人気ジャンプ漫画『チェンソーマン』の最新巻となる9巻が発売されたことで、Twitterのタイムラインが賑わっています。本誌連載読者組の私としても、TLで散々言われているとおり、この9巻の内容は、かなりバッドが入ってしまう系なので、コミックス派の方は、読む前に心臓を何度か強く叩いておくべし!とは言いたいです。
気になるアメリカ大統領選の行方
そんな話もそこそこに。本日、世間で最も注目が集まっていることといえば、現在、開票が進んでいるアメリカ大統領選。
すでにご存知の方も多いはずですが、同選挙では現職のドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン元副大統領が次期大統領の座を争い、激しくしのぎを削っています。事前の見方だとリベラル派からの支持が多い、バイデン氏優勢とのことでしたが、今現在のところは接戦の模様。
場合によっては、結果出るまで数日かかったり、結果が出た後も負けた側が選挙不正を訴え、それが原因で支持者の間でいざこざが起きるなんて、きな臭いことも囁かれているこの選挙。果たして結果はいかに? 私は、アメリカの投票権もないので、ただ結果を見守るだけですが、日本とも色々な面で関係が強いアメリカ。それだけに選挙の行方が気になります。
そういえば、この選挙には途中からラッパーのKanye West(カニエ・ウェスト)も電撃参戦したことが報じられていましたが、大方の予想通り、見事な泡沫候補となってしまいましたね。
Lady Gaga、Billie Eilishらエンタメ業界のリベラル派はバイデン支持
さて、この大統領選、投票日が近づいた先月末あたりから音楽や映画などエンタメ関係でも有権者の投票に影響を与える業界の著名人の間で色々な動きがありました。
例えば、Lady Gaga(レディー・ガガ)は、投票日直前にバイデン氏の集会に姿を表し、応援のためのパフォーマンスを行なったことが話題になったり、10月24日(日本時間10月25日)には、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)が自身初のオンラインライブ「WHERE DO WE GO? オンラインライブ」でファンに投票を呼びかけました(このライブのXR演出を中心にしたレビューをGIZMODO JAPANさんで執筆させていただきましたのでそちらも一読していただけたら幸いです)。
また、映画業界では、俳優・コメディアンのサシャ・バロン・コーエンによる00年代に大ヒットした社会風刺モキュメンタリー『ボラット』の最新作『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』がAmazon Prime Videoで公開されました。トランプ政権以降のアメリカをネタにしたかなりきわどい内容の同作では、政権周辺への批判が展開されたことでも話題を集めました。
投票日直前にIce Cube、Lil Wayneがドナルド・トランプを支持、でもなぜ?
このようにリベラルなエンタメ業界人の間では評判がよろしくないドナルド・トランプ。しかしながら投票日直前にはIce Cube(アイス・キューブ)、Lil Wayne(リル・ウェイン)のように有名ラッパーたちがトランプ支持を表明したことも注目を集めました。
ドナルド・トランプは、ビジネスマン経験からくる決断力の速さが目立つ一方、強硬な姿勢や人種差別的な政策で批判を集めるなど、良くも悪くも評価が分かれる人物。特にコロナ禍対策やBLM対策では、これまで以上に分断を煽る姿に批判が集まっており、リベラル派からの批判の的になっていたのはすでに多くの人が知るところ。
黒人社会で300万人の雇用を創出する「プラチナプラン」
しかしながら、今回の大統領選での劣勢がかねてから報じられていたことも関係があるのか、トランプ陣営は、今年9月末に”黒人社会で300万人の雇用を創出する"ため、5000億ドル(約52兆4000億円)を投じる計画「プラチナプラン」を公約に掲げたことで、一部の黒人ミュニティからの支持を取り付けたことも話題になりました。
この「プラチナプラン」は、今年7月にIce Cubeが書き上げた提案書にあった、"アメリカ国内での人種格差を是正するため教育や司法、金融など様々な分野ごとに具体的な解決策"を取り入れたもので、その提案に対しては、トランプ陣営だけでなくバイデン陣営からも接触があったとのこと。しかしながらバイデン陣営が「選挙が終わってから提言について検討する」とする一方、トランプ陣営はいち早く政策に取り入れることを表明。トランプの決断力の速さが目立つ結果になりました。
「プラチナプラン」は、これまで制度的人種差別によって様々な不利益を被ってきた黒人コミュニティの問題を現実的に解決する政策だけに、当然、この元ネタを提供したIce Cubeはトランプ支持を表明。その結果、コミュニティからは裏切り者のレッテルを貼られることもあったようですが、10月末にはIce Cubeと同じように「プラチナプラン」を評価したLil Wayneがドナルド・トランプとの2ショット写真を公開し、トランプ支持を表明。トランプ政権下で行われた刑事司法制度の改革などを評価する発言なども行いつつ、「プラチナプラン」実行に対する期待を示しました。
Just had a great meeting with @realdonaldtrump @potus besides what he’s done so far with criminal reform, the platinum plan is going to give the community real ownership. He listened to what we had to say today and assured he will and can get it done. 🤙🏾 pic.twitter.com/Q9c5k1yMWf
— Lil Wayne WEEZY F (@LilTunechi) 2020年10月29日
是非は別として一度目を通しておきたい”友人をトランプ支持に変えた対話”動画
Lil Wayneらのようにプラチナプランや刑事司法制度改革など、トランプ陣営の政策を評価する黒人層もいるようで、最近、話題になったトランプ支持者の黒人男性がバイデン支持者の別の黒人男性と対話する動画でも、この内容はトランプ支持の理由として挙げられていました。
個人的には人種差別的で分断を煽るトランプ政権には抵抗がありますが、このようにトランプ政策を評価し、支持する人がいるのも事実...。
意地の悪い見方をすると、この動画自体が、政権擁護のために作られたプロパガンダ的なものである可能性も考えられるので、これだけを見て判断するのはアレですが、注目したいのは、男性が知人に対して、バイデンがどんな人物かも把握せずになんとなく世間の風潮に流されて投票していたことに対して、意見する冒頭のシーン。
“トランプの政策が悪いものだから対立候補に投票する”という投票に関する考え方自体は、投票する側からするとよくある話だと思いますが、国の舵をとる人間を選ぶ選挙においては、男性の知人のように全く知識なしで世間に流されて投票するのもあんまりポジティヴだとは言えないなぁと思います。特にこんな時代であればなおさら…。
意見の違う第三者との対話
現代は、自分が信じたいことがそのまま真実になる”ポスト・トゥルース”の時代で、SNSでも偏った意見が当然のように一般論のように捉えられることも少なくありません。そういった事態を避けるためにもここ最近は、日頃から情報を適切に処理していく力が必要だとよく言われていますが、この動画を見て、それだけに留まらず第三者との対話によって様々な角度から物事を検証していくことが改めて大切だと考えさせられました。
なので、これまで色々あったとはいえ、公約として挙げた方を支持するというIce CubeやLil Wayneの意見も理解できなくはないかなというのが率直な感想です。
こういった意見は実際に黒人コミュニティにはどのように捉えられ、投票に影響を与えているのでしょうか? その答えの一端が見て取れるのが今回の投票結果なので、個人的にも選挙戦の行方が気になっています。
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Reference:
https://news.yahoo.co.jp/articles/49e6b494e2786fcb4d303bdcac732f0f45886927
https://news.yahoo.co.jp/articles/42a8a75642b9dfabc46ba8a984fbbdf5a0959bc0