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ラッパーSATORUが路上の真実を暴露する「究極の1stアルバム」制作に向けクラウドファンディング中という話

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「坊主も走る師走」が到来ということで、今年も残りあと1ヶ月をきりました。毎年、この季節は仕事が年末進行になるため、とにかく忙しいという方もきっと多いはず。私も先月末からとにかく仕事が忙しく、日々忙殺されており、最近はなかなか新記事を公開することもままならなかったのですが、本日は、ぜひお伝えしたいことがあり、今、キーボードをカタカタさせていただいております。

 

路上の真実を暴露する“究極の1stアルバム”制作のためにクラウドファンディング

その伝えたいこととは、今年、突如、彗星の如くネット上に現れ、SNSを賑わすとにかくパンチラインだらけのリリックで話題を集めた足利のラッパー、SATORUが注目を集めた1st EP、その名も『金と女と注射器』に続く“究極の1stアルバム”制作のために現在、クラウドファンディング実施中というトピックです。

SATORUといえば、地元の敬愛する先輩ラッパー、MAKAをテーマにしたトラック「MAKA」の刺激的すぎるリリックとMVで一気にSNSにおける注目すべき若手ラッパーになり、先述の『金と女と注射器』でアップカミングなラッパーの地位を手にいれたわけですが、そんな彼が目指す“究極の1stアルバム”とは、「路上の真実を暴露する」という彼の中でのリミッターを外した攻めに攻めた作品のようです。

www.youtube.com

では、一体、”究極の1stアルバム”である『路上の真実』とは、どういった内容のアルバムになるのでしょうか? 現在、公開されているクラウドファンディングサービス「Campfire」の該当プロジェクトページには、

一切の出し惜しみをする事なくオブラートに包まず
ありのままの真実を全てこの作品で【暴露】する事です。

この作品が世に放たれる事によって【SATORU】というアーティストの存在を邪魔に思う方が多く現れます。
過激な内容と丸裸にされた真実によってストリートでは今まで以上にトラブルや揉め事に巻き込まれる事が増えるでしょう。
【罪】と犯してきた数々の過ちから批判の声や罵声の言葉が重くのしかかってくるでしょう。

ですが、ハッキリ言わせて頂きます。
私は、これらの事に対して
【ク◯でも喰らってろ】【◯しゃぶり野郎共】と思っております。

というSATORU節全開の説明があり、リリースに伴うトラブルは承知の上で、まさに”路上の真実”を暴露するものだということがわかります。

 

今年でいえば、某地上波の番組で某人気ラッブグループが取り上げられた際に彼らの過去の過ちがSNS上では非常にネガティヴに捉えられ、決して少ない数の批判が起こりました。

SATORU作品でいえば、例えば、先述の『金と女と注射器』始め、彼のラップにはいわゆるハードコアなリリックもふんだんに使われているため、生理的に受け付けない人もいれば、昨今のポリコレの観点から受け付けないという人ももちろんいることでしょう。

ただ、実際に一度ライブを拝見しただけの私がいうのもなんですが、彼は極めてシリアスに自分に向き合い、ヒップホップで自分を表現し、さらに成功することに命をかけているピュアな人間でもあります。

よくアーティストだったら過去の過ちは全て許されるのか? という批判を耳にしますが、SATORUの場合は、クラウドファンディングのプロジェクトページの説明を読む限り、そのあたりは全て了承済み。そういった覚悟とともに地頭の良さを感じさせる部分も多くの人が彼に注目する理由になっている気がします。

また、SATORUといえば、現場での長渕剛を彷彿とさせる立ち振る舞いも印象的ですが、やはりSNSを駆使したセルフブランディングの巧みさは、USのラッパーも舌を巻くほどじゃないかと思っています。

とにかく刺激的なワードが連発されるTLは、例え曲を聴いたことがなくても、どんな曲をやっているラッパーなのかは必ずや気になるはず。最近ではSNSも動画を駆使した運用方法がマーケティング、プロモーション方面で注目され、スタンダード化しつつありますが、SATORUほど、シンプルに言葉の力で人々の興味関心を引く若手ラッパーは日本にはなかなかいないのではないでしょうか?

SATORU『究極の1stアルバム〜路上の真実』は3万円から支援可能

そんなわけで一度でも彼の存在を知った人にとっては、とにかく気になる路上の真実を暴露する“究極の1stアルバム”。こちらは現在、3万円から支援可能。この手のプロジェクトで最安でその価格に設定されているのは、なかなか珍しいかと思いますが、音楽がストリーミングの台頭により、ほぼ無料、もしくはフリーミアム化している時代においては、モノの価値として、それが好きな人間がモノを手にするための対価をどれくらいまでに設定することができるかということをある意味試されているようにも感じます。

そこには金額の大小による優劣はなく、ただ好きなモノに対する価値をどれくらいに見定めるかという行為のみが存在する。そんな気がしてなりません。ちなみにこのプロジェクトのリターンとして支援者に提供されるのは、”世に公開する事が不可能な曲のデータ(今後も世に公開する事なし)というSATORUプレミアムな1曲とのこと。プロジェクトは2019年12月31日まで継続するので、ハードコアSATORUファンはぜひ支援されたし。

camp-fire.jp

 

アレのアレな2nd EP『SATORU69』も近日リリース予定

なお、SATORUは、このプロジェクトは別に近日中に2nd EP『SATORU69』をリリース予定とのこと。ヒップホップファンなら見ればすぐ分けるジャケは、まさにアレのアレです。これについては、以前からのへイターによる批判に対する感謝の気持ちのあらわれであり、”奴等が自分のブツを右手でシゴくには充分過ぎるオカズ”として制作されたという超ヒップホップな作品になっています。(収録曲では「アラジン 〜ゆんぼを盗んだわたる」が特に気になります)

こういうところの切り返しのうまさもエンターテイナーIQの高さを伺わせるSATORU。『究極の1stアルバム〜路上の真実』クラウドファンディングプロジェクトの目標金額は100万円。前代未聞。ヒップホップ史に君臨し続ける究極のアルバムが無事リリースされることになるのか? 今後の続報が気になるところです。

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