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Kendrick Lamarら参加のBeyoncé『ライオン・キング』アルバムに見るニューエイジブラックムービートレンドの話

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いよいよ今週7/19から全米で公開されるディズニーの新作”超実写版”映画『ライオン・キング』。日本では少し遅れた8/9に公開ながら、有名俳優の賀来賢人、江口洋介が吹き替えを担当していることが話題になっていますが、現地アメリカではやっぱり、今や超人気ミュージシャン、そして俳優といった感じのChildish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)ことドナルド・グロヴァー、そして、ポップミュージックシーンの女王、Beyoncé(ビヨンセ)の共演に注目が集まり、連日、メディアをにぎわせています。

 

Beyoncéプロデュースの『ライオン・キング』インスパイアードアルバムのトラックリストが明らかに

また音楽面でも90年代のオリジナルアニメ版『ライオン・キング』は高い評価を受け、アカデミー賞も受賞しているわけですが、なんといってもこの”超実写版”は、先述のBeyoncé、Childish Gambinoという日本でも大人気のフェス、コーチェラの2018年度、2019年度のヘッドライナー、しかもコーチェラの歴史に名を残したパフォーマンスを披露した2大アーティストの共演だけあって、音楽の面でもファンの期待は否が応でも爆上がり状態。サントラのリリースが待ち遠しいという音楽ファンも多かったことでしょう。

そんな中、先週、Beyoncéがついにサントラに収録されるだけでなく、彼女がプロデュースする『ライオン・キング』インスパイアードアルバム『The Lion King: The Gift』にも収録される新曲「Spirit」を先行リリース。スケールでかすぎ、”Beyoncé、やっぱりすげぇ”が溢れており、サントラ、インスパイアードアルバムともに期待しかねぇ状態だったわけですが、映画公開目前のタイミングのここにきて、ついに『The Lion King: The Gift』のトラックリストが公開となりました。

それと同時に「Spirit」のMVも公開。これもまた最強にスペクタクルな感じなので一度視聴していただきたい限りです。

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『The Lion King: The Gift』にChildish Gambinoのほか、Kendrick Lamar、Jay-Zら参加

『The Lion King: The Gift』に関してはBeyoncéと交流があるアーティストやアフリカン・アーティストの参加、アフロビート、ヒップホップ、R&Bなどがフィーチャーされた内容になることはすでに明かされていたため、なんとなくは参加アーティストの一部を予想できましたが、それでも実際に発表された面子を見ていると、やっぱりBeyoncéのコネクションってすごいんだなぁと改めて実感。

夫のJay-Z(ジェイ・Z)、Childish Gambino、そして、『ライオン・キング』サントラでも5曲をプロデュースしているPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)の参加は、まあ、言って見れば誰もが予想できた”予想通りのライン”ですが、そこに止まらないのが女王Beyoncé。なんと、そこにKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)を加えてくるあたりはさすがだなぁと思います。

 

そして、今、大人気のフィメールラッパーTierra Whack(ティエラ・ワック)を呼び寄せているところもトレンド感もあって良き。彼女は昨年でしたかね、収録曲が15曲が全て1分の曲で構成された『Whack World』で話題を呼んだことも記憶に新しいのですが、今年もシングル「Unemployed」をリリースしているので、あわせてチェックしていただけたらと。

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また若手のフィメールラッパーでは、Kanye West(カニエ・ウェスト)、Pusha T(プシャ・T)周り、レーベル「G.O.O.D. Music」の070 Shake(070シェイク)の参加もなかなかアツいですね。

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Major Lazerも見初めた”アフリカン・アーティスト”Burna Boy、Mr. Eazi参加

それと個人的に注目していた”アフリカン・アーティスト”では、「Spirit」の制作にも参加していたLabrinth(ラビリンス)からのDiplo(ディプロ)ラインが発動してかどうかはわかりませんが(LabrinthはDiplo率いる「LSD」というユニットのメンバー)、Major Lazer(メジャー・レイザー)もフィーチャーした、ナイジェリアのBurna Boy(バーナ・ボーイ)、Mr. Eazi(ミスター・イージー)も参加。

この2組は、今や音楽好きの間では比較的グローバルな存在ですが、それもやっぱり、Major Lazer発な感じが否めないので、そういう意味ではDiploのキュレーション力と発信力はすごいと改めて実感します。

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あとはBeyoncéの愛娘であるBlue Ivy Carter(ブルー・アイビー・カーター)、御歳7歳も参加しているところも何気にチェックしておきたいところかも…です。

*追記:以前の記事で半ば妄想的に『The Lion King: The Gift』にGqomが収録されていたらよいなと書いていましたが、同作にはGqom界隈のアーティストであるDJ LAGが参加していることが本人のツイートにより明らかになりました。

DJ LAGによると12曲目、Tierra Whack、Beyoncé、アフリカン・アーティストたちのコラボ曲「My Power」を共同プロデュースした模様。現時点でトラックが完全なるGqomはわかりませんが、個人的にはそうあることを願いたいと思います。

*追記: 配信が開始された『The Lion King: The Gift』を聴いてみたところ、「My Power」は予想されいたとおり、Gqomでした。

 

 

ニューエイジ・ブラックムービー人気ともリンクする『ライオン・キング』

内容的にはアフリカをレペゼンしたもので、彼らの人種的なルーツである同地へのラブレターとなるというこのインスパイアードアルバム。それだけに収録曲は映画の内容とリンクするということですが、ここで感じるのもやはり、今のハリウッド界隈のアメリカ映画界で大旋風を巻き起こしているニューエイジ・ブラックムービー人気の影響です。

最近、『ムーラン』だったり、『リトル・マーメイド』だったり実写版でのキャスティングにも人種的な多様性を取り入れていることが話題になるディズニーですが、『ライオン・キング』もまた然り。

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特に同作はアフリカがテーマだけあって、黒人系俳優が多数フィーチャーされることは、今の時代性を考えると素人目にみても妥当なことは間違いとは思いますが、Beyoncéというミュージシャンがキャスティングされているとはいえ、インスパイアードアルバムが制作されるのは、やはり昨今のニューエイジ・ブラックムービーのトレンドを取り入れている証拠に他ならないと思います。

 

『ブラックパンサー』然り、『クリード』然り、昨今のブラックカルチャーを描くハリウッドの大作映画は、正規サントラのほかにヒップホップシーンを中心とした黒人アーティストがフィーチャーされたインスパイアードアルバムがリリースされるという流れがありますが、先述のとおり、色々な意味でトレンドとはいえ、それにディズニーが呼応していることはなかなか興味深いです。以上、お後がよろしいようで。

『The Lion King: The Gift』トラックリスト

01 Beyoncé: “Bigger”
02 Beyoncé: “Find Your Way Back (Circle of Life)”
03 Tekno / Yemi Alade / Mr. Eazi: “Don’t Jealous Me”
04 Burna Boy: “Ja Ara E”
05 Beyoncé / Kendrick Lamar: “The Nile”
06 Beyoncé / JAY-Z / Childish Gambino: “Mood 4 Eva”
07 Salatiel / Pharrell / Beyoncé: “Water”
08 Blue Ivy Carter / SAINt JHN / WizKid / Beyoncé: “Brown Skin Girl”
09 Tiwa Savage / Mr. Eazi: “Keys to the Kingdom”
10 Beyoncé: “Otherside”
11 Beyoncé / Shatta Wale: “Already”
12 Tierra Whack / Beyoncé / Busiswa / Yemi Alade / Moonchild Sanelly: “My Power”
13 070 Shake / Jessie Reyez: “Scar”
14 Beyoncé: “Spirit”

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Top Image via Beyoncé

Reference: GMA, POP CRAVE