes full page ad in The Hollywood Reporter featuring negative reviews of his latest album https://t.co/b0B0PVIp8S pic.twitter.com/8H2vBJfNtm
— PRexamples.com (@PRexamples) September 24, 2018
Machine Gun Kelly最新EP『Binge』の初週売上はわずか2万1519ユニット
このようにEminemは、一連の『Kamikaze』旋風を巻き起こしながらもセールス的な成功を収めたのですが、一方のMachine Gun Kellyはというと、9月に新作EP『Binge』をリリースしたものの、初週売上はわずか2万1519ユニットに留まっています。
アルバムとEPという形態の違いはあるとはいえ、少なくとも先述の「Rap Devil」と「Killshot」のYouTube再生回数の差を考えると、残念ながら現時点でのMachine Gun Kellyは、Eminemに噛み付いたことで売名できたラッパーというレッテルを貼られてもおかしくないレベルです。ヒップホップの名門レーベル「Badboy」所属という箔もついているだけにこの結果は非常に残念と言わざるを得ないのかなと。
「Killshot」での口撃が見事に現実に…
また「Killshot」でEminemは、Machine Gun Kellyと自身のこれまでのキャリアを比較し、彼の生涯アルバムセールス数が約50万枚程度だということも口撃。さらに先述の「Badboy」所属ということも指して、同レーベルのレジェンドであるThe Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)や最高峰のラッパーの1人であるJay Z(ジェイ・ジー)と肩を並べることはできないとディスっていたことを考えると、まさにEminemの指摘したとおりの結果だっただけにこれはもう反論の余地なしといった感じです。
この状況、もし、私なら古谷実の漫画『グリーンヒル』に登場するリーダーこと岡ひろみなら、確実に目の前で指をグルグルと回してもらいながら「忘れろ〜」と言ってもらわなければ、もう立ち上がれないくらい打ちひしがれていると思います。ちなみに最近、ベテランラッパーをディスって大炎上を経験したLil XanがMachine Gun Kellyと記念撮影した写真がInstagramに公開されていました。
もしかしたらこの直前にLil Xanに「忘れろ〜」儀式を執り行ってもらっていたのかもとそんな妄想も膨らむツーショットでした。以上、お後がよろしいようで。
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