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Merzbowらによる80年代アングラ音源コンピ「80s Underground Cassette Culture Volume 1」

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80年代の忘れさられたアングラの秘宝

イギリス・グラスゴーのインダストリアル、エクスペリメンタルなテクノ系レーベル「Contort Yourself」が9月に発売をリリースする予定のアナログレコードのコンピレーション「80s Underground Cassette Culture Volume 1」の内容がコアでシビレます。

これは、ノイズ、No Wave、ポストパンクなど80年代にカセットテープ音源としてリリースされたアヴァンギャルドな音源を集めたもので、収録されているのは、日本のノイズといえば、この人なMerzbowや、イギリスのアングラ実験音響音楽プロジェクト・Nocturnal Emissionsなどを含む、アンダーグラウンドシーンに隠れた、もしくは忘れさられたようなレアな21曲となっています。

Merzbowが参加していることがかなり押し出されているため、どれくらいノイズまみれでスカムなものかと思ったのですが、実はこれ、やばいくらいノイズまみれというわけでなく、そういう曲は数曲程度。それはそれで、ノイズ音楽にかつて傾倒していた身としては少し寂しくもあるのですがと思ったものの、視聴音源を聴いているとそういった気持ちはどこかへ消え去りました…

予想通りのMerzbowのノイズ+民謡っぽい声ネタの曲「D.D.T.」は基本として押さえつつも、例えばNo Wave系の「Maneko - The First Kiss」という曲あたりは、Andrew Weatherall(アンドリュー・ウェザオール)のDJセットでプレイされるような感じの曲だなという印象を受けますし、「Jacinthebox - Wipe The Church」も、ダークなジザメリかと思わされるノイズ具合がかっこいい曲です。

その中でも特にこれは良いなと思ったのが、「Software - Human Situation」という曲。Joy Division(ジョイ・ディヴィジョン)をチープなシンセでカバーしたかのようなスカスカ具合が逆にイケてるんじゃないかと感じさせてくれます。

聴かせ方が絶妙なサンプルMix

そして、このコンピのプロモーション用に公開されている40分程度のMixがすごく良い。所々に轟音ノイズ曲が挟まれる展開で、バランス的にも聴きやすいだけでなく、そのアングラでアヴァンギャルドな感じがよく伝える内容になっています。

個人的にはラスト10分くらいからのノイジーなドローン、ノイズ、トリッピーなTB-303系のシンセ・ベース、ダビーなインダストリアル・ブレイクスときて、最後にまた轟音ノイズとなる展開がハイライトだなと。

古いインダストリアルな曲が好きな人はチェックしておいて損はないと思いますよ。購入など詳細はリンク先のJunoで確認してみてください!

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Top image via Contort Yourself Facebook
Reference: Contort Yourself Soundcloud
Text by Jun Fukunaga