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DEAN FUJIOKA初アジアツアーで披露された生Echoに感動、東京公演初日を振り返る

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3/30に東京・NHKホールで行われた公演をもって、初のアジアツアー『DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”』国内ツアーを終えたDEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)。その前日、3/29に行われた東京公演初日に遊びに行ってきました。

 

DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”東京公演初日を振り返る

今回のツアーは、1月末にリリースされた最新アルバム『History In The Making』を引っさげてのもの。日本以外に香港、台湾での単独公演や上海での追加公演も決定しているDEAN FUJIOKAにとっては初となるアジアツアーで、いちファンにすぎない私ではありますが、勝手にドキドキ。その日を楽しみにしていました。

 

『History In The Making』は、DEANさんが前作アルバム『Cycle』以降に制作してきた順に収録されており、まさにポスト『Cycle』期のミュージシャンとしての成長の記録を綴った、DEAN FUJIOKAの音楽史を辿る内容になっていることは、すでにファンの皆さまはご存知のとおりかと思います。

History In the Making

History In the Making

  • DEAN FUJIOKA
  • J-Pop
  • ¥2400

 

「Permanent Vacationで幕開け、生演奏されるEDMを感じる

そんな最新アルバムに収録された新曲を生で聴けるチャンスとなった今回のツアー。私が遊びに行った東京公演初日のオープニングを飾ったのは先述のアルバムにも収録されている「Permanent Vacation」。EDM以降のフューチャーベーススタイルのこの曲はライブの幕開けにはやはり最適だなと改めて思いました。

個人的にはEDM系の曲をDJではなく、ライブセットで表現する形のライブにはあまり、遊びに行ったことはなかったのですが、DEANさんとバンドメンバーによるパフォーマンスは、EDMライブバンドのODESZA(オデッザ)を彷彿とさせるエレクトリックサウンドとバンドのケミストリーを感じるもので相当クールでした。いやはや、今度、こういうEDM系のアーティストが来日したら是非ライブに行こうと思わされるというか。ちょっと自分の中ではそういったきっかけを与えてもらったという感じです。

youtu.be

 

ライブでは、音源としてリリースされているものとはまた違うライブならではのアレンジが加えられていることを本人がMCで宣言。私は、DEAN作品に触れたのがほかのファンの人に比べると遅く、「Echo」以来のため、『Cycle』は後追いで聴いた身なのですが、ライブ序盤のハイライトのひとつだとおもったのが「Thirsty」から始まった先述の前作を振り返るメドレー。ここで一気にライブのドライブがかかったなぁという印象を受けました。

Cycle

Cycle

  • DEAN FUJIOKA
  • ロック
  • ¥2100

神秘的ですらあった「Accidental Poet」

そこからはまた『History In The Making』モードに突入。『僕の初恋をキミに捧ぐ』の主題歌でもある「Maybe Tomorrow」、ラップパートありの「Unchained Melody」が続きましたが、今回のライブでもっともグッときたのが、「Accidental Poet」披露の場面です。

youtu.be

この曲は他の曲に比べるとボコーダー系のエフェクトを駆使しながらも言ってしまえば、アカペラ主体の曲です。ただ、それだけに曲が歌声が楽器的にも感じられるもので、『History In The Making』なかでは最もアーティーかつエクスペリメンタルだと思っています。またこの曲は、DEANさんのインドネシアの盟友的プロデューサーのDJ SUMOとの作業の中で生まれたものであり、曲名のそこに由来があるということはファンの方はすでにご存知のことでしょう。

ただ、なぜ私がこの曲がアーティーかつエクスペリメンタルだと思ったかというと、実はこれ、私が好きなアメリカの実験電子音楽系のプロデューサーOPNことOneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)が去年リリースしたアルバム『Age of』収録曲「The Station」、「Black Snow」を彷彿とさせるから。声を楽器的に活かすというのもエレクトリックミュージックの要素をふんだんにとりいれた『History In The Making』ならではだなと思っています。またその時の静けさから始まり、声が響き渡っていく様子も観客席から見ていてとても神秘的なシーンに思えました。

Age Of

Age Of

  • ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
  • エレクトロニック
  • ¥1500

会場がひとつになった「DoReMi」と「History Maker」の壮大なストリングスに感動

話は後半に移って。こちらではご本人もMCで口にしていた「平成最後のパンクメドレー」として、「Newspaper」、「Banana Muffin Blues」を荒々しいディストーションと疾走感溢れる感じで披露。まさにパンキッシュという感じで突き進んだパートだったかと思います。

続けて会場にピンクのペンライトの光が映えた、この時期の新生活応援ソング「Sakura」、言葉遊びと一時のDrake(ドレイク)を思わせるトロピカルなトラップ「DoReMi」では、曲にあわせてみんなで踊るためのレクチャータイムもあり、会場の一体感が増したと思います。ちなみに私はリズム感があまり良くないのか、身体が硬いのか、若干フリが遅れがちでした。あと、「History Maker」の壮大なストリングスに感動。やはりライブで映えますね。頭の中に『ユーリ!!! on ICE』がバッチリ浮かびました。

youtu.be

 

ライブのハイライトは「Echo」

で、ですよ。やっぱりライブのハイライトは「Echo」。『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』でのモンテ・クリスト・真海とこれまでテレビの音楽番組で披露されていたシーンが高速フラッシュバックして、なんかもう本当にかっこ良かったし、感動しました。やはり初めての生で見る「Echo」、かつバンド編成で披露されるWave曲だけあって、なるほどライブだとこういう感じなんだ! とメチャ興奮しました。

youtu.be

そこからのアンコールでは「Legacy」、DEANさんの故郷に寄せたメッセージ的曲「FUKUSHIMA」、「My Dimension」で”Fin”。

今回、ミュージシャン”DEAN FUJIOKA”のライブに初めて参戦して思ったのは、DEANさんはステージ上のあらゆる所作が美しい。というのもステージには両脇にモニターが配置されていて、そこに彼の表情が映し出されるわけですが、そこでの観客席に向ける視線なんかもやはりそこは俳優としての面もうまくステージパフォーマンスに取り入れるというか活かされている気がしました。

 

『History In The Making』はEDM以降のベースミュージックのトレンドをJ-POPのメジャーシーンに持ち込んだ革新的音楽作品

それと『History In The Making』で見せたEDM以降のベースミュージックのトレンドの取り入れ方とその鳴りをライブ会場で改めて確認しました。同アルバムにはフューチャーベース、トラップ、Waveといった現行のクラブミュージック、エレクトロニックミュージックの最新モードの要素がふんだんに取り入れられています。そういった要素をJ-POPのメジャーシーンで行なって見せるのはやはり革新的で、特にまだアンダーグラウンドなWaveをそれらと一緒に取り入れたのは、J-POP的には良い意味で事件だと思います。

そういうことはこれまでに散々書いてきたのでアレですが、以前、どこかのメディアにJ-POPを低音で変えた的な記事が掲載されていたのを見かけました。それがなるほどな〜という内容だったので、気になった方はググって頂けたらと思います。(諸々うろ覚えですいません)。

最後に余談ですが、DEANさんのライブでのバンドメンバー紹介がブロードウェイみたいでめちゃ良かったです。ものすごくショーマンシップに溢れていました。それと例の「世界で一番飛べるのはディーン・フジオカのダブステップ」コールもあって、それが出てきた時は、一瞬吹き出しそうになりましたが、最終的にはみなさんと一緒に「世界で一番飛べるのはディーン・フジオカのダブステップ」と叫んだのも良い思い出です。以上、お後がよろしいようで。

 

 

『DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”』2019/03/29(金)セットリスト

01 Permanent Vacation
02 Speechless
03 S.O.F.
< Medley >
04 Thirsty
Midnight Messenger mabanua Remix
Mr.Taxi
Sweet Talk
April Fool

05 Maybe Tomorrow
06 Unchained Melody
07 Accidental Poet
08 Hope

< Medley >
09 Newspaper
Banana Muffin Blues
Showdown
Priceless

10 Sakura
11 DoReMi
12 Let it snow!
13 History Maker
14 History In The Making
15 Echo

En1 Legacy
En2 Fukushima
En3 My Dimension

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