先日、世界中のファンが涙した人気若手ラッパーのJuice WRLD(ジュース・ワールド)の訃報。速報の時点では、地元シカゴの空港に到着した直後に突然、口から血を流し病院に緊急搬送されるも残念ながらそこで亡くなったと報じられていました。
Juice WRLDがライブで披露したXXXTentacion、Lil Peepの2人に捧げた追悼曲“Legends”。
— letter music@音楽情報と雑談 (@lettermusicmag) 2019年12月9日
訃報の後はとにかく心に染みる…
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Juice WRLDの死の原因にパーコセット大量摂取の可能性が浮上
その時は、正確な死因などはまだ明らかになっていませんでしたが、一夜明け、現在はJuice WRLDの死因にこれまでもミュージシャンの死に関わってきたオピオイド系の鎮痛剤であるパーコセットが関わっている可能性が高いと報じられています。
まずパーコセットは、近年、アメリカで乱用が問題になっている慢性痛の治療に使われる医薬品です。ただ、その効果からか常習性が高く、WIREDによる2013年の時点で190万人のアメリカ人がこうした鎮痛剤の依存症だったとのこと。
「薬物治療」と「薬物中毒」の境界が曖昧なパーコセットなどオピオイド系鎮痛剤
またこういったオピオイド系鎮痛剤の問題は”「薬物治療」と「薬物中毒」の境界”が曖昧だというところにあります。実際にLil Peep(リル・ピープ)らに代表されるSoundCloud Rap周辺の若手ラッパーたちはザナックス、リーンのほかにこのパーコセットを乱用しており、彼らのリリックにも度々こういった薬物の名前は登場します。またその影響からか、これらの薬物はそういった音楽のファンの間でも”トレンディなドラッグ”として捉えられていることも少なくありません。(このあたりは、レイヴ期のエクスタシーに通じるところがあるような…)。
ちなみにパーコセットが原因で亡くなった最も有名なミュージシャンといえば、2016年に亡くなったPrince(プリンス)。腰痛をきっかけにパーコセットに徐々に依存。最終的にはその死因は同じオピオイド系鎮痛剤のフェンタニルの過剰摂取が原因になったと考えられています。
Juice WRLDはパーコセットを大量に摂取し所持の証拠隠滅を図ったと報じられる
このようにオピオイド系鎮痛剤の乱用はラッパーに限らず、現代アメリカにおいては社会問題となっています。Juice WRLDも、死の直前にパーコセットを大量に摂取していたという目撃証言があると報じられています。
プライベートジェットで移動中だったJuice WRLDとそのクルーですが、その際に彼らは銃を所持しており、それに気がついたパイロットが通報。離陸先となる空港ではFBI、FAAの職員が機内を捜索するために待機しており、Juice WRLDはその捜索から逃れるために、所持していたパーコセットを摂取することで証拠隠滅を測ったと報じられています。さらにその機内には本のコデインを含む咳止めシロップと、70パウンド(約31キログラム)にも及ぶ大麻も発見されたとのこと。
”イビサのクラバー”レベルじゃ済まないアメリカのオピオイド乱用問題
オリジナルソース元がゴシップ系メディアのTMZの情報のため、どこまで正しいかはわかりませんが、それにしても薬物を摂取して証拠隠滅って…。ほぼ漫画じゃないか…。
大麻をパンツに隠した勝新太郎、MDMAをブラに隠した沢尻エリカ。
伝説的なエピソードがすでにこの世には存在しますが、この行為はそれらのさらに上をいくものに他なりませんね。
日本では今も沢尻エリカの薬物汚染状態が話題になっていますが、ワイドショーはただもっともらしいことを言っているだけで、過剰に煽りすぎというか、個人的にはあくまで”イビサのクラバー”レベルの使い方しかしていない印象があります。その証拠に10年ほど利用しているようですが、ちゃんと仕事してるし。これはピエール瀧にも言えることですが…。
それで逮捕されてキャリアが台無しになるリスク、そして、社会的にもほぼ抹殺されることを考えるとまあ、手を出さないにこしたことはないですね。そっちの方が薬物で廃人になるよりも恐ろしい...。
それよりも実際に薬物中毒を告白し、乗り越えようとしていたJuice WRLDがやはり断つことができずにドラッグが原因で亡くなったほうが事実として重い…。社会問題レベルに慢性化するオピオイド系鎮痛剤の恐ろしさを改めて感じますね。以上、お後がよろしいようで。
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Top Image via DJBOOTH
Reference : WIRED, Hip Hop DNA