letter music

日々更新される音楽情報を雑談を交えて文字化するWebzine

カルロスひろしとやなぎトライブが奥の細道を通り青い夏を告げるDJ Mix紀行『青夏』が素晴らしすぎる件

f:id:fantasydub:20180530222401j:plain
毎度のことですが、その卓越したDJセンスと選曲スキルで掲げたテーマに沿った最高のDJ Mixをドロップし続ける謎のDJ、カルロスひろしが、4月の90s日本語ラップで夏を表現した『中央分離帯でGOODNIGHT』に続き、もう1人の謎のDJことやなぎトライブと再タッグ。青い夏をテーマにしたDJ Mix『青夏』を公開しました。

カルロスひろしとやなぎトライブが奥の細道を通り青い夏の訪れを告げる

この新作Mixの冒頭を告げるのは、現在はS/名義で活動するFKA Soccerboy(かつてSoccerboyと呼ばれた存在)による、あの俳聖松尾芭蕉の「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也〜」で始まる『奥の細道』を引用したナレーション。それから始まる約35分のカルロスひろし&やなぎトライブがナビゲートするサウンドジャーニーは、わびさびを感じる5LACK x OLIVE OIL「もういい」という超弩級のムーディー日本語ラップへと繋がります。

soundcloud.com

SUPERCAR x ゆるふわギャングに心奪われる

さらにMixは、SUPERCAR(スーパーカー)の名曲「Strobolights」をネタに再構築した「Strobolights(ゆるふわギャング version)」というドリーミー極まりないアンセムに着地。

Strobolights(ゆるふわギャング version)

Strobolights(ゆるふわギャング version)

  • ゆるふわギャング
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

ちなみにネタ元のオリジナル曲はSUPERCARの名盤『HIGHVISION』に収録。さらにゆるふわギャングは同アルバムに収録された「Strobolights」と並ぶ名曲「YUMEGIWA LAST BOY」ネタの「YUMEGIWA LAST BOY(ゆるふわギャング version)」もリリースしているので、そちらも気になった人は是非チェックしていただければと。

YUMEGIWA LAST BOY(ゆるふわギャング version)

YUMEGIWA LAST BOY(ゆるふわギャング version)

  • ゆるふわギャング
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
HIGHVISION

HIGHVISION

  • スーパーカー
  • ロック
  • ¥2100

日本語ラップとインディーを絶妙にブレンドするアプローチって最高

その後Mixは、人気インディーバンドのCero「Double Exposure」に続くという、カルロスひろし系ではまた新しいアプローチを見せるのですが、それもまた”SUPERCARからの”という部分を考えると抜群のつなげ方だなと。

Double Exposure

Double Exposure

  • cero
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

そのほかに、The Killer(ザ・キラーズ)が2004年に世に送り出したインディーアンセム「Mr. Brightside」ネタのkZm「Dream Chaser feat. BIM」、yahyel「Rude」と現行のオルタナティヴな日本語ラップ、インディーR&B系サウンドを織り交ぜていくところはさすがの一言。

Dream Chaser (feat. BIM)

Dream Chaser (feat. BIM)

  • kZm
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Rude

Rude

  • yahyel
  • エレクトロニック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

日本語ラップとJ-POP、それらが持つ文学性をMixで表現

そして、個人的にすごく好きな曲、Taeyoung Boy × Droittte「KIRI」というMura Masa(ムラマサ)系のこれまたインディー系テイストの日本語ラップもあったりしたと思ったら、以前のカルロスひろしのMixでも使用されたNujabes(ヌジャベス)オマージュな曲「Roll Up(Tribute)」も最高だったNF Zessho「Velvet Sofa (Another)」からの、からの、今年のJ-POPシーン最強新人シンガー小袋成彬「門出」という文学めいた歌詞の曲にスムースに音源をシフトしていくところは本当に最高すぎです。

KIRI

KIRI

  • Taeyoung Boy × Droittte
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Velvet Sofa (Another)

Velvet Sofa (Another)

  • NF Zessho
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
門出

門出

  • 小袋成彬
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

勝手な意見ですが、今回はなんというか日本語ラップとJ-Popの文学性をMixで表現している感がすごい。「これぞ、DJ的言葉遊び」とでも言いましょうか。やっぱDJ Mix作りはなんだかんだ言ってもセンスと曲の背景やそこ込められたメッセージを読み取ることなんだな〜と改めて実感させられました。

回を重ねる毎にアップデートされているカルロスひろし関連DJ MIX

変な話、カルロスひろし仕事は毎回秀逸なのですが、それが回を重ねる毎にアップデートされている気がするので、正直、次も楽しみにするしかない。そんなことを声に出して言いたいなと思いながら本稿を綴らせて頂いております、はい。

▶︎あわせて読みたい記事はこちら

Text by

 Top Image via goldfish