ヒップホップシーンのレジェンダリーなビートメイカーといえば、今月2/10に命日を迎えたD Dilla（J・ディラ）だということは疑いようのない事実。その影響力は死後も強まる”念”のごときで、最近の人気若手アーティストでもその影響を語る人物も少なくありません。
例えば、今年5月に単独公演や「GREENROOM FESTIVAL’19」出演が話題のサウスロンドンシーンの有望株Tom Misch（トム・ミッシュ）あたりもその影響を公言している人物の1人で、彼のインディーポップ x J.Dilla直系”よれたビート”の相性は抜群。とにかくエモいし、お洒落なわけですが、実は私、ビートメイカーではJ.Dillaよりも彼に匹敵する存在のMadlib（マッドリブ）派なのです。
Mac MillerとMadlibの未発表コラボアルバム『Maclib』
そんなMadlibと去年9月に26歳の若さで急逝したラッパーのMac Miller（マック・ミラー）のコラボ未発表アルバムが何やら存在する可能性があるそうです。これ、朝からクソテンションあがる案件すぎてヤバい。ヤバみが極まっております…。
そのヤバみ極まる音源ですが、これは、昨年8/20にMac Millerをフィーチャーした「Guidelines」という曲を発表したプロデューサーのThelonious Martinが、Mac MillerとMadlibのコラボ音源の存在についてDJ Boothのインタビューにで語ったことによって明らかになったものです。（ちなみに「Guidelines」はMac Millerにとっては生前、最後に発表されたMac Miller関連曲です）
その話によるとどうやら2人のコラボ作はフルアルバムとして存在するらしく、Thelonious Martinと先述の曲をレコーディング時に、Madlibと共作した『Maclib』なるアルバムを持っていたそうです。ちょっと某ファストフードのメニューっぽい名前ですが、むしろそれくらいシンプルな方がコラボアルバムとしては直球すぎてわかりやすい。こういう中坊マインドなネーミングセンスのほうがヤバさが際立つのかな〜なんて思ったり…。
閑話休題。
で、そのアルバムの収録曲ですが、去年の8月にMadlibが出演したシカゴでのイベント時に彼がランダムに数曲プレイ。その際にアルバムとして2人のコラボアルバム『Maclib』が存在していることをThelonious Martinに明かしていたそうです。
『Maclib』リリースの可能性
そんなわけでこの『Maclib』、是非リリースしてほしいと個人的には思うのですが、Madlibは、すでにこの世を去ったアーティストの遺作をリリースすることについては否定的とのこと。そのため、この音源がリリースされる可能性は現時点ではかなり微妙といった感じの模様。確かに最近は、ラッパーの死後の未発表音源リリースは頻繁に行われており、その是非が問われるなどコントラバーシャルな一面も少なからずあります。でもファン的にはやっぱり聴きたいので、こういう場合はファンクラブ限定的な感じで期間限定とか制限を設けてリリースしてくれたらなぁとも思いますよね。
MadlibとMac Millerのかつてのコラボ曲「Piñata」
なお、Mac MillerとMadlibは、2014年発表のFreddie Gibbs（フレディ ギブス）とMadlibのコラボ曲「Piñata」ですでにコラボ済み。
- provided courtesy of iTunes
またFreddie GibbsとMadlibは、同曲が収録されたアルバム『Piñata』に続く、長らくリリースが待ちわびられていた『Bandana』から「Flat Tummy Tea」をつい先日公開したばかり。こちらは12インチ盤もリリースされる予定でカップリングにはアルバムのタイトル曲「Bandana」が収録されるとのことです。
Madlibの『BEAT KONDUCTA』シリーズの思い出
Mac Millerとの『Maclib』リリースはもちろん期待ですが、そもそも私はビートメイカーとしてのMadlibが好きで、昔は『BEAT KONDUCTA』シリーズが大好きで聴きまくっていたので、このコラボはリリースされるかどうかに関わらず贔屓目にみてしまいますねぇ。存在することを知れただけでラッキーってやつですよ。
あっ、最後に余談ですが、『BEAT KONDUCTA』シリーズでは、J.Dillaトリビュートの『BEAT KONDUCTA Vol. 5: Dil Cosby Suite』がオススメです。J.Dilla風ビートはもちろん、彼の声ネタなんかもあったりする、まさにトリビュートという感じの内容なのでとにかくコンセプトがエモいです。以上、お後がよろしいようで。
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