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James Blakeが自分の音楽がSad boy、物憂げな少年の歌と評されることに物申している件

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ポストダブステップを代表するJames Blake(ジェイムス・ブレイク)が今週、今年1月にリリースされた「If the Car Beside You Moves Ahead」に続く新曲、「Don’t Miss It」を公開しました。

新曲「Don’t Miss It」を公開したばかりのJames Blakeが声明文を公開

ピアノフレーズやメランコリックなメロディーなど、まさにJames Blake節といった感じのこの新曲、個人的にはボーカルパートを早回しするという音楽制作上のちょっとしたテクニックにも「おおっ!」とさせられ、トラックメイクの部分でもかなり気になる内容でした。

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男が正直に不安を歌にすること

しかし、そんな新曲を発表したばかりの本人が最近Twitterである声明を発表。そこでは自分が曲の中で正直に自身の不安や恐れのような感情、精神的な問題を歌詞で表現すると”Sad Boy”、物憂げで孤独な少年の歌と評され、そういったレッテルを貼られること、そして、女性はそういった感情を音楽で表現しても別段気にもされないが、男性の場合だけそういう風に特別視されるのは不健全だと訴えています。

無理にマッチョに振る舞うほうが精神衛生的に良くない

さらにそういった”Sad Boy”的なイメージに結びつく男性の鬱や自殺は、もはや社会現象と言えるものであり、男性が弱さを抱えたり、そういった心情をオープンにする姿勢を疑問視する必要はなく、世間の目を恐れ、無理に男らしく、”マッチョ”に振舞ったりすることは無意味。自分の抱える問題に正直でいるほうが精神衛生的にも良いという自分の意見を表明しています。

そして、最後にこの声明文を公開したことについて、自分の友人たちがそういった状況に陥っており、自分自身もまた精神的な弱さやソフトさをオープンにすることを恐れて押し殺しているような状態だったとも綴っています。

そこからは、人間生きていたら、そういう気持ちも歌いたくなる。それが普通だし、わざわざ”物憂げで孤独な少年”というレッテルを貼る必要はないという彼の主張や、無理して鬱状態になってまでマッチョでいることを良しとする風潮ってどうなのよ? という疑問が感じられます。

 

”物憂げで孤独な青年”

また個人的には女性はそういう孤独を抱える的な悩み系の歌を歌っても、別に特別視されないのに、男が歌うと”物憂げで孤独な青年”というレッテルを貼られるのは男女平等が声高に叫ばれる今の時代、もはや逆差別なんじゃないか? という意見にも思えます。(ただ、その部分のJames Blakeの発言に関しては「女性は女々しいことを歌っても許されてもいいよね」という"女性蔑視"だと揚げ足的に捉える人間もでてきそうですが...。深読みしすぎですかね?)

加えて、今やイギリスの”物憂げな青年”ではなく、Beyoncé、Frank Ocean、Jay-Zといった超大物たちをも手がける売れっ子プロデューサーとして活躍しているだけに、いつまでもそのイメージで語られるのはもううんざりという気持ちも少なからず込められているような気がします。

少々、深読みしすぎかもしれませんが、今回のJames Blakeの声明文に対し、個人的にはそんな風に感じました。

ちなみにJames Blakeは、今回の主張の矛先の典型的な例としてPitchforkによる同曲のレビューを挙げており、彼の意見に同意しているファンからは、その内容に対する批判的な声が数多く挙がっています。

 

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Top Image via Lara Janssen