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XXXTentacion殺害はDrakeが黒幕でSoldier Kiddらが刺客だったという都市伝説レベルの噂を振り返る

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6/18に死去した若手人気ラッパーのXXXTentacion(XXXテンタシオン)。その銃殺という凄惨な最期は、世界中に大きな衝撃を与えました。

その訃報直後から彼の死にはあるラッパーたちが関わっているという暗殺説が実しやかにネット上では囁かれ、注目を集めていたものの、現在は容疑者として警察はDedrick Devonshay Williamsという22歳の男性を逮捕。事態の真相解明に期待がかかるといった状態になっています。

 

XXXTentacion殺害にまつわる伝説級の暗殺説

そのため、先述のXXXTentacion殺害はラッパーたちによるものという噂は今のところ、間違いだったと言えるのですが、この暗殺説が実に映画やドラマに出てくるような内容のため、私としては非常に興味深く色々調べていました。

実際のところ、調べているうちに容疑者が逮捕されることになったので、その人物がおそらく”容疑者真打”なのでしょうが、XXXTentacion暗殺説は、ヒップホップファンの想像力とネットユーザーの情報収集能力が大いに重なり合った末に生まれた妄想のようなものでなんというか、そんなことある? とツッコミたくなるレベル、都市伝説感がハンパないものになっていました。

 

犯人はDrake説

そんなわけでその都市伝説レベルのXXXTentacion暗殺説で犯人として名前を挙げられたラッパーたちを紹介すると、1人目はご存知、泣く子も黙るヒップホップスターのDrake(ドレイク)。先月末から今月初頭にかけてのPusha Tとのビーフは大いに話題になりましたが、その後で彼が注目された話題といえば、この暗殺説でしょう。

まず、なぜDrakeがXXXTentacion殺害の容疑者だと主XXXTentacionファンが考え、ネットでそれがバズったかというと、それは「DrakeがXXXTentacionのフロウを盗作した」説に起因します。

これはざっくり説明すると昨年ドレイクがリリースした”プレイリスト”『More Life』に収録された、UKのドリルラッパーGiggs(ギグス)をゲストに迎えた「KMT」が、XXXTentacionの代表曲「Look At Me!」のフロウと酷似していたため、彼が「あいつ、パクってるね?」とDrakeを非難、さらにそれまでのDrake他のラッパーから盗作している疑惑をディスというものです。

Kmt (feat. Giggs)

Kmt (feat. Giggs)

  • ドレイク
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Look At Me!

Look At Me!

  • XXXTentacion
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

これに関してはヒップホップファンが件の2曲をDAWに並べて比較するという類の動画もYouTubeにアップされていたりするので、気になった方はそちらをご確認ください。

youtu.be

そして、こういった経緯に加え、最近Drakeがリリースした今月末、6/29に発売を控えている新作アルバム『Scorpion』収録予定曲の「I’m Upset」のリリックに

End up gettin' loose and gettin' pictures from my ex SMS, triple X
That's the only time I ever shoot below the neck
Why you keep on shootin' if you know that nigga dead?
That's the only kind of shit that gets you some respect

という部分があったことからそれがXXXTentacion殺害を予告していたという説です。

youtu.be

余談ですがこれを知った時の私の最初の感想は「おっ、おおぅ…」という感じで、ファンの想像力ハンパねぇなというものでした。是非、都市伝説を語る某TV番組でヒップホップシーンとも関わりがあるとろサーモン久保田とか、レーザーラモンRGあたりに語っていただきたいなと。

 

犯人はSoldier KiddとSoldier JoJoという若手ラッパー説

続きまして次に暗殺の容疑者にされたのが、現在19歳のSoldier KiddとSoldier JoJoというフロリダの若手ラッパーたち。彼らが容疑者とされたのは、XXXTentacionの訃報が報じられた際、「1人が赤いマスクを着用した2人組の黒人男性がXXXTentacionの車に近づき、ルイ・ヴィトンのバッグを盗み、彼を撃った」という目撃証言に由来しています。

この2人を容疑者とした説は、まさにネットユーザーの情報収集力と、集められた情報の信憑性が問われる問題だなと思いました。日本映画『白ゆき姫殺人事件』的で「ネットユーザーによる”特定”行為、マジ恐ろしや」となります。

というのもこの説については、先述のDrakeの説よりも妙にリアルなラインを根拠としているため、なんとなく信じてしまう人が出てきそうなレベルだからです。

youtu.be

ちなみにこの2人が容疑者とされた理由を箇条書きにすると以下のようになります。

  • 2人が以前からXXXTentacionディスるいわゆるアンチだった
  • XXXTentacion死亡直後、車に赤いマスクを置いた2人の写真をInstagramに公開していた
  • XXXTentacion死亡直後、事件現場から7分の場所で食事をしていたことをInstagram投稿から割り出された 

これら3点を主な理由として、XXXファンから彼らは激しくバッシングされることになります。

また事件発生直後に、WSHHのYouTubeチャンネルが、Soldier Kiddの件のInstagram写真と同じ構図のアートワークが使われた「100 Band Mafia」という曲やDrake同様"Triple X"というリリックが含まれる「Better Be」のMVを公開したこともタイミングが良すぎることや、5月にリリースしたアルバムタイトルが『XXX』(「Better Be」はこのアルバムに収録されています)だったこともかねてからのアンチXXXTentacionの姿勢を理由に殺害を暗に仄めかすものだと指摘され叩かれることになるという…。

 

youtu.be

XXX

XXX

  • Soldier Kidd
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1500

 

現段階では容疑者が逮捕されているため、確実なことは言えませんが彼らはシロなわけであり、これはいわゆるネットによる風評被害的な出来事だと言えます。(ただ、これがきっかけで有名になれたと揶揄するXXXファンもいる模様。)

日本なら「特定しますた」とか「通報しますた」とかそんな感じで攻撃されていたんだろうな〜と思うと怖いですね。いとインターネット恐ろしきです。

というか19歳がここまでネットで火だるまにされたら、下手したら完全にメンタルが病むのでは? と心配になりますが、彼は無実を主張する動画も公開していたので、その強さもすごいなと。

なお、現在、容疑者逮捕によりバッシングしていたXXXファンは、YouTubeで公開されている「100 Band Mafia」に謝罪の投稿をポストしまくっています。

Soldier Kidd半端ないって。そんなんできひんやん、普通。

ここでまた余談ですが、この説により、一気に世界中から注目された2人ですが、当初「Soldier KiddとSoldier JoJoって誰やねん?」となっていたため、その疑問に対する答えとしてNMEが2人を紹介する記事を公開しました。

それによると例えば公開当時の段階でSoldier Kiddは、Instagramでは25万人のフォロワーを持っていたり、「Reality」、「Like Mike」というトラックが20万回以上再生されている、いわゆる典型的なSoundCloudラッパーの模様。それにしても世界的にはほぼ無名、よほどコアなこのシーンの識者ではないとその存在を知らないレベルのラッパーがこれだけのフォロワーと再生数を叩き出してしまうSoundCloudラップシーン、マジハンパないですね。

soundcloud.com

今の流行に乗っかり恐縮ですが、大迫はんぱないbot風にいうと

Soldier Kidd半端ないって。あいつ半端ないって。全くの無名やと思っていたのにインスタのフォロワー25万人もいるもん。そんなんできひんやん、普通。

という感じでしょうかね。

 

黒幕Drakeで実行犯Soldier Kiddら説半端ないって。そんなんできひんやん、普通。

そんなこんなで2つの犯人説があったわけですが、XXXTentacion暗殺説で最大級に都市伝説感がハンパないのが、これらをあわせた、Drakeが黒幕でSoldier KiddとSoldier JoJoが実行犯としてお金で雇われ刺客として放たれた説です。

もうね、ここまでくるとドラマか映画クラスの話で、これのちに誰かが、2Pacを題材にした作品みたいに誰かが映画化するときにネタにするんじゃないかと思ってしまいます。

XXXTentacionの死は偽装説半端ないって。そんなんできひんやん、普通。

あとハンパないのが、XXXハードコアファンは、実はその死は偽装されたものだと信じているなんてこともあったりして、それもそれでかなりやばいなと。

厳密にはちょっと性質は違いますが、なんかもはや海外ドラマか映画に出てくるFBIの証人保護プログラムみたいですよね。ただ、裏を返せば、それだけXXXTentacionという若きラッパーは人々の心を捕らえて離さない存在であり、音楽シーンにおける重要人物だったんだなと改めて実感させられます。

果たしてこの悲劇としか言いようがない事件の真相はいかに。捜査の進展を願うばかりです。以上、お後がよろしいようで。

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Top Image via The Come Up Show, Florida Dept. of Corrections
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Source: Mirror, Genius, Your Tango, NME