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Daft PunkのThomas Bangalter新曲と旧曲がキャスパー・ノエ新作映画サントラに収録、そこから考える最近のLo-Fiハウス

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Daft Punk(ダフトパンク)メンバーのThomas Bangalter(トーマ・バンガルテル)が、久々の新曲となる「Sangria」を映画監督のキャスパー・ノエ(Gaspar Noé)による新作映画『Climax』サントラに提供。その「Sangria」を使った予告編動画が公開されています。

Thomas Bangalter新曲「Sangria」が提供された映画『Climax』

『Climax』は今月行われたカンヌ国際映画祭でも公開された作品で、ギャスパー・ノエ作品としては、2015年の前作『LOVE 3D』に続く新作映画。

そんな映画の予告編では、謎のアングラクラブパーティーシーンやアナログタンテなどが映し出されていたり、ドラッグや乱交セックスパーティーなどの要素もある作品になる模様。海外メディアによるとカンヌでの評判もなかなかとのことです。

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Thomas Bangalter x キャスパー・ノエ

ちなみにThomas Bangalterは、モニカ・ベルッチ演じる女性がレイブされる過激シーンが物議を醸した『アレックス』、東京を舞台にしたドラッグやセックスをテーマにしたサイケな映画『エンター・ザ・ボイド』で以前にもギャスパー・ノエ作品の映画サントラ仕事を行なっています。

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今回の『Climax』はホラー映画だそうですが、予告編を見ている限り、ギャスパー・ノエ節が炸裂するバイオレンスかつ過激な性描写が強烈にビビットなサイケデリアを醸し出す作品なのかなという印象を受けます。

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Imege via Climax

Daft Punk、Aphex Twinなど参加の豪華サントラ

また『Climax』のサントラにはThomas Bangalter新曲以外に、彼が主宰していたフレンチハウスファンにとっては伝説的なレーベル「Roulé」から95年にリリースされたEP『Trax On Da Rocks』収録の「What To Do」も収録。

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さらにDaft Punkの「Rollin' & Scratchin」も提供されていたり、ほかには最近ラッパーの6ix9ine(シックスナイン)のMVでもネタになったと思われるAphex Twin(エイフェックス・ツイン)の「Windowlicker」、Giorgio Moroder「Utopia Me Giorgio」、90年代の日本のドラマ『フェイス』でも使用され、当時日本でもちょっとしたリヴァイバルになったThe Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)の「悲しみのアンジー(Angie)」なども提供されている模様。

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Thomas Bangalterの新曲は映画の怪しげな雰囲気にマッチした妖艶で、彼らしいディスコチューンという感じですが、かすかにウネウネしたTB-303っぽいアシッドなベースラインも聴こえたり、最近のLo-Fiハウスのトレンドともどことなくリンクしているようにも思えます。本人がそこを意識しているかどうかは定かではありませんが…。

Roulé時代の「What To Do」から考えるLo-Fiハウス

また「What To Do」を久しぶりに聴き変えしてみると、まず気になったのはキックを含むビートパターン。若干割れ気味にも思えるLo-Fiなキックは特に最近のDJ Seinfeld(DJサインフェルド)の「Time Spent Away From U」などにも通じる感じがあります。

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Lo-Fiハウス自体がこの「What To Do」がリリースされた当時のハウスをリファレンスとしている節があるので、よくよく考えたらそう感じることは当然といえば当然なのですが、他にもサンプリング、特にLo-Fiハウスの人気アーティストのMall Grabなんかはわかりやすい大ネタ使い曲も多かったり、DJ Seinfeldもかなりサンプリングを駆使して曲作りを行なっているので、その面でもこの当時のフレンチタッチと言われる、いわば「フレンチハウス1.0」のフィーリングに近いものがあるなと。

フレンチハウス1.0 x 最新Lo-Fiハウス

ファンションも音楽も90sリヴァイバルが盛んなテン年代後期。ここに来て、ただ単に”クラシック”というだけでなく、こういった「Roulé」音源や、近しいレーベルでDaft PunkのGuy-Manuel de Homem-Christo(ギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト)が関わる 「Crydamoure(クリダムール)」などからリリースされていたDJ Falcon(DJファルコン)、The Buffalo Bunch(ザ・バッファロー・バンチ)、Le Knight Club(ル・ナイト・クラブ)あたりが先祖返り的に、特にDJの現場で再評価されても良いのかなと思ったりもします。(厳密にいうと今のダンスミュージックの音圧に対応すればなお良しですが…)個人的な意見ですが、特にDJ Haus関連レーベル周りの音源とは相性が良いのではないでしょうか?

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あとかなりマニアックな情報ですが、DJ SeinfeldとかLo-Fiハウス系の曲は、おそらくサンプリングと曲制作時のグルーヴ、スウィング機能が関係しているのか、今の音楽にしては珍しく、rekordboxなどPCDJソフトで解析すると波形上に綺麗にグリッドが打たれないことも多いです。そのあたりも「フレンチハウス1.0」音源に通じる部分だなと。

PCDJソフト、もしくはAbleton LiveなどDAWで曲の波形データを解析した上でDJプレイする人は、その際にグリッド調整しておかないとちょっとミックス時がちょっと面倒です。そこに関してはある程度DJスキルがある人にとっては特に問題ではないですが…。

ちょっと脱線しましたが、Thomas Bangalterの新曲も良かったし、ギャスパー・ノエの新作も面白そう。それとLo-Fiハウスと「フレンチハウス1.0」のブレンドは今、結構アツいと思った次第です。以上、お後がよろしいようで。

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Text by

Lady Citizen aka JF (@LadyCitizen69) on Twitter

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Source: Your EDM