新型コロナウイルス禍のドタバタを見事に利用?して、当初よりも刑期が短縮されたことにより、久しぶりに娑婆に出てきたTekashi69こと6ix9ine(シックスナイン)。5/8には出所後にInstagramで何らかのアクションを起こすことを予告していましたが、その宣言どおり、出所後初となる最新シングル「GOOBA」をリリースしました。
さらに同日Instagram Liveを配信し話題を呼ぶも、大方の予想どおり、一連の行動は物議を醸す結果となりました。
6ix9ine出所後初の新曲「Gooba」に関するアレコレ
まず、新曲「Gooba」ですが、こちらも大方の予想どおり6ix9ineらしいと言いますか、基本的にはおなじみの一本調子のラップで押し通すといういつもの6ix9ineを感じました。それに関しては特にアレコレ思うことはなく、今後も彼には変に引き出しを増やさず、メニューに一品しかないようなレストランみたいなスタンスで営業を続けてもらえたらと思います。
またMVは6ix9ineのアイコニックなレインボーカラーに合わせて、その色に見立てた7人の女性ダンサーがワイニーしたり、踊りまくるという内容になっていますが、そのうちの2人は6ix9ineの現在の恋人とその妹だそうな。ちなみにこの2人を指すリリックも本曲の最初のコーラスでてきます。
余談ですがGeniusの歌詞職人によると、2人はバーテンダーとしてストリップクラブで働いてたそうですが、6ix9ineのパートナーの方の女性は、MigosのOffsetと関係を持ったことがあるそうで、そのことでOffsetの妻のCardi Bとその取り巻きとバトっていたこともあるそうな。
ほかには出所のきっかけになったコロナをトピックにした”They sick, been hot way before Coronavirus”というラインもあったりするのですが、本曲で印象的なリリックはやはり、セカンドヴァース。こちらでは、自身のバイラルしてミーム化した”You’re mad”をリファレンス(している可能性が高い)しながら、密告クソ野郎(スニッチ)の自分が出所してきてたことで怒り心頭のアンチ、へイターにむけて、煽りまくるリリックを展開しています。
ちなみに6ix9ineは収監中に新作アルバムリリースの契約を1000万ドルで結んだことは大きく報じられていましたが、それよりも驚いたのは、収監中にそれを上回る2000万ドルもの楽曲ロイヤリティを得ていたということ。ざっくり日本円で20億円以上というものすごい金額のお金を得ていたことももちろん、驚きですが、密告によって命を狙われる可能性がある中で、これだけお金があれば、普通は後はひっそりと余生を過ごそうとなるはず。
しかし、それはあくまで常人の考え。6ix9ineは、そんなことは一切考えず、表に出てきて、アンチを煽るわけですからもう音楽を続けるのもお金じゃないんでしょうね。ただ、一身に注目を集めたいだけというのはある意味で狂気じみているというか、中毒というか、およそまともじゃない。やっぱり6ix9ineは色々ヤバい奴なんだなぁということを改めて確認しました。そういう意味でヒップホップ界最高峰の"かまってちゃんぶり"、もとい炎上芸は健在なのかなと。
MVでラット化する6ix9ine
またMVでは終盤、ねずみ=ラット化する6ix9ineの姿も。ラット=密告屋のことを意味しているかと思いますが、とにかく自分のイメージを全面に不敵かつ不遜な感じ煽るところは、身体を張る彼らしい炎上芸感全開。
あと、最後には自分のInstagramをフォローするように促すテロップが入りますが、最後に”LOL”、つまり”(笑)”を持ってくるところも、徹頭徹尾、自分のアンチ、へイターをあざ笑う感じになっているため、これまでの事情を知っている人であれば、コロナ禍が落ち着いたら、マジで撃たれるんじゃないかと思わされてしまうほど。ただ、おそらくそのあたりもきっと織り込み済みなんでしょうね。
そんなMVは2分ちょっとの短い尺で再生回数稼ぎ対策もばっちり。その甲斐あってか、この記事を執筆している段階でYouTubeのMV再生回数はすでに9000万回近い数字になっているというね…。なんだかんだみんな興味を持ってしまっている、もしくは持たされていることを物語る結果になっているのではないでしょうか?
ちなみに同曲は初日に4300万回再生を記録していますが、これはYouTubeのヒップホップMVにおける24時間での最多再生記録になっています(それまではEminem(エミネム)の「Killshot」で、24時間で3810万回の再生回数を記録)。
200万ビューを記録した出所後初の6ix9ine Instagram Live
Shit superrrrr trashhhhhhhhhhh .... you gone up a 100 shots 😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂 stop turn Durkio and nav back on!
— Meek Mill (@MeekMill) 2020年5月8日
そんな中行われた6ix9ineの出所後初のInstagram Liveは、なんと200万ビューを記録し、Instagram Live史上最高記録を樹立(これまでの最高記録はTory Lanez による31万ビューだそうです)。
ライブ配信では、かつての仲間を裏切った理由を説明し、彼らが長期間収監されるきっかけを作ったことに自身が貢献したことなどを語ったほか、自分の復活を快く思わないへイターやアンチに向けて、以下のようにまた不遜なメッセージを送っていました。
テカシがヘイター達から恨みを買っていることに対して「お前らは人生をかけてリアルな男になる事を目指してるだろ、そんな中俺みたいな裏切り者が帰ってきてお前らより稼いでたらキレるよな、同じ立場だったらそりゃ俺でもキレてると思うわ」と話す pic.twitter.com/tLHXuQ2TVc
— 日刊US HIPHOP NEWS (@HIPHOPstation2) 2020年5月9日
とにかく煽りに煽ってますね…。
6ix9ine復活劇をSnoop Doggが辛辣に批判
そういった行為含めて、6ix9ineに否定的な反応を示したしたのが、かねてから彼に批判的なスタンスをとっていたSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)御大。
彼は、6ix9ine復活劇を取り上げたベテランヒップホップジャーナリストに反応して、メディアが”ストリート”の裏切り者をフックアップするメディアに苦言を呈したほか、先述のMeek Mill(ミーク・ミル)の名前を挙げながら、”もしお前がこの裏切り者(6ix9ine)を許すというならお前もクソだ。でもそんなことにはならないだろ?”的な呼びかけを行っています。
ここでSnoop DoggがMeek Millの名前を挙げたのは、以前、Meek Millが”良い子はインターネットでギャングスタになるのはやめようね”と6ix9ineを批判していたり、今回の新曲はゴミだと早速切り捨てていたことが原因だと思われます。
Shit superrrrr trashhhhhhhhhhh .... you gone up a 100 shots 😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂😂 stop turn Durkio and nav back on!
— Meek Mill (@MeekMill) 2020年5月8日
そのほかにもMeek Millは6ix9ineがInstagram Liveを行う前に、その配信では密告行為を謝罪するべきだと発言していますが、これには6ix9ineファン? からのバッシングが結構多かったのも気になります。
このように出所早々、お得意の炎上芸で注目を集めている6ix9ineですが、気になるのは出所時に報じられていた今後はSNSで他人を批判しないという制限がつけられてたことです。
Complexは、6ix9ineの弁護士に対して「出所後、SNSの制限などはあるのか?」という質問をしており、「今のところ特に制限はないが、良い使い方をしないといけないだろう。他人をネタにするのはもう駄目だ」という回答があったと報じられていますが、一連の今回の出来事はもうバッチリこれにあてハマっている気が…。
ただ、彼が拠点とするニューヨークは現在、コロナ禍の影響でトンデモない状況になっているため、個人的には色々そういったことを考慮しての強気な言動なのかなと思ったり。
SNS投稿がきっかけで「家バレ」した6ix9ine
また例のギャングからの報復に関しても、例えば、現在、アメリカに次ぐ被害を受けているイギリスでは、ドラッグを裁くギャングのディーラーもソーシャルディスタンス、感染防止対策を行った上で、ビジネスを行っていると報じられています(日本でもや○ざの方々がばっちりマスクをつけている姿がSNS上で話題になっていましたね)。ですので、ギャングも感染リスクを考えた場合、今は”不要不急の外出”は控えたいと考えていることも予想できます。
しかしながら、最新の情報によるとここ最近の自身のSNS投稿によって、現在の住所が明らかになり、つまり「家バレ」してしまい、しかもそれがネット上でリークされたせいで6ix9ineは拠点の移動を余儀なくされています。
これは彼がSNSに投稿した動画を撮影している様子を近隣住人が見かけて、それをSNSに公開したことが原因になって起きたことのようですが、それ以降に6ix9ine宅と思われる住宅に警察のパトカーが4台止まっていたことが報告され、結局安全面を考慮して別のどこかに移送されるという、かなりシリアスな出来事に。
元々、減刑のために司法取引に応じていた6ix9ineだけにすぐさま、なんらかの保護を司法側に求めたのかもしれませんね。そういう意味では彼は今も、『ビバリーヒルズ青春白書』でいうところのディランの父親的なリスクを抱えているということが改めて再確認できるエピソードですね。
そんなわけで6ix9ineの炎上芸は依然、色々と危ういというわけですが、今後、彼はどうなっていくのでしょうか? 気になるところです。
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Reference:
https://genius.com/6ix9ine-gooba-lyrics
https://twitter.com/thesublyrics/status/1258849985363247105?s=20
https://twitter.com/HIPHOPstation2/status/1258930391781502976?s=20
https://nme-jp.com/news/88781/
https://www.xxlmag.com/news/2020/05/meek-mill-calls-6ix9ine-song-super-trash/
https://www.xxlmag.com/news/2020/05/snoop-dogg-is-fed-up-with-tekashi-fk-69/
https://hiphopdna.jp/news/10121
https://www.xxlmag.com/news/2020/05/6ix9ine-relocated-private-location-posted-online/