Lo-Fi HouseやRaw Houseと呼ばれるジャンルが世に現れて早数年。この手のジャンルの有名どころと言えば、DJ Haus周辺かL.I.E.S.になるかと思います。
ジャンルの特徴をざっくりと説明するなら、ハード機材、つまりアナログシンセや、ドラムマシーンで作りあげているという点で、今の人の耳で聴こえないような高音域の音まで出せるPCベースの音に比べ、Lo-Fiな音質の音楽という感じでしょうか。
そのシーンの寵児の1人が6/1に東京で来日公演を行うUK・ロンドンを拠点に活動するDJ Boring。正直なところ、まだまだ一般的には知られていない存在ですが、昨年リリースした”とある曲”でいきなり世に出てきた感があるアーティストです。
ネットを介してヒットしたWinonaをきっかけに
彼が世に出てくるきっかけとなった曲は「Winona」という曲。これは、Lobster Thereminからのリリース「Season 1 EP」がスマッシュヒットとなったDJ Seinfeldのリリースなどで知られる「E-Beamz」というRaw House界隈では人気のレーベルから昨年リリースされたMAGMAというアーティストとスプリットでリリースされたEPに収録されたものです。
感の良い方はすでにお察しのとおり、「Winona」のWinonaとはハリウッド女優のウィノナ・ライダーのことで、実際に曲にはウィノナ・ライダーの声ネタが使われています。
タイトル、声ネタの情報だけ見ると、悪ふざけ感満載なのですが、この曲、一聴すると非常にカッコいいDeep Houseで、先述の悪ふざけ要素も一気に吹き飛ぶほどなのです。
そんなこの曲に目をつけたのが、Raw House風味強めの曲を探すならココ!という感じで人気のYouTube音楽チャンネル「slav」。(キュレーションされている曲はどれもイケてますので、是非1度覗いてみることをオススメします。)
「Winona」はそこにアップされたことに寄り、瞬く間に人気曲となり現在では150万回以上の再生数を誇っています。それもやはりクオリティーあってのことなのでしょう。その証拠に「slav」にアップされている曲は渋センながら、どれも良質なのですから。
とは言え、まだまだ謎が多いDJ Boring。気になって調べていたら高感度カルチャーマガジンi-Dによるインタビュー記事を発見。それによると、トラックメイキングのキャリアは16歳ごろからスタート、影響を受けたアーティストは、Animal Collective、Qua、Ratatatだそうで。
また、最近気になるアーティストとして、先述のDJ Seinfeld、Fritz Wentink、Hymnsの名前を挙げています。さらに、ベタな質問だとは思いますが、「好きなウィノナ・ライダーの映画は?」という質問に対し、「ビートルジュース」と回答。「リアリティ・バイツ」や「シザーハンズ」じゃないんだね…
ちなみに、DJ Boringはこの特集に際して約1時間のDJ MIXも提供。Lo-FiからVocal Houseまでといった内容になっているので、気になる人はチェックしてみてください。
それと昨年亡くなったGeorge MichaelのトリビュートRemixが現在もSoundcloudからフリーダウンロード可能です。こちらMP3でなく、Wavで落とせますので、併せてどうぞ。
来日公演はCircus Tokyoにて
気になっていた人も少なからずいるはず。そんな存在がDJ Boring。昔のGoo Goo Dolls的な呼び方をすれば、”有名な無名アーティスト”という感じの彼、その”ディープ・ハウスや90年代へのオマージュを醸し出すVaporwave以降の現行ハウス”を感じるとされるプレイが披露されるCircus Tokyoでの公演が楽しみですね。ちなみにエントランスは1000円ぽっきり。お札を1枚握りしめて足を運んでみましょう。ちなみにイベントは20:00からスタートとのこと。
6/1(木)CIRCUS BAR feat. DJ BORING at Circus Tokyo
LINEUP:
DJ BORING from UK
DJ traffic
DJ YMO®︎
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DOOR: 1000yen
Info: https://www.facebook.com/events/229206097562995
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Source: i-D
Top image via DJ Boring Facebook