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Lil Peep『Come Over When You’re Sober, Pt.2』が2018年11月9日に発売、先行曲「Cry Alone」サンプリングネタも明らかにという話

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今週、発売間近と報じられていた故Lil Peep(リル・ピープ)の遺作アルバム『Come Over When You’re Sober, Pt. 2』のリリース日がついに決定。2018年11月9日になることが発表されました。

 

Lil Peep『Come Over When You’re Sober, Pt. 2』がついにリリース

テストカセットテープの画像も公開されるなどファンの間で長く待たれていた『Come Over When You’re Sober, Pt.2』ですが、すでにネット上では、#COWYS2 というハッシュタグもかなり見受けられ、まさに待望という感じ。また同時に先行曲の「Cry Alone」MVも発表され、後は本編を待つのみ。今から約3週間後、楽しみすぎですね。 

先行曲「Cry Alone」MV公開

ちなみにその先行曲の「Cry Alone」ですが、プロデュースは、以前からLil Peepの遺作アルバムについて、その存在を明かしていたSmokeasacとIIVIが担当。Smokeasacは、前作『Come Over When You’re Sober, Pt.1』でも人気曲でLil Peepのイメージにマッチするロッキン・Eto Trapの「Awful Things」などを手がけています。

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「Cry Alone」元ネタはアングラなジャジーヒップホップ「Devil Speaks」

そんな彼がプロデュースに関わるだけあって、「Cry Alone」も再生するといきなり、「おいおい、めちゃLil Peepっぽいな」と思わせてくれるオルタナロックなギターリフが鳴り出します。そのため、これはどこからサンプリングしたのかな〜と気になったので、ちょっと調べてみるとおもしろい事実を発見。ギターフレーズの正体自体はわからなかったのですが、最初のイントロでも聴こえるどことなく物憂げなマレット系のフレーズは、アングララッパーのPRXJEKが2017年にリリースしたダークなジャジーヒップホップチューン「Devil Speaks」からのサンプリングのようです。

Devil Speaks

Devil Speaks

  • PRXJEK
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

さらに興味深いことにその「Devil Speaks」、実は最近のヒップホップのトラックでは有名なサンプリングネタになっているようで、10代の不良少女ラッパーのBhad Bhabie(バッドベイビー)がLil Yachty(リル・ヨッティ)をフィーチャーした「Gucci Flip Flops」始め、 Ronny J(ロニー・J)とSki Mask the Slump God(スキー・マスク・ザ・スランプ・ゴッド)のコラボ曲「Costa Rica」、Reese LaFlareとPusha T(プシャ・T)のコラボ曲「Mood Ring」ほか、数曲でサンプリングされています。

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そんなわけで同曲はある意味では、知る人ぞ知るモダンヒップホップにおけるニュークラシック・サンプリング元ネタ的ポジションの曲だと言えるのかなぁなどと思ったり。(これについてはあくまで勝手な持論なので異論は認めるといった感じですが…)。

余談ですが、最初「Devil Speaks」を聴いた時、Shingo 02の緑黄色人種収録クラシック「誰も知らない (Nobody Knows)」と似てるし、元ネタ同じなのかなと思ったんですが、実際にそっちを聴いてみるとメロのラインがちょっと似てるだけでそんなに似ていなかったという...。

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「Cry Alone」のリリック

でもこういった情報が、毎度おなじみGeniusやWho Sampledに速攻で上がってくることを考えると、やっぱりサンクス、インターネットですよね。ということで、ついでに「Cry Alone」のリリックにも職人さんによるおもしろい解説があったので、いくつかご紹介。

I hate everybody in my hometown
I wanna burn my old high school into the ground
I hate everybody in my hometown
Tell the rich kids to look at me now

 

という最初のバースのリリックは、Lil Peep自身の人生を示唆するもので、実際にLil Peepは、故郷のロングビーチからLAに移っていることなど、彼の告別式でも母親のLiza Womackがこのリリックを彷彿とさせる弔辞を読んでいたと指摘されています。

またイントロやコーラスパートなど、SoundCloudラッパーたちの大好物で必須アイテムであるドラッグの「Lean(リーン)」を入れるためのプラスチックカップである発砲スチロールカップを指す”Styrofoam(発泡スチロール)”というリリックも見受けられます。

なお、『Come Over When You’re Sober, Pt.2』のアルバムカバーアートも公開。そちらは先述のLil Peepの母親による彼のファンへのメッセージ付きでInstagramに公開されています。

www.instagram.com

またアルバム収録曲のトラックリストも公開されています。

Lil Peep『Come Over When You’re Sober, Pt.2』

01 Broken Smile (My All)

02 Runaway

03 Sex With My E

04 Cry Alone

05 Leanin’

06 16 Lines

07 Life Is Beautiful

08 Hate Me

09 IDGAF

10 White Girl

11 Fingers

*追記:「Runaway」がリリースされました。

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Top image via Lil Peep
Source: Genius1,2SPIN