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6ix9ine終身刑レベルの逮捕劇にK-POPファンが沸く理由とは? SNS上での6ix9ineisgoingtojailpartyについて調べてみた

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逮捕といえば、日産会長のカルロス・ゴーン氏が、現在、日本では話題ですが、ヒップホップ業界では物議を醸す行動をこれまでに何度も繰り返し、その都度ネットニュースになるエクトリームな芸風の持ち主として注目を集める若手のラッパーの6ix9ine(シックスナイン)が、今月11月18日に逮捕されたことに注目が集まっています。

 

これまでに何度も問題を起こしては逮捕されていることはすでにみなさんご存知のとおりだと思いますが、今回の逮捕劇はモノが違う。なんと最悪の場合は終身刑、最短でも25年の実刑判決が言い渡される可能性もあるというとんでもないレベルの罪状になっているそうです。

6ix9ine最悪終身刑の可能性も取り沙汰される最新逮捕劇

現在までの報道によると、6ix9ineは、彼の元マネージャーのShottieと、元ボディガードのCrippyとともにお縄に。ちなみに6ix9ineは、今月15日にInstagramにて自分のマネジメントスタッフを全員解雇したことを明かし、予定されていた全米ツアーもキャンセル。ツアーについてはファンに対し、自分から発表があるまでチケットを買うなと呼びかけていました。

そんな6ix9ineの今回の逮捕に関する容疑は、彼の地元ニューヨークでの恐喝容疑と銃器法違反とのことなのですが、この逮捕劇には普通の警察ではなく、アルコール・タバコ・火器及び爆発物”連邦”特別捜査官が関わっているとニューヨーク市警察が声明を発表しています。

ちなみにこの手の6ix9ineゴシップのスッパ抜きでおなじみ、アメリカのゴシップサイトTMZによると、彼は犯罪を実行中に発砲した罪を含む6件の訴因で告発を受けているとのこと。その起訴状には2013年まで遡る17件の罪状が記載。6ix9ineのとその一味たちが麻薬取引、武装強盗、発砲などの事件に関わっていたことがそこから見て取れるそうな。また彼は、ニューヨークにてヘロイン、フェンタニル、MDMA、マリファナを密売に関わっており、元マネージャーのShottieとストリート・ギャング「Nine Trey Bloods」のメンバー2名とともに武装強盗事件も起こしていたとのこと。

 

リアルにワルいヤツ

勝手なイメージですが、6ix9ineのこれまでに話題になった犯罪は、インモラルではあるものの、悪名高き13歳淫行事件を始め、未成年首絞め事件など、どこかネット受け、バズ狙いの悪ふざけ感があり、極悪人というよりは小悪党という印象がありました。特に先述の淫行事件なんかはSNSで公開したことで注目を集めるきっかけにもなっていたため、そういう芸風としてやっていた感が少なくともあります。(決して褒められたことではありませんが)

しかし、代表曲「Gummo」の大ヒットによるブレイク後から、今年6月に起きた仇敵Chief Keef(チーフ・キーフ)とのビーフでは、銃撃事件も発生。6ix9ineもその事件の関与を取り沙汰され、捜査対象になっていたことなどを考えると、リアルにワルというか、ダークサイドに堕ちつつある印象も...。でも、ドラッグ売買はまだしも武装強盗事件まで起こしているとなると話は完全に変わってくるというか。母親にブレイクしたことで稼いだ札束を渡すなど親孝行しているという、ちょっと良いヤツパフォーマンスもSNS上で展開していましたが、その裏では先述のような結構な悪事に手を染めていたことを考えるとリアルに危ないヤツ、ワルいヤツだったんだなと改めて実感させられます。

 

13歳淫行事件に関する執行猶予中故の重い罪

6ix9ineは先述の淫行事件では、一時、1~3年間の収監の可能性と性犯罪者登録される可能性があり、その裁判前には自らの心情を吐露。「事件当時はまだ18歳の子供で、司法がマイノリティーの若者を不当に重い罪を課そうとしていることは他の事件を見てもわかるはずだ」と自身の心境を吐露するなど、いつもの彼の印象とは違ったしおらしい一面もみせていました。しかし、裏ではこんなにも悪事に手を染めていたなんて… という風に考えるとこいつ、マジサイコパスだなと思ってしまう人も相当数おられるのではないでしょうか? 

なお、今回の逮捕で最悪の場合、終身刑となることについてですが、それには先述の淫行事件の裁判結果として下された執行猶予4年の判決中だったことも関係し、このままいけばほぼ実刑は免れないとTMZは報じています。あと個人的にですが、この展開、往年の名ボクサーながらもリアルギャングスターに転身してしまった渡辺二郎のことがなんとなくですが頭によぎりました。

6ix9ine逮捕にK-POPファンが沸く#6ix9ineisgoingtojailpartyの発生理由

そんな6ix9ineに対するネガキャンとも言えるSNSキャンペーン"#6ix9ineisgoingtojailparty"なるものが現在、ネット上で展開されており、逮捕発覚後、一時Twitterでトレンド入りするほどの盛り上がりを見せています。

私は正直なところK-POPに関してはKARA、少女時代、東方神起の日本における全盛期くらいまでしか追えておらず、最近のものだと申し訳程度にBTS(防弾少年団)とかTWICEを知っているくらいなのですが、とにかくこの6ix9ineを標的としたキャンペーンがすごい。

今やBTSのビルボードチャート1位などに代表されるように世界中を席巻しているK-POP。本国はもちろんのこと、日本、アジアはおろか世界中に膨大なハードコアファンを抱えているといった感じです...。

ちなみに最近行われたロンドンのO2アリーナでのライヴでも満員御礼。アメリカだけでなくイギリスでもこの大盛況ぶりは素直にスゴイの一言。もちろんアジア系のファンも多いのでしょうが、最近は人種に関係なく彼らのファンが増加中とのことで、その証拠にイギリスのCrack Magもライブのレビューを掲載。そのすさまじい人気がうかがえます。

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そんなK-POPファンが大挙して”6ix9ineの刑務所行きを祝すパーティー”という名目のネット祭りを爆誕させているのはスゴイを通り越してもはや怖い…。

 

というわけで現在、このネガキャン祭りの"神輿"になっている6ix9ineですが、実は彼は、今年5月にK-POPシーンと一悶着あり、K-POPファンからは憎き相手として認知されているのです。

では、なぜ6ix9ineがK-POPファンからの憎悪の感情を一身に浴びているのか? というと、その理由はK-POPの男性グループWINNER(ウィナー)の曲のパクリ疑惑事件を引き起こしたていたことにあります。

K-POPの男性グループWINNERの曲パクリ疑惑騒動を起こしていた6ix9ine

その事件は6ix9ineが、いつもの彼とは違った「Nobody (Closer)」というトロピカルな曲を公開したことが発端になっています(現在は削除)。疑惑がかけられたその曲は、WINNERの「Island」と非常に酷似している(というか完全にインストをパクっているというファンの声多数)ことから、彼らのファンから6ix9ineは一気に叩かれ出し、一度は、「Nobody(Island Remix)」に曲名を変更したものの、ファンの怒りは収まらず。さらに削除するように呼びかける声までもが多数上がったことにより、WINNERが所属するK-POP界のジャニーズ、LDH的な大手事務所YG Entertainmentがついに6ix9ineのその曲のMVを取り下げさせる事態にまでに発展。

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それ以来、6ix9ineには従来のアンチ以外に超絶強大なK-POPファンたちが加わり、「私たちのWINNER、K-POPアイドル様の曲をパクるなんて、ふてぇ野郎だ」的な憎悪の対象になってしまったというわけです。

 

余談極まりないですが、アイドルファンはストイックな方が多いので、敵に回すと本当に怖い。それを実感したのが学生時代のCD店でのバイト時です。同僚がお客さんからの某ジャニーズのCD、通常盤だけでなく初回限定版が3種類くらい出るヤツの予約対応をミスってしまい、鬼の形相でクレームを入れられた挙句、その店の社員さんが、大人がこんなにも大人に怒られるかね? レベルで怒られ、全国にある系列店からそのCDを発掘させられるというトンデモミッションに従事させられるという悲劇が起こりました。

その時に聞いたのが、「アイドルファンの機嫌は決して損ねてはいけない」というシンプル極まりないながらもなんとも徳の高いお言葉です。今回のことは言うなれば、それが世界規模で6ix9ineに対して巻き起こったと考えて頂けると、この#6ix9ineisgoingtojailpartyなるSNSキャンペーンのヤバさについてご理解して頂けるかと思います。

 

もしくは、今、大人気のキンプリことKing & Princeの曲を、日本のラッパーの方が勝手にビートジャックしてMV撮って元ネタも明かさずに新曲として公開したら…。何が起こるかは察して頂けるはず。とにかくそういうイメージを持ってもらえたらあとは言わずもがな...な感じですね。

6ix9ine逮捕をネタにした大喜利でもある#6ix9ineisgoingtojailparty

そんな#6ix9ineisgoingtojailpartyでは、もはやWINNERだけでなく、K-POP女性グループの動画なんかもミームとして使われだしており、全K-POPファンの元気ならぬ、憎悪を集めた「憎悪玉」を何度も何度もブチ込むような6ix9ineネガキャンが行われています。

さっきも書きましたが、これマジでハンパない。でも、こういうことが起こるとガチファン以外もネタをぶっこんでくるのがSNSトレンドの性。秀逸なのがこちら。

パフォーマンスするK-POPアイドルの後ろに映る柵のように見える舞台装置を刑務所の檻に見立てて、その中に6ix9ineが捕まっているというディスを行なっています。

 

ほかにも警官の制服に身を包んだBTSの写真を使って、同じように6ix9ineを捕まえたという体のディスなんかもあったりするため、もはやK-POP大喜利状態と言いたいくらい。

ネットでの物議を呼ぶスタンスが功を奏してブレイクした6ix9ineですが、リアルワールドでの犯罪が原因で身を貶め、さらにはネットでも叩かれまくるというこの状況…。私なら確実に泣いてしまいそうな因果応報ですね。これまで幾度も収監の危機を乗り越えてきましたが、果たしてこの逮捕の行方やいかに。

そういや、今年は来日が発表されていたものの、直前になって大方の予想どおり、キャンセルという事態も巻き起こしていましたね。それももはや懐かしい(遠い目)...。以上、お後がよろしいようで。

*6ix9ineが出所後初の新曲となる「GOOBA」リリース。その後のアレコレまとめ。

 

これまでの6ix9ineの歩み 


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source: Complex, All KPOP