このベースが地獄だねと君が言ったから5月2日はCRZKNY記念日
と、妄想の中である歌人が詠んだ、昨年、5月2日に東京は渋谷Gladで行われた最狂の3枚組アルバムと名高いCRZKNY『MERIDIAN』リリースパーティーから1年を経て、再びCRZKNYが、今年5月2日、東京に降臨。代官山Unitにて地獄の扉を開くかのような超絶怒涛のライブパフォーマンスを行いました。
5/2 の仕込みでまた鼓膜飛びそうになった
— CRZKNY (CrazyKenny) (@CRZKNY_JP) 2018年4月28日
良い極低音出せる予感🤗😇🤗
CRZKNYが開く地獄の扉
そのイベントは、PANやBig Dadaといった海外の名門レーベルからリリースするVisionistの来日オーディオビジュアルライブイベントだったのですが、そこに出演していたCRZKNYがやはりというか、凄過ぎて…。
Unitと言えば、東京のベースミュージックシーンをこれまで牽引してきた名イベント「DBS」の本拠地でベースミュージックファンにとっては馴染みの箱なのですが、そのライブ当日もDBSでおなじみの洗練された重低音を鳴らすBROAD AXE SOUND SYSTEMを導入。つまり低音が地獄の鬼のように唸るセッティングが施されていたわけでして。それだけに期待しかない展開でした。
VISIONIST + PEDRO MAIA、サウンド&ビジュアルチェック終了。本人、Broad Axeのシステムだいぶ気に入ってました!そして現在CRZKNYがサウンドチェック中。低音が笑っちゃうくらいヤバい!今夜は耳栓推奨で!!笑 pic.twitter.com/TZzZU9z5Cs
— UNIT (@UNIT_daikanyama) 2018年5月2日
実際のところ、私は仕事の都合で気になっていたPhewのライブには間に合わず、会場に着いたのはちょうどCRZKNYのライブが始まったぐらいのタイミングでした。しかし、Unitに遊びに行ったことがある方はご存知かと思いますが、あの長い階段を降って地下に降りている段階から、もはや暴力的でしかないほどの狂おしくうごめくような低音が聴こえており、その地下への道程はもはや地獄の底に落ちていくかのようでした。
そして、地獄の扉 aka その日のUnitの地下フロアの扉を開いた先に広がっていたのは、言うまでもなく、CRZKNYが巻き起こす一大最狂地獄重低音スペクタクル絵巻。文字通り、精神的なものだけでなく、肉体的にも胸を押し付ける、息苦しくなるようなベースは、地獄以外の言葉で表現できないといった感じでした。
ただ、もちろんベースの鳴り方はある意味、生命の危険を感じるレベルになっていたのですが、少し引いてみるとVJのrokapenisのアーティーな映像もあり、質実剛健なその低音ライブセットはアートギャラリーで展示されるコンテンポラリーアートのようでもありました。そのため、地獄運動会さながらのカオスなライブも別角度から見るとこれもアート也といった感じで、それを提供できるCRZKNYのアーティストとしてのすごさを改めて目の当たりにしたなと。
「抱きしめたり」とガバキックに胸を焦がす
そんなライブの中で個人的にアガったポイントをいくつかあげるとまず、昨年の”冬のCRZKNY祭り”期にリリースされたサニーデイ・サービス「抱きしめたり feat. CRZKNY」。
「街、夏〜」といった歌詞から始まるあの曲のベースが増強されまくりすぎて、もはや歌声をその音圧でかき消してしまうかのように鳴る様子は、1周回って歌詞が表現するある種の叙情性に則ったものだと思わされるという摩訶不思議な感覚に陥りました。
CRZKNY、最高に地獄すぎて最高だった pic.twitter.com/Zq2QOhQJoq
— letter music(new account) (@lettermusicmag) 2018年5月2日
そして、終盤の最新アルバム『GVVVV』収録の地獄のガバ曲が鳴った瞬間はやっぱりヤバかったなと。先述のとおり、アート作品を鑑賞しているようなある意味高尚な感じすら漂っていた会場の雰囲気が、耳と身体に響く分厚いガバキックのおかげで一転して、レイヴィーな感じに。たちまち会場では歓声が起こり、これを待ってました感がものすごかったです。
もちろんそれは私も同じで、その時は確実にかのハイファッションブランドDior Hommeが、BGMにGabber Eleganzaを採用したキャンペーン動画が頭の中でリフレインしまくり状態に。そのキャンペーンでも存在感を発揮していたDepeche Mode(デペッシュ・モード)のDavid Gahan(デヴィッド・ガーン)とHakken Danceする若者の姿が無限にイメージとして広がっていくかのようでした。
というわけで前半の地獄コンテポラリーアート観賞スタイルから後半の地獄で狂気なレイヴスタイルという流れという巧みな流れで会場をロックしたCRZKNYの今回のオーディオビジュアルライブは、地獄度も満足度もMAXでした。次はCRZKNY x rokapenisコンビをmutek.jpなんかで観てみたいものです。そして、来年の5月2日、CRZKNY記念日にも今から超絶期待だなと思いました。
カレーを食べてノイズを浴びる祝祭
なお、CRZKNYは、今年のGW最終日となる本日5月6日、広島クラブクアトロにて開催される「カレーを食べてノイズを浴びる祝祭」と銘打たれた狂気以外の何物でもないイベント、その名も「カレーとノイズとNHK?」にご出演とのこと。最後の”NHK” ってなんだと? と一瞬思わされますが、NHKとは”Noise Hiroshima Kickass”という意味だそうです。
明日クアトロ、ノリでちょい出演🤗
— CRZKNY (CrazyKenny) (@CRZKNY_JP) 2018年5月5日
広島でCRZもうないかもだから
C’mon😇 pic.twitter.com/0W8OUVFo9X
出演陣で注目は、現在、もっともライブハウス、クラブで電力を喰うユニットと称されるユニットVMO。最近YMO「ライディーン」のヤバすぎるカバーをリリースした話題のユニットと、その例の曲でビートメイクを担当したCRZKNYの共演は見ものだと思います。
嗚呼、広島にワープできない自分がもどかしい… ですので、中国地方の方、もしくはGWで広島滞在中の方は私の代わりに是非とも会場に足を運んでいただければと。
最後に例のUnitのヘッドライナーのVisionistのAVセットもさすがにカッコよかったです。エレクロニックミュージック系のライブはやはり、映像付きだと音のみの時とは違った魅力があるなと思わされました。当たり前と言えば当たり前なのですが…。
とりあえず今回の総括として言いたいことは、CRZKNYはヤバい。それに尽きる。以上、お後がよろしいようで。
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