今に続くテクノのオリジネーターとして知られ、昨年もテクノロジーを駆使した3Dライブで来日公演を行なっていたKraftwerk(クラフトワーク)。その共同設立者として知られるFlorian Schneider(フローリアン・シュナイダー)の訃報が届きました。享年73歳。R.I.P…。
Kraftwerkの共同設立者、Florian Schneider
Kraftwerkの声明によるとFlorian Schneiderは最近73歳の誕生日を迎えていましたが、その数日後、癌が原因で亡くなったとのこと。
近年もライブ活動を継続しているKraftwerkですが、Florian Schneider自体は2008年にライブツアーを引退。以降は制作に専念することを公表するも翌年の2009年にはKraftwerkを正式に脱退していました。
のちの世にはサンプリングネタとしても人気を博したKraftwerk
もう1人の共同創設者のRalf Hütter(ラルフ・ヒュッター)とともにドイツはデュッセルドルフにて1970年にスタートしたKraftwerk。
彼らは多くの名盤、名曲と呼ばれる楽器を発表してきましたが、それらの楽曲はオリジナル・テクノとしてだけでなく、のちの世にはサンプリングネタとしても人気になり、テクノ界隈はもちろん、ヒップホップやポップスにも影響を与えました。
ちなみにJBに次ぐサンプリングされた回数が多いアーティストだと言われているKraftwerkですが、先程Who Sampledで検索してみたところ、なんとKraftwerkをサンプリングした曲は769曲も表示されました。サンプリングネタの宝庫状態ですね。
そんなわけでKraftwerkの「Trans-Europe Express」がなければ、Afrika Bambaataa(アフリカ・バンバータ)の「Planet Rock」も存在しないし、「Uranium」がなければNew Orderの「Blue Monday」も存在せず…。
さらにJuan AtkinsがDerrick MayにKraftwerkを聴かせなければデトロイト・テクノも存在しないことを考えると改めて、Kraftwerkの影響力の大きさ、Florian Schneiderの功績を感じますね。
ゆるふわエモ系エレクトロニカ好きなら避けては通れない「Tour de France Étape 2」
個人的にはKraftwerk作品では「Tour de France Étape 2」が1番好きです。2000年代前後のレイ・ハラカミ的なゆるふわエモ系エレクトロニカとか今ならFour Tetのようなレフトフィールド系の音楽が好きな人やそういうテイストのトラックメイカーはおそらくなんらかの影響をこの曲から受けているはず(あくまで私見ですが)。
なお、先月末にはKraftwerkの1975年の貴重なライブ音源が発掘され、YouTubeで公開されたことも話題になっていました。
とにかくテクノ好きはもちろん音楽ファンにとって悲しい1日となってしまいました。
合掌…。