なんとも悲しすぎる訃報が飛び込んで参りました。なんと昨年、Sting(スティング)の有名曲「Shape of My Heart」をサンプリングした「Lucid Dreams」で大ブレイクを果たしたヒップホップ界期待の若手ラッパーであるJuice WRLD(ジュース・ワールド)が、アメリカ時間12/8に死去したとのこと…。
Juice WRLDが死去、わずか21歳なのに…
1998年12/2生まれのJuice WRLDこと本名Jarad Higgins(ジャラド・ヒギンス)は、まだわずか21歳。今月誕生日を迎えたばかりだったシカゴの新鋭のこの訃報は本当に残念でなりません…。
Juice WRLDといえば、今年のコーチェラ2019にも出演。その際は3月にリリースした2ndアルバム『Death Race for Love』を提げ、バンドを伴ってのライブセットを披露。
今流行りのジャンルの垣根を感じさせないパフォーマンスで話題になったのもまだまだ記憶に新しく、そのセットでの来日をコーチェラの配信を観ている時から期待していたのですが、まさかもうそれが叶わないなんて…。この時の「Lucid Dreams」のロックスター感溢れるアレンジを生で聴いてみたかった...。
現段階では、まだ速報的にその死が報じられていますが、Washington Timesによると、彼の地元シカゴのミッドウェー空港に着いた際、発作により口から流血し、そのまま病院に緊急搬送されたものの、すぐに息を引きとったとのことです。そのため、正確な死因などはまだ不明で今後、明らかになると思われます。
思い出されるのはJuice WRLD初来日公演でのまさかの「Lucid Dreams」2回披露
Juice WRLDといえば、先月11/26に2度目の来日を果たし、緊急来日公演を東京・1oakで行ったこともヒップホップファンの間で話題になりました。
🔥TONIGHT🔥
— 1 OAK TOKYO (@1oaktokyo) 2019年11月26日
One of a kind Tuesday at #1OAKTOKYO with special guest @JuiceWorlddd!!!
今夜 #1OAK に #JuiceWrld が登場!是非お越しください! pic.twitter.com/ahsnvZv54O
ちなみにその時に現代芸術家の村上隆氏のスタジオを訪問していた模様で、村上氏も彼の死を追悼しておられました。
しかしながら、私としてはなんといってもHip Hop DNA主催の初来日イベントで披露した先述の代表曲「Lucid Dreams」をまさかの2回転披露したことが強く印象に残っております。
XXXTentacionとLil Peep追悼作品とリンクしてしまったJuice WRLDの死
そして、Juice WRLDは、ヒップホップ、ひいてはSoundCloudラップシーンにおける先輩格にあたるラッパー、故XXXTentacion(XXXテンタシオン)とLil Peep(リル・ピープ)の二人を追悼するための作品『Too Soon..』を発表していましたが、まさかその本人がこんなにも早く彼らの後を追うことになるなんて…。とにかく人の運命というものの無常さを感じずにはいられません。
ちなみにその追悼作品の中には「Legends」という曲があり、同曲では文字どおり、XXXTentacion、Lil Peepの2人のレジェンドを追悼する内容になっているのですが、その中で印象的なのは、音楽界における「The 27 Club」に触れている点です。
「The 27 Club」とは、27歳で夭折したJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリクス)、Kurt Cobain(カート・コバーン)、Jim Morrison(ジム・モリソン)といった伝説のミュージシャンたちのことを指すことですが、そのあたりの夭折事情も最近は変化しており、特にヒップホップ、SoundCloud Rap出身の若手ラッパーたちにおいては、実際にXXXTentacionは20歳、Lil Peepは21歳で亡くなっていることから「The 27 Club」ならぬ「The 21 Club」化しているといえます。
「The 21 Club」のメンバーに…
また同曲でJuice WRLDは、”We ain't making it past 21”とラップしていたのですが、その本人が21歳を過ぎることなく亡くなったのは、何かの予言だったのか…。ある意味神がかりを感じてしまいます。
さらに同曲では”売れてレジェンドになっても死んだら意味なくない?”といった内容のリリックもありますが、それがまさか我が身に降りかかることになるとは…。
この「Legends」ともうひとつの収録曲で「なぜ、俺たちは死ぬために生きるのか?」と哲学めいたリリックなども含む「Rich and Blind」の2曲を収録した『Too Soon..』については、以前、書いた記事で解説しているので、今回のJuice WRLD追悼として、興味を持っていただけた方はあわせて一読していただけたらと思います。
K-POPスターBTSとJuice WRLDのコラボ曲「All Night」も今年リリースされ、話題に
今年はBTSとの大型コラボ「All Night」もリリースされたりとヒップホップシーンにとどまらず、広くポップスシーンで大躍進を果たしていたし、個人的に思い入れのあるラッパーだったのでとにかく今は残念で仕方ない。Jucie WRLDの冥福を祈ります。R.I.P…。
なお、Juice WRLDは12/7より過去曲「Let Me Know (I Wonder Why Freestyle)」をSpotifyで配信開始していました。
追記:Juice WRLDの死因としてパーコセット大量摂取の可能性が報じられていました。
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Top Image :Photo by _24young_
Reference: Washington Times