ヒップホップシーンの人気者の移り変わりが本当に激しい今日この頃。年明けにBlue Face(ブルー・フェイス)が「Thotiana」でブレイクしたと思ったら、現在はLil Nas X(リル・ナズ・X)が「Old Town Road」で大ブレイク。売れに売れ、同曲は今ではヒットチャートで14週連続1位を獲得。
しかもEminem(エミネム)の「Lose Yourself」、The Black Eyed Peas(ブラック・アイド・ピーズ)の「Boom Boom Pow」といった歴代のヒット曲すら凌ぐチャート史上最も長く1位を獲得したヒップホップシングルになっているわけで、とにかくトレンドの移行していく速さを感じずにはいられません。
昨年11月の逮捕以来、収監されている6ix9ineは今、どんな状況にいるのか?
というのも、そういや去年の今頃は、現在収監中の6ix9ine(シックスナイン)が話題を振りまきまくっていたことを思い出しことが理由なのですが、一体、その6ix9ine、今現在、どんな感じになっているのかというと状況的には昨年の逮捕以来、未だ収監中なのですが、ちょこちょこ状況の進展があるようなのです。
まず現時点の6ix9ineの状況を説明すると、現在は以前は否定していた恐喝、麻薬取引、銃刀法違反など全部で9つの容疑を認めています。これは司法取引による減刑のためと言われていますが、仲間の容疑に関する密告でもあり、ヒップホップ界隈のコミニュティーからは密告者としてとにかく蔑まれ嫌われるという、大方の予想通りのバックラッシュにあっているわけです。
今年6月にChief Keef銃撃事件を容疑者とされていた人物が認める
しかも、今年6月には以前から関与を疑われていたを敵対するラッパーのChief Keef(チーフ・キーフ)銃撃事件について、容疑者の1人Kooda B(コーダ・B)が罪状を認めるということが起こりました。この件に関して6ix9ineは、Kooda Bに2万ドルの報酬を約束していたことも以前報じられていました(6ix9ineは減刑のためにKooda Bについての密告を行なっていました)この件により、状況はさらに悪化したと言えます。
先述のとおり、密告によって減刑を目指したものの、状況は好転せず、しかもその行為によって、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Migos(ミーゴス)のOffset(オフセット)ら始め、多くの業界人から裏切り者扱いされるだけでなく、無事出所したところで命を狙われる可能性もあるとみられています。
6ix9ine、21 Savageを救った敏腕弁護士を雇う
それでもシャバに出たい気持ちは強いようで、なんと新たに弁護団に加わる一員として、腕利きの弁護士Alex Spiroを雇ったことが明らかになりました。
Alex Spiroは以前からJay-Zおよび彼のRoc Nationをクライアントとして抱えており、今年起きた21 Savage(21サヴェージ)のビザの問題に起因する”不法滞在”による逮捕事件でも彼を釈放するためにJay-Z(ジェイ・Z)が雇った腕利きの弁護士です。これはJay-Zの男気を感じるというか、コミュニティのための正義のための行動でヒップホップ界隈はもちろん、ファンからも賞賛された行為でした。
コミュニティーから支援されるA$AP Rockyとはえらい違いだなぁと
また最近、スウェーデンで暴行により逮捕され、拘留されているA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)に対してもその非人道的な扱い、”人間がいるようなところではない場所”に拘留されていることについて、彼と親交が厚いTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)、ScHoolboy Q(スクールボーイ・Q)は、スウェーデンには今後入国しないというボイコット発言を行い、Travis Scott(トラヴィス・スコット)もライブでA$AP Rockyサポートを表明。
Travis Scott yelled Free Asap Rocky 🆓️ during his wireless festival set 👀 . pic.twitter.com/M3StaIVZZ7
— 𝘽𝙖𝙘𝙠𝙙𝙤𝙤𝙧𝙝𝙞𝙥𝙝𝙤𝙥🌺🌐🚪 (@backdoorhiphopx) July 7, 2019
最悪の場合、6年間収監されるかもしれないという危機に面しているA$AP Rockyですが、このようにコミュニティーからの支援があることを考えると6ix9ineはより最悪な状況にいるんだなぁと改めて実感します。これも身から出た錆びなんでしょうが、とにかく6ix9ineは救いがねぇなといった感じです。同じニューヨークのラッパーなのに明暗くっきり分かれすぎ…。
なお、6ix9ineの裁判は今年9月4日に行われる予定です。以前はコミュニティからの支援として送り込まれた敏腕弁護士ですが、今回はコミュニティから嫌われる人物の弁護を行うことになります。モチベーションとかちょっと気になりますが、このあたりは仕事でしょうし、腕利きだからそつなくこなしてクライアントを喜ばせる結果を与えるのかなぁと。
ただ、先述したとおり、仮に6ix9ineは出所したところで状況的には地獄的な感じ。それにラッパーとしても今や新しいスターが次々登場しているので、正直ほぼ詰んでる状態ではないかなと。果たしてこの逆境を彼はどのようにしてひっくり返すのでしょうか? 逆にそこが気になって仕方ないです。以上、お後がよろしいようで。
追記:
先述のSnoop Doggによる6ix9ineディスに進展あり。今回のことを報じたInstagram投稿を発見したSnoop Doggが再び6ix9ineを非難するコメントを投稿。
Snoop Doggは、密告しない、固く口を閉ざすことを意味する"G Code"という言葉を使って、こいつのG Codeは腐ってる=ギャングスターのルールに反していると以前の密告を非難しています。
追記:
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