2年ぶりとなるアルバム、聴きどころは?
7/21に以前より、アルバムのトレイラー、先行曲が数曲公開されていたSSWのLana Del Rey(ラナ・デル・レイ)の新作アルバム『Lust For Life』が発売となりました。
「Sadcore」という呼称もある彼女の憂いを感じる歌詞、メロディー、そして前作「Honeymoon」で見せたインディーポップのTrap化というアプローチは今作でも健在で、アーバンミュージック系からは先行曲「Lust For Life」でThe Weeknd(ザ・ウィークエンド)、「Summer Bummer」ではA$AP Rocky、Playboi Cartiを迎えています。
収録曲のうち、気になったのは、大御所ロックバンド・Fleetwood Mac(フリートウッド・マック)のシンガー、Stevie Nicks(スティーヴィー・ニックス)をフィーチャーした「Beautiful People, Beautiful Problems」。
こちらは、新旧の歌姫の共演という感じで、じっくり聴き込みたいスローテンポのバラード。
それに対して、「Coachella - Woodstock In My Mind」は、こちらも聴き込みたいしっとりしたバラードながらもLana Del Rey風のTrapという感じのアプローチが印象的な曲です。
「Summer Bummer」の他にもA$AP Rockyがフィーチャーされた「Groupie Love」、「In My Feelings」は、どことなくChillwaveを感じさせながらも、最近のUKの新ジャンル「Wave」にも通じるトラックかなと。このあたりのクラブRemixがブートレグで発表されそうな予感もしますね。
また、アルバムの中では「God Bless America - And All Beautiful Women In It」、「Heroin」の2曲が、聴き手を独特のサイケデリアに引き込こんでいくような印象を受けます。
アルバムのラストを飾る「Get Free」はアルバムの中でも屈指のポップさを感じる曲で、1枚を通じてLana Del Reyが見せた『Lust For Life』という世界観を締めくくるナンバーになっています。
後からジワジワくるのは?
その他、アルバムリスニング2周目以降からその良さがグッと感じられるようになるのが、「Cherry」という曲。どことなくHow to dress wellの初期の名曲「Ready For The World」に近い印象を受ける、オルタナR&Bとしても聴けそうな曲だなという感想です。
7/21といえば、同日にTyler, the Creatorも2年ぶりとなるアルバム『Flower Boy』をリリースされ、その週の2大リリース的な感じとなりましたが、すでに年間ベスト級のアルバムがヒップホップシーンから多数リリースされている2017年、それ以外のところ(少なからずヒップホップの影響は受けてはいますが...)から来るLana Del Reyのこのアルバム(が、年末の各メディアの年間チャートにどのように反映されるかも楽しみですね。
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Text by Jun Fukunaga