8/31にサプライズリリースされたEminem(エミネム)の新作アルバム『Kamikaze』。同アルバムではサプライズリリースされたということや、Beastie Boys(ビースティ・ボーイズ)『License To Ill』のアルバムジャケオマージュも当初から話題になりましたが、最近ではその”全方位型ディス”とも言える内容が物議を醸していたり、収録曲で、日本の曲がサンプリングされたことも話題になるなど、とにかく未だ日々、色々と注目を集めまくっているということから2018年最大級の問題作であり、話題作になったという印象を受けます。
『Kamikaze』という名の全方位型ディスアルバム
その中でもやはり特に注目を集めているのが、先述の”全方位型ディス”。これは、昨年、彼がリリースしたアルバム『Revival』に対して低評価を下した評論家やラッパーに対するものから、BETで伝説的なフリースタイルでのディスを向けたドナルド・トランプ大統領など「おいおい、そんなにディスって大丈夫なの?」と思わず心配するレベルで多方面に向けられており、そのことからEminemは今や”ラップゴッド(Rap God)”ならぬ”ラップデビル(Rap Devil)”だと揶揄されています。
そんなこともあり、個人的にEminemが『Kamikaze』で、一体誰をディスったのかが気になったので、毎度おなじみ歌詞検索サイトのGeniusを始め、海外メディアを色々と閲覧しながらそのアレコレを調べてみました。今回はその中でも個人的に特に気になった曲とそこでのディスや対象者について書いていきたいと思います。
「The Ringer」でディスられたのは…
『Kamikaze』のオープニングを飾るトラック「The Ringer」でディスられているのは、今人気の若手SoundCloudラッパーやマンブルラッパーたち。Eminemは、Lil Yachty(リル・ヨッティー)、Lil Xan(リル・ザン)、Lil Pump(リル・パンプ)らをリリック中名指しでディス。中でも注目はLil Yachtyの件では、Eminemの代表曲「Stan」をなぞらえながら、SoundCloudラッパーたちが好むドラッグ「リーン(lean)」を挙げながら彼らを攻撃している点です。
またLil Xan、Lil Pumpについては、Lil Wayne(リル・ウェイン)のモノマネだとバッサリ。そのほかにもMachine Gun Kelly(マシンガン・ケリー)の略称であるMGK、Lil Pumpの代表曲「Gucci Gang」がリリックとして出てきたり、とにかく今、売れている若手ラッパーに対するディスが目立ちます。その他にはかつて『Revival』を低評価したラジオパーソナリティーのCharlamagne tha Godや、先述のトランプ大統領へのディスもあり。その部分については、"Agent Orange"がトランプ大統領を隠喩していると見られており、その顔色や髪色、ベトナム戦争で使われた化学兵器Agent Orangeのように人々に害するものなどといった意味合いで使われているんだとか。
「Greatest」でディスられたのは…
2曲目「Greatest」のは、8月のMTV VMAでのJ.LO(ジェニファー・ロペス)とのあの代表曲のライブパフォーマンスも記憶に新しいJa Rule(ジャ・ルール)。Ja Ruleはかつて「Loose Change」でEminemをディスっている因縁の相手。同曲では”Eminemの母親は麻薬常用者、元妻(Kim Mathers)はヤリマン、娘のHailieは大人になったらどうなるんだろうな?”とボロクソに彼の家族をこき下ろしています。(普通に考えてこのディスは酷いので、Eminemが憤る気持ちもわからんでもない)また南アフリカのアヴァンギャルドなエレクトロラップユニットDie Antwoord(ダイ・アントワード)に対するディスもあり。
「Not Alike」でディスられたのは…
Royce da 5’9”(ロイス・ダ・ファイブ・ナイン)をフィーチャーした8曲目では、最初のリリックからあれなんか聴いたことがあるフレーズが…と思った人も少なくないのでは? そう、同曲でEminemは、Migos(ミーゴス)の大ヒット曲にして代表曲の「Bad and Boujee」をネタにしているのです。
その冒頭の部分では、その曲のリリックもフローもあえて似せることで、Migos始め、マンブルラッパーたちをでディス。特に冒頭、「Bad and Boujee」のコーラスに出てくる「Raindrop」を”Brain dead”に置き換えているところが、なんとも嫌らしく超悪意を感じる部分。そのフローの感じというかすでに声からしてちょっと半笑いっぽい様子でレコーディングしている様子がなんとなくイメージできるところが、大分ヤバみですね。
他に再びMachine Gun Kellyを痛烈にディス。同じ白人ラッパーとしてEminemのことを尊敬していた彼ですが、2012年にEminemの愛娘Hailie(ヘイリー)について「マジクソそそるぜ」的な発言をしたことで、その娘に対する溺愛ぶりから、Eminemのラジオ番組「Shade 45」出禁のお達しを出だされるハメになるという因縁が2人にはありました。
そして、今回のことでMachine Gun Kellyは、Eminemのディスに対するアンサーソング「Rap Devil(Eminem Diss)」を公開し反撃を開始。内容的にはEminemの「My Dad’s Gone Crazy」、「The Real Slim Shady」を引用しながらディスっているのですが、さりげなく先述の「娘マジクソそそるぜ」発言についてもいつまでも根に持ってんじゃねーよと口撃。先輩ラッパーをリスペクトするけど、今回の子供じみたイジメみたいなくだらないディスは自分はしないと反論するしています。
あと個人的にもっともパンチラインだと感じたのは、Eminem主演の映画『8 mile』を引用した”Last time you saw 8 Mile was at home on a treadmill”という部分。最後にお前が『8 mile』を見たのは家のランニングマシンの表示だろうよ」と、ロートル扱いするところが非常に攻撃的だと感じました。
またMachine Gun Kellyは、Eminemのディスに対するアンサーについて、若い世代のために立ち上がった、自分の側ではまだ人生は続いていてリアルなことが起きている。だから自分の活動よりも昔の自分のアイドルから自分のことを守らなければならなかったんだよ、ラップデビルさんよ!」とTwitterでコメントしています。
im standing up for not just myself, but my generation. im doing the same shit you did back in ur day. life is still real on my side, and i had to take time from the grind to defend myself from someone i called an idol. love, Rap Devil.
— 😈 (@machinegunkelly) September 3, 2018
そんなMachine Gun Kellyですが、最近ニュージャージーで行なったライブでは、ご当地NHLチーム「ニュージャージー・デビルス」の試合用ユニフォームを悪魔を表す”666”という背番号にした”ラップデビル”仕様にカスタムしたものを着用しています。
ちなみに2人の因縁が生まれるきっかけになったEminemの愛娘Hailieですが、最近Twitterで成長した姿が公開されていました。どことなく若かりし頃のEminemを彷彿とさせる容姿でありながらも確かに美女に成長しています。
Eminem’s daughter is all grown up, I feel old now 😂 pic.twitter.com/GUrwPQJqDR
— 24/7 HipHop News (@BenjaminEnfield) August 28, 2018
きっとEminemが日本人なら、「お父さん、僕に娘さんをください!」と結婚を申し出た場合、どやされて追い返された挙句、塩を撒かれるんだろうな...と思いました。
追記:Eminemが「Rap Devil」に対するアンサー曲「Killshot」を公開しました。こちらもMachine Gun Kellyをメッタ斬りに容赦のないディスの嵐となっています。
「Kamikaze」でディスられたのは…
9曲目でディスられたのは、今年、Pusha T(プシャ・T)との壮絶なディスりあいラップゲームを繰り広げたDrake(ドレイク)。この曲でEminemはチャートを独占するラッパー、シンガーだが、まだ自分の方が上だ的なことをラップ。予てから噂されているDrakeのゴーストライター疑惑を揶揄したりもしています。
またかつてDrakeが2009年のHOT97で携帯電話に入れたリリックを見ながらフリースタイルラップを行なっていたことに対するディスを含まれているとGeniusでは指摘されています。
「Fall」でディスられたのは…
10曲目「Fall」でディスられたのは、Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)。おそらくこれが昨今のポリティカルコレクト的な観点から見ても『Kamikaze中」1番の問題曲として大炎上したものではないでしょうか? その理由は、以前、Eminemの『Revival』を批判したTyler, The Creatorを同性愛者として侮辱する内容で、差別的だと多くの人が捉えたためです。
Tyler, The Creatorは、2017年にリリースしたアルバム『Flower Boy』で同性愛者もしくはバイセクシャルを公言したのではないかと考えられていました。
またEminemは、以前から同性愛者に対して差別的だという批判が少なからずあり、2013年の「Rap God」でもゲイ差別用語として捉えられている「Faggot(ファゴット)」を使用し、批判されていたこともあります。
その表現について彼は、以前、バトルラップにおいては、相手を罵るために昔から使っていた表現であり、同性愛者への差別的な意味は込めていないとコメントをしていますが、「Fall」でその言葉を使用したことはTyler, The Creatorを絡めているため、明らかに侮蔑的な意味で使用していると多くの人々が捉え、非難しています。
中でも同曲にソングライター、ゲストボーカルとして参加したBon Iver(ボン・イヴェール)のJustin Vernon(ジャスティン・ヴァーノン)は、同曲の参加については、同じくソングライターとしてクレジットされているBJ BurtonとMike Will Made It(マイク・ウィル・メイド・イット)とのセッションのためにスタジオ入りしたものであり、元々はEminemのためのものではなかったことを暴露。
Was not in the studio for the Eminem track... came from a session with BJ Burton and Mike Will. Not a fan of the message, it’s tired. Asked them to change the track, wouldn’t do it. Thanks for listening to BRM https://t.co/E0wmt732ty
— blobtower (@blobtower) August 31, 2018
さらにリリックの内容に問題があると感じたため、トラックを変更するように頼んだが聞き入れられなかったことも明かしています。またEminemに対し、彼が最も優れているラッパーの1人であることは間違いなく、尊敬もしているが、今は若者を批判したり、誹謗中傷する時ではないとコメント自分が間違っていたこと、今はこのトラックをなかったことにしたいという心境にあることを告白しています。
Eminem is one of the best rappers of all time , there is no doubt. I have and will respect that. Tho, this is not the time to criticize Youth, it’s the time to listen. To act. It is certainly not the time for slurs. Wish they would have listened when we asked them to change it
— blobtower (@blobtower) August 31, 2018
I was wrong and we are gonna kill this track
— blobtower (@blobtower) August 31, 2018
確かにひと昔前のラップの世界、マッチョであることが正義のような、それこそ『8 Mile』のような時代ならこういったことはなんとなくその世界の常識として暗黙の了解的にまかり通っていたかもしれません。しかし、現在は多様性を認め合う社会になっているため、こういったことはポリティカルコレクトとして正しくないと捉えられる時代です。
興味深いのはThe Gurdianがこの問題について、Eminemは、自分よりも後輩でもKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)やJ Cole(J・コール)のようなタイプのラッパーのことは評価するかもしれないが、その2人はそういった差別用語を使う必要はないと感じている。現にKendrick Lamarは、暴力や差別の対象になりやすい人間よりも、人種差別主義者や腐敗した政治家たちを告発することを目指していると指摘している点です。
昨年、ハリウッドで起きたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題をきっかけに起きた女性に対する暴力、差別問題もそうですが、これまではある種の武勇伝的(そういうと語弊はありますが裏の男性同士の会話的な意味で)でなんとなく目を瞑っていたことが、今では価値観として間違っている、絶対的に悪いという風潮に変わっていることは多々あると思います。
もちろん、いつの時代も女性に対する暴力、人種差別、同性愛者差別は忌むべきことですが、それが表面的には今ほど問題視されることがなかった時代も、歴史を振り返ってみると少なからずあるかと思います。ですので、「Faggot」使用に関するEminemの言い分のように確かにそれはかつてはある状況においては問題ではなかったのかもしれません。しかし、今の時代、2010年代後期における社会の価値観からするとどう言い繕ってもアウト。そういった社会の価値観に準じていくことは、現代のアーティストにとって、人として踏み越えてはいけない一線的な、人道的な意味でのコンプライアンス遵守のようなものなのかもしれません。
ちなみに最近、公開されたばかりの「Fall」のMVでは、Eminemが最後に悪魔に魂を乗っ取られ、ラップデビル化するシーンがラストカットになります。その様子が海外ドラマ『スーパーナチュラル』に登場する悪魔に身体を乗っ取られた人物を彷彿とさせるため、ちょっとパロディっぽいなと個人的には感じました。
追記:「Fall」でのTyler, the Creatorへの同性愛者に対する差別用語である「Faggot」使用したディスに対して、Eminemは自身のYouTubeチャンネルで公開したSwayとの対談にて謝罪。すでに報じられているとおり、『Reviaval』への批判を行ったTyler, the Creatorを当時は非常に腹ただしく思っていたと語るも今回の「Fall」でのディスは、彼をディスろうとして他の多くの人々まで傷つけることになったと自分のディスが行きすぎていたことを認めています。また元々、Eminemは、彼の活動はクールだと思っていたと明かし、自分へのリスペクトもあると感じていたと語っています。
「敗北より死」と最終兵器"Slim Shady"
それから察するにやはりEminemは、すでに多くの評論家、メディアが指摘するように、全部覚悟の上で、この名前通りの特攻アルバム『Kamikaze』を作ったのでは? と思わずには入られません。
同アルバムのジャケットのメインカットでは確かにBeastie Boysオマージュなのですが、そのジャケカットには続きがあり、日本語で「敗北より死」というメッセージが加えられた自爆する飛行機のカットも存在します。これは勝手な想像ですが、本家神風特攻隊と同じく、今回の全方位型ディスはおそらく批判されることはわかった上で、最近の人気ラッパー、評論家たちという今のシーンを動かす”権力”や”権威”的なものに対して、自分の中での最終兵器彼女ならぬ、最終兵器"Slim Shady(スリム・シェイディ)"を召喚することによって、まさに先述の「敗北より死」という言葉どおりの突撃を試みたのではないでしょうか?
前作アルバム『Revival』は、ラッパー、評論家筋からの評価は低かったものの、事実、全米チャートでは1位を獲得している作品であり、Eminem的にも大ゴケしたアルバムではありません。
しかしながら、自らラップの神を自称するほどのスキルや高度のヒップホップIQの持ち主であるEminemが、これまで世界中で1枚1枚CDアルバムを売り、築き上げてきたラップスターの地位に10~20代そこそこの若手が、SNSでの爆発力を武器に、”Gucci Gang”を連呼したり、大して意味がないマンブルなラップで自分と同じ地位に付いているのを苦々しく思う気持ちもわからなくはないなと思います。
柔軟にそれが時代の流れだと受け入れることができるならそれはそれは良いのでしょうが、孤高のスターの気持ちはやはりその地位にいる人間だけのものでしょうし、色々と葛藤もあるのでしょう。その気持ちの表れが前作の「Walk On Water」だったりするのでしょうが、そういった弱気な部分を見せたら逆にディスられるという結果になったので、じゃあ、もう徹底的に潰してやるよという気持ちになっても決しておかしくはないのかなと。
ちょうど、最近の歴史漫画『センゴク権兵衛』109話で、豊臣秀吉が落首事件をきっかけに闇落ちしてそんな心持ちになっていたので、自分の中でそういうような考えが浮かびました。
『花の慶次』的”漢の散りざま”と見るか、ただの老害と見るか
これは完全に勝手な憶測ですが、そういったことを踏まえて考えるとこれまでEminemとはなんの因縁もなかったストリーミングで爆発的なヒットを生み出すDrakeやLil系も今回のアルバムでのディスの対象になったのではないでしょうか?
それについてはかつてのサッカーW杯予選で台頭する中田から強引にフリーキックのキッカー役を奪った三浦カズの姿が浮かんでしまいます。
Eminemの神風アタックは、現在も絶賛物議を醸しており、死に花を咲かせるような『花の慶次』的”漢の散りざま”と見るか、ただの老害と見るかは世代によって変わってくるのかなと思います。本当のところはどうなんでしょうね? 今回の『Kamikaze』についてEminem本人の口から真意の程がガッツリと語られるドキュメンタリーなり、インタビューなりがマジで近いうちに公開されてほしいところです。
話題になった宇多田ヒカルサンプリングは実は勘違いだった件
なお、最後に余談となりますが、『Kamikaze』については、全方位ディスの他にも、収録曲の「Good Guy」で使用されたサンプリングネタが宇多田ヒカルの「Simple and Clean」だと報じられたことでここ日本では騒がれた印象があります。
これについては同曲のプロデューサーのillaDaProducerがインタビューで『キングダムハーツ』のテーマ曲をズタズタに切って加工して使ったと発言したことがきっかけになっていますが、実はその曲のサンプリングネタは、アニメ『東京喰種トーキョーグール』の劇中曲「Glass Sky」。
その作詞家の胡麻本りさ、NORIO JOSEPH AONOと作曲家のやまだ豊がライターとしてクレジットされているのですが、インタビューでも日本のアニメ、ゲーム愛好家であることを明かしていたillaDaProducerは、現在、インタビューでの『キングダムハーツ』サンプリングネタ発言は、記憶違いによる間違いで「Glass Sky」と混同していたとTwitterで発言を訂正しています。
It’s actually Glassy Sky from Tokyo Ghoul. I got it confused with another beat I did in which I used Kingdom Hearts theme. You guys got the exclusive hahaha
— illaDaProducer (@illaDaProducer) September 4, 2018
『Kamikaze』という日本語タイトルとジャパニメーションが意外なところで繋がった作品ではあるのですが、これだけ物議を醸すものになると、サンプリングされた側の日本人クリエーターも少々複雑な気分ではないでしょうか? 今後のディスに対するアンサーの行方も気になりますが、私的には「Glass Sky」制作陣によるコメントなんかも発表されないかな~などという野次馬根性も起こっております。以上、お後がよろしいようで。
追記:
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Top Image via Eminem
Source:
https://www.nme.com/blogs/nme-blogs/people-eminem-disses-surprise-album-kamikaze-2372804
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https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/features/eminem-kamikaze-new-album-tyler-the-creator-track-gay-slurs-retirement-a8516806.html
https://twitter.com/HotNewHipHop/status/1036622477919580161
https://genius.com/Machine-gun-kelly-rap-devil-lyrics
https://genius.com/Ja-rule-loose-change-lyrics
https://en.wikipedia.org/wiki/Faggot_(slang)
https://en.wikipedia.org/wiki/Revival_(Eminem_album)
https://www.rollingstone.com/music/music-news/eminem-kamikaze-slim-shady-producer-718242/
https://genius.com/a/eminem-s-good-guy-samples-japanese-anime-composer-yutaka-yamada
https://www.rollingstone.com/music/music-news/watch-eminem-outrun-internet-demons-in-new-fall-video-718954/