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初心者のためのUK注目Bass Musicジャンル”Wave”攻略ガイド

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ロンドンの最新Bass Musicジャンルを攻略

音楽ファンの多くがご存知のとおり、現在のダンスミュージックの主流ジャンルと言えばEDM、それに匹敵するくらいの人気があるのがbillboardのチャートを席巻するヒップホップ。この2つのジャンルの交流は以前からありますし、最近もEDMの代表的なアーティストCalvin Harris(カルヴィン・ハリス)が、Frank Ocean、Migos、Young Thug、Pharrell Williams、Snoop Dogg、Future、PARTYNEXTDOORなどなど、これでもか!と言うくらい豪華ラッパーをフィーチャーしたアルバム「Funk Wav Bounces Vol. 1」が今月末リリースされることも話題になっていますね。

EDMとヒップホップの2大メインストリームのコラボ感満載でヒットは間違いなさそうなんですが、USのアンダーグラウンドなところでは、以前記事にした90s~00sのEmoやらオルタナ/グランジをサンプリングしたトラックが印象的なLil Peepのようなラッパーも出てきており、そろそろトレンドも一回りしそうだなぁという気配も少なからず感じます。

そんな中、今個人的に注目しているのはイギリス・ロンドンで今、じわじわきているという”Wave(ウェーブ)”というジャンル。00年代後半のロンドン生まれのベースミュージック・Dubstepの”次の可能性”を秘めていると言っても過言ではないこのジャンルなんですが、いかんせん、まだまだアンダーグランドで情報が少ないところが玉にきず。

そこで今回は、そんなこのジャンルについて私が調べたり、シーンの中心人物にインタビューを行った時の情報をわかりやすく簡潔にまとめてみようと思います。

1. Waveの起源

元々はクラブに入場できない年齢のティーンエイジャーのトラックメイカーたちがオンラインでつながり、コミュニティーを形成。大体2012年くらいに発生し、Reddit、Soundcloudを主な交流プラットフォームとして発展。

2. Waveの音楽的特徴

先述のとおり、クラブにいったことがない若者たちがベッドルームで制作した所謂ベッドルームミュージックがルーツになっているため、初期はBPMのレンジも100~140と幅広く、クラブでの鳴り方を意識せずに作られていた。最近のメインのBPMは120~140くらい。

また、上物のメロディックなシンセ、女性ボーカルの声ネタ、Trap風のビートフォームを持っているということがこのジャンルの基本形。ちなみにどういったものが”Wave”なのかと、その定義をシーンの中心人物Karefulに尋ねたところ、”Wavey”なものがWaveらしいです。

それはどういうことかというと、Waveは、既存のTrap、Dubstep、Drum and bass、Grimeなどのベースミュージックの影響下にあるそうで、色々なジャンルの要素をミックスして組み合わせた上で成立するのが、彼が考えるWaveの定義とのこと。

3. Vaporwaveなどネット・エレクトロニックミュージックとの違い

Kareful曰く、Vaporwaveが既存のものに対する皮肉やパロディーとして作られていることに対し、Waveはもっとシリアスなものらしく、シーンとして掲げるものが、「URL to IRL」。つまり、ネットで完結させずに現実世界に持ち込もうというモットーが根底にあるそうで、その面で他のネット・エレクトロニックミュージックとは別物。また、音楽的にもそこにルーツを持っておらず、UKに脈々と受け継がれてきたBass Music全般がルーツ。

4. UK Bass Musicの大人達からの支持も厚い

このシーンの熱心な庇護者と言えば、Rinse FMでの番組をはじめ、DJ、プロデューサーとして活躍し、Bass musicシーンのテイストメイカー的に役割を担っているPlastician。彼は、自身が主宰するイベントにこのシーンの若手達を招き入れ、Waveのフックアップを行っている。

その他にはToddla T、BBC BristolのThadeous Matthewsらもサポートしている模様。また、ロンドンのRadar Radioは「Yusoul」、「Liquid Ritual」というWaveのレーベル・コレクティブによる専門番組の放送も行われている。

5. 情報の入手先

Wavemob - シーンの元祖コレクティヴ。シーンの最新リリース、イベント情報、アーティスト情報などを定期的に紹介している。また、レーベルとしても機能。

Yusoul - 先述のとおり、同名の専門ラジオ番組を持つ。また、リアルイベントをロンドン市内で展開中。ロンドン観光時には是非イベントに足を運んでみたい。

Liquid Ritual - Kareful、LTHL、Stohouが設立。Yu Soulと同じく、専門番組を持つ。この6月からレーベル、コレクティブとしても機能。レーベルのブログでは要注目のアーティスト情報などを確認できる。現在、コンスタントに音源のリリースも行っている。最近までにリリースされた作品は以下のとおり。

6. Wave入門のためのおすすめプレイリスト

◇Liquid ritual's Wave Essentals by Kareful

1週間毎にアップデートされるプレイリスト。Wave入門に最適。

◇Liquid ritual's Chill Wave

一見、あの”Chillwave”っぽく思えるが、内容はWaveの中でも特にチルアウトやリラックス用に適した曲がキュレーションされている。

いかがでしたでしょうか? ジャンル自体が新しいため、私自身も初心者ではありますが、今回記事にした内容を、押さえておけば、まずWaveの基本は押さえられると思います。

また、Liquid RitualのKarefulのインタビューは現在、block.fmで公開されていますので、興味を持った人はあわせてチェックしてみてください!

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Reference: Mixmag, fabric, Wavemob, Liquid Ritual
Top image via Soner Dogan photography/Yusoul Facebook
Text by Jun Fukunaga